SKY NOTE

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日本企業のIT化の遅れとは何か?

日本企業はIT化が遅れているというのをBSフジのプライムニュース(12月27日)でやっていた。Googleインテルの関係者が出ていたので紹介する。

動画が見られるので、以下のリンクの12月27日のものを見ていただければ分かる。(過去10日分の動画が見られるという)
http://www.bsfuji.tv/primenews/movie/index.html
 
この中で言われていたのは、アメリカの企業では、メールで社員全員に情報を伝えるとか、そういう事がIT化では出来ているのに対し、日本の場合は、まず、階層を通って、課長がハンコを押して、部長がハンコを押して、最後社長が許可を出して、社員全体に指令が出る。そんなことをやっていると物凄く遅い、これが今の日本の弱点なのだという。つまり、IT化とは、単にPC入れて終わりじゃなくて、意思決定プロセスも含めた構造改革とセットでないと意味がない。そうであってこそ業務の高速化が実現できるのであり、それなくして、IT化とは言えないと言われていた。外国の企業に連絡したら、二日で連絡がきて、さっと話しが進む。このスピードだよね。と言っていた。確かに日本だと、何でもかんでも保証を要求して、ハンコや許可が必要だったりして、非常にやる事がトロい。そういう慎重すぎる思想が日本のIT化を遅らせているのだそうだ。
 
確かに、私の家の前のエアコンはガスで暖房するタイプだったので、取り外す時にガス栓を閉じなければいけないのだが、それは、単にガス栓の元栓を閉じて、キャップを填めるだけの作業である。しかし、そんな簡単な作業をするのにもガス業者がいないと保証問題になるという事で、ガスの業者に頼まないとエアコンの撤去をやってくれないという。何となく、縦割り行政に似たようなイメージがある。100%の確実を求めず、70%で行動すれば、非常に早く安くできるのに、100%を追求する事でコストも時間もかかるという状況。今の日本は、社会全体が官僚的ではないかと思ってしまうくらい、事なかれ主義が社会システム全般に横行していると感じる。私も臆病だけど、なんというか非常に無駄だと感じる。そういう煩雑で無駄な事をしているから、日本は海外の企業に負けるという主張は、確かにその通りだと思った。IT化と言われるけど、実際には、官僚化した組織を、より自由な風通しの良い形にする事、もっと言うと、冗長性の高い業務システムを組んで、あるところで失敗しても、他でリカバリーできるような構造にしておけば、70%の信頼性でも大丈夫だと思う。マイナーな問題への対処を常に多重保証を組む事で100%対応するのは時間とコストの無駄以外の何ものでもない。
 
つまり、IT化とは、官僚化した組織構造を抜本改革し、より風通しの良い組織にする事なのだ。どうやってそういう改革をするのかというと、若い人が、古い人に従うのではなくて、自分達が、この変革の担い手になるという気概をもって頑張って欲しいとの事だった。そして、もし、そういう変革を受け入れないというのならば、その程度の会社。今の社会はインターネットによって社会が高速化しているので、組織の意思決定スピードが遅いとたちまちの内に乗り遅れてしまう。
 
だから、過度な信頼性よりも、適度な信頼性と、それをリカバリーできる冗長性をもって対処するべきという様な印象だった。非常にアメリカ的である。NASAアポロ13号の事件を見ても分かるのだが、アメリカの問題解決能力には目を見張るものがある。100%確実を求めなくても、そういう問題解決能力さえあれば、大抵の状況は対処できる。そういう中で日本の教育は問題だという。日本の場合、掃除をやると言ったら、このようにホウキで掃いて、ぞうきんをこのように、かけるのが掃除だ。この通りにすれば教室は奇麗になるから、それをやりなさいというのが、日本の教育、そうじゃなくて、教室を奇麗にしたい、では、どうするか明日までに考えてくるように、そして、明日になったら、それぞれが教室を奇麗にするためのアイディアを発表し、それを互いに評価したり、議論する事で掃除を実践していく。そういう事をするのは、思考力やコミュニケーション能力が育つからだという。日本の場合、いいものを作っても、コミュニケーション能力が低くて割を食っているところがあるのだという。また自発的にアイディアを考えるという意識も低い。それじゃこれからの社会はダメだという。
 
IT化の遅れをまとめると
・ITを活用した業務プロセスを改善してスピードアップ
 →業務構造の簡素化(書類とハンコの複雑な業務プロセスをIT化でスピードアップ)
・組織の情報伝達プロセスを簡略化してスピードアップ
 →意思決定プロセスの簡素化(組織階層を減らし、意思決定の高速化)
・自分の頭で考え、それを人に伝える能力を高める事
 →判断力の向上及び、伝達能力の向上
 
要するに日本の企業は遅いのである。
・自分の頭で、その場で考えないから、遅い
・組織の意思決定プロセス階層が多くて、遅い
・業務プロセスが煩雑で、遅い
 
...だから外国に負ける。これを勝てるようにするためにはクラウドベースで低コストな情報伝達による業務の簡素化、意思決定の高速化が日本の企業には必要なのだという事だった。まぁGoogleの元日本法人の社長らしい意見とも言えば、そうなのだが、確かにその通りだと思った。官僚的で遅い組織はいつの世も淘汰される運命にあるのは、歴史が証明しているので、日本の企業が外国の企業に負ける理由としては、これはこれで説得力のある意見だと思った。しかし、逆に言えば、そこを治せば、勝てるようになるのである。重要なのはそこなのだ。