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「オバマ 対 ロムニー 〜2012年 アメリカの選択〜 後編」を見た。

BS世界のドキュメンタリー
 原題:The Choice 2012
 制作:WGBH (アメリカ 2012年)

オバマのドキュメンタリーをやっていたので、見てみた。アメリカ大統領は、日本の政治にも影響するので、オバマがなぜ変わってしまったのか、その理由が何となくわかった。彼を変えたのは、医療保険制度改革であり、就任1年目を丸々それに費やしたのにもかかわらず、それは党派対立を生み、厳しい政権運営をしていく内に、理想に燃えた人間が厳しい現実にぶち当たり、理想を捨てた実利主義者へ変わっていく悲しい姿を見るドキュメンタリーだった。

つまり、理想を持って不断の努力を持って努力をするなんてことでは現実は動かず、できる事はなんでもして、とにかく結果を導くことが大事という考え方に変わったようだ。その結果、大統領の就任初期にはTPPは、おかしいと言っていたオバマが、今やTPPを推進する側に回っている。でも、そう言うやり方にも副作用があることは明らかで、だからこそ理想が重要なのだが、理想を捨てた今の彼には、それが聞こえないらしい。ある意味、理想に燃えた人間が厳しい現実の末にダークサイドに落ちる姿を見た。そのダークサイドに落としたのは、2009〜2010年までオバマ政権首席補佐官、ラーム・エマニュエルという奴のようだ。

 Wikipedia:ラーム・エマニュエル(2009〜2010年大統領首席補佐官)

今のオバマ政権の行動パターンは、この男の行動パターンに似ている。つまり、結果を導くために、多少強引な方法でも、やり遂げるという考え方だ。この男のあだ名は「ランボー」で、その名のとおり、現実を動かすためには粗暴なやり方でもしかたがないという発想だ。おそらくこの男の影響で、現在TPPが日本に要求されているのだ。コノヤロウ。

とにかく人の国を植民地にしてでも、自国の経済を立ち直らせようという、昔のオバマ大統領の言動からは考えられなかったような行動を生み出したのは、大統領として結果を導くには、多少乱暴でもやり遂げるしかないというエマニュエルの行動原理しかないとオバマ大統領が思い込んだ結果のようだ。だが、この男のやり方は、副作用が大きく、おそらく失敗すれば、より多くのものをアメリカは失うことになるだろう。多分、同盟国の1つをアメリカは失うことになり、その結果、アメリカはアジアでの覇権を失うことになるだろう。

理想主義者ほど、その理想が崩れた時に脆いなと感じた。ただ彼の現実主義は、未熟な現実主義である。理想を全否定した現実主義者など、ただの乱暴者にすぎない。現実を見据えつつも、適度に理想を抱えていることが、最も現実的なのだ。そう言うバランス感覚がないと、粗暴な方法論を選んでしまい、その副作用で自分自身を滅ぼしてしまいかねないのは、歴史が証明している。

ラーム・エマニュエルは、パルパティーン最高議長と言った所であろう。だから、今のオバマ大統領は、ダークサイドに落ちたダースベイダー(アナキン・スカイウォーカー)なのだ。というわけで、今のアメリカは銀河共和国ではなくて、銀河帝国と化しているといってよい。TPPによる植民地政策を実施し、ブロック経済を形成しようとしている点から見ても、その類似点は多い。逆らう奴はデススターでやっつけるみたいなところも似ている。だから、今、世界各地でデモを起こしている人たちは、銀河帝国に抵抗する反乱同盟軍と言ったところだろう。

 Wikipedia:銀河帝国 (スター・ウォーズ)

この銀河帝国の成立を見ると、現在の状況に酷似しているので、ある意味、恐いのだが、もし、オバマ大統領が再選したら、洗脳を解いて理想も大事だと気づいてほしいものだ。理想を捨てるだけが現実を動かす方法ではないと気づいてほしい。理想を捨てず現実を耐え忍び、ありとあらゆる方法論を実施したスティーブ・ジョブスのような不断の姿勢を彼に要求したい。結果を導くのにはプロセスが必要で、彼の初期の失敗は、その準備ができていない間に結果を出そうとしたからだ。大統領としての実績と経験を積み重ねた後にやるべきことを最初にやってしまったことが問題だったのだ。それを彼は理想では現実は動かないと勘違いしてしまったようだ。オバマ大統領の失敗は、経験や実績をつまずに、理念だけで突っ走った事にある。つまり、順番を間違ったのだ。理想がダメなのではなく、理想という高い目標を実現するプロセスを踏まなかったことに問題があった。適切なプロセスを踏まずに結果を出すには、強引な方法しか無く、結果として、彼の導き出した帰結は、ダークサイド(未熟な実利主義)という事だったのだと思う。

彼の変遷を見て理想主義者ほど脆いと感じた。彼の最大の弱点は、現実を知らなかったことにあるといえる。しかし、誰でも経験がないときには、現実を知らないものであり、それのみでは責めるに値しない、問題は、そこから立ち上がる時に、なりふり構わない乱暴者になるのか、それでも、理想を忘れず慎重に結果を導くのか、それによって、その人の品格が試されることになる。オバマ大統領は良い結果を導く素質を持っているとは思ったが、現状では、悪い方向に行っているようだ。かといって、新自由主義の申し子のロムニーなるともっと酷いことになると思うので、オバマロムニーかと聞かれたらオバマという事になる。

結果として帝国支配が数十年続き、最後にルーク・スカイウォーカーみたいなのが出てきて、銀河に平和が訪れるみたいなストーリーになるのか、それとも、その野望は途中で破綻し、銀河帝国は凋落し、混乱の末に、新しい世界秩序が築かれるのか、今日の選挙結果では、その趨勢は分からないが、恐らく分岐点であることは確かである。

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