SKY NOTE

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日本のボトルネック(古い、不公平、不安の3Fが日本のボトルネック)

坂本龍馬が自分よりも遥かに身分が上の人達に「帝の御為」という言葉(大義)を使って説得する。帝というトップを中心に、それ以外は、その下僕であるため、それがそのまま大義となる。日本というのは、大義を基本的に「人」に依存してきた。一番上の人の為という言葉を使えば、他の人間はある程度耳を貸さざるおえない。それも帝というトップは特別なので、それを無視するような事は、社会的に非難される恐れのある行為であった。つまり、日本という国は、天皇を通して、日本全体を見る事が出来た。そして、それを部分最適化(私利私欲)の論理で覆そうとするならば、天皇という大義が有形無形の形で影響し抑制する傾向があった。
 
しかし、第2次世界大戦後の天皇の「人間宣言」以降、「天皇は神ではない」と定義され、神としての崇拝の対象としては外れた。しかし、昭和天皇に対する国民の敬愛の念は強く、祭日になると国旗が掲揚される事は30年くらい前まで普通の風景だった。しかし、1989年の昭和天皇の逝去後、そういった習慣も少なくなり、日本国内における大義の定義が揺らぎ始める。それまでの日本人というのは、何だかんだ言っても、天皇がこの国の中心であるという事は明確であり、その中心にそって発想する習慣があった。そう考える事で日本全体の利益を昭和天皇を通して考える事が出来た。しかし、昭和天皇逝去後、その中心と言えるべきものが亡くなってしまった為に、あるいは昭和天皇の影響力が絶大であったために、その影響から外れた多くの日本の指導層の行動が変容し始めた。
 
大義を失った人々が求めたもの、それは「個人の自由」であったが、実態は「恣意の自由」に過ぎなかった。要するに単なるワガママである。自由には責任が伴うが、その責任を果たす意識が欠落していた。それまでは、その部分を公の存在である天皇に依存してきた日本国民は、昭和天皇の逝去後、ヒモのキレたタコのように秩序を保つ論理が破綻していった。つまり、何でもかんでも自由と設定し、その責任を問われても、個人の自由という言葉を使えば、言い逃れが出来るという小学生レベルの論理を振りかざす大人があまりにも増えすぎてしまった。
 
私利私欲以外(部分的利益)の集団としての行動規範(全体を俯瞰する行動規範)を失った日本人は、その後、バラバラになっていき、バブル崩壊とともに迷走をし始める。莫大な額の景気対策を実施し、その間に減税に次ぐ減税を重ね、GDPが増えたのにも関わらず、税収は下がり続け、その結果、莫大な債務が生じ、その利子負担の重さから超低金利政策を実施しなければ国の財政が立ち行かなくなるところまで追いつめられた。そして、短絡的な利益追求主義に偏った日本は、その後、非正規雇用を拡大することで若年層を中心に所得が大幅に下がり、その上、高齢化に因る現役世代の減少も合まって、消費が低迷し、デフレとなる。デフレにより物価が下がると企業は、国内生産を諦め、海外生産にシフトした為、国内の雇用環境が悪化し、それが賃金の低迷につながった。2000年以降、中国や韓国を中心とする新興国の技術水準が向上した為、世界市場で日本は、コストパフォーマンスで負け始める。この状況に日本国民は絶望し、下を向き始める。
 
コストパフォーマンスで勝てないのならば高付加価値品を作ればいいという事になるが、目標設定型成果主義を導入したために研究開発能力が低迷した上に高齢化によって企業の経営者の頭も古くなっていた為、新しいコンセプトの製品の投入が出来なかったり、出来たとしても、古い商慣行を否定できず、商品価値を劣化させたまま出荷し、失敗を繰り返した。また、ガラパゴスと言われる世界市場を前提としていないローカルな発想で製品設計をしてしまった為に、世界展開が充分行えず、AppleGoogleに負けていく、Googleなどの検索エンジンについては、古い著作権法が残っていた事で、ついこの間まで、検索エンジンを日本のサーバにおく事が違法とされるなど、競争力を阻害する法律が多く残っていた為、せっかく技術があっても、それを生かす社会的前提が整っていなかった。古い商慣行や現状に合わない古い規制など、「過去」を払拭できなかった日本は、高付加価値路線でもAppleGoogleなど海外メーカーに負け続ける事になる。
 
歴史を通じて、日本の経済を俯瞰し、何が今の日本に必要なのか考えてみる。
 
日本のボトルネック
1.古い頭(化石のような頭:老害:主に競争力低下)

  • 経営者の高齢化によって、古い法律、古い商慣行、古いマネジメントスタイルが温存され、新技術による高付加価値や効率化の追求が充分に行われていない。

 
2.所得の不均衡(お金を使う状況が整っていない。所得のムラが購買力全体を萎縮させる)

  • 非正規雇用によって結婚もできず、車も買えない若年層の所得水準、高齢化に因る現役世代の減少が社会全体の購買力を低迷させ、正規雇用の人達も過度な人員削減で残業ばかりやらされているので、お金を使うヒマがない。また、お金のある高齢者は、将来不安の為に蓄財に走り...と問題が多重化している。

 
3.社会不安(不安により、お金を使いたくても使えない)

  • 無能な政治や官僚の汚職に代表される腐敗した政治や行政を是正できない状況が日本全体に不安を撒き散らし、それが国民の消費行動を萎縮させている。

  
まとめ

  • 日本のボトルネックは、古い、不公平、不安と3Fに代表される問題がある。これを新しくし、公平にし、安心できる社会にする事が求められている。問題は、この3Fを解決する手段を皆で考え、それを皆の責任において実行する事である。