SKY NOTE

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Appleはガラパゴスではない

最近、独自技術や囲い込み戦略をもって、ガラパゴスと称するようだが、それは本質を履き違えている。なぜなら、過去の事例を見れば、それは明らかだからである。例えば、独自技術といえば、SONYトリニトロン管、これはブラウン管の中で独自の技術を持っていたが、SONYブランドを世界に冠たるものにした技術である。単に独自であるから、閉鎖的とは言えないのだ。また、囲い込み戦略などは、それがオープンな市場で行われていれば、ガラパゴスではない。例えば、現在、AppleGoogleが囲い込み戦略をしているが、双方とも、世界全体の市場で、それを展開している。
 
では、ガラパゴスとは何なのか?それは特定の領域でしか通用しないローカルな規格やルールに縛られた製品である。例えば、日本の携帯電話、日本の電波規格にしか通用しないので、世界展開できなかったり、絵文字は日本市場でしか通用しない、つまり、それを外国に持っていっても、利用できないか、通用しないものをガラパゴスというのである。だから、独自であったり、囲い込みが行われても、それが世界で通用するものであれば、ガラパゴスではないのだ。これは日本のゲーム機競争を見れば分かる。日本のゲーム機は世界中で売られている。それぞれが独自の技術であるが、世界に展開している。これはガラパゴスではない。
 
もっといえば、Appleの製品がガラパゴス的ではない理由の最たるものは、マルチタッチが挙げられるだろう。マルチタッチは誰でも直感的に理解できる単純さと明解さを持っており、世界中の人々がそのルールを理解した。その結果、世界中で物凄く売れている。日本の携帯のように日本でしか通用しないルールで作られたものとは違うのである。また、AppleiOSは、最初から多言語に対応しており、インターフェースも多言語に適応できるように最初から設計されている。日本語に特化した設計の日本の携帯電話とは、発想のスケールからして違っている。
 
つまり、Appleの製品は独自であり、管理もされているけれども、しかし、世界市場で販売できる機能を有しており、逆に日本の携帯電話などは、世界市場で通用せず、柔軟性がないために世界シェアが僅かという結果となっている。要するに、独自であっても世界市場に適応できるものは、ガラパゴスとはいわない。逆に日本市場など特定の領域のみしか適応できないものをガラパゴスという。
 
いって見れば、Appleの製品は世界市場という「場」に対しては、関所は設けていない。世界市場に適応できる能力をもっている。逆に日本の携帯は、日本以外では利用できないという関所を設けている。その結果、製品が外に出ていけない。日本の携帯電話は部分最適化が行き過ぎており、結果として世界展開が出来なくなるほど融通が効かないものになった。逆にAppleGoogle、特にGoogleというべきだろうか、Web技術を使って全体最適化を上手に行い、世界市場を席巻するほどの勢いである。
 
日本の携帯がいかに素晴らしかろうと、それが外国の人にも使えるようにオープンなものにしなければ、全く意味がなかったのに、それを全然やらなかった日本メーカーの柔軟性のなさには、とても発想の貧困さ、実行力の非力さを感じる。だから、世界シェア競争であっても負けるべくして負けたというのが、私から見た、日本の携帯電話メーカー。世界市場を見据えた全体最適化の出来ない硬直化した部分最適化レベルの発想では勝てない。部分最適化しかしていないのに、日本の携帯電話は世界一などと間抜けな事をいっているのは、全くもって愚かである。