SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

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経済学者の戯言

私は、経済学者には二種類いると思っている。それは、謙虚に世の中をみつめる本物の学者と本に書かれた理論理屈を振りかざす教条主義的な愚か者。
 
そこで後者の愚か者について書きたいと思う。
現実と理論がぶつかるとき、彼らは理論を選ぶ、なぜなら、彼らにとって本に書かれている事が全てだからである。本の権威にすがって生きているので、本の中の理屈を否定される事は自らの権威を傷つけられたと思ってヒステリーを起こす。
 
私はアジア経済危機の時にデリバティブの怖さを核反応と感じた。扱いに失敗すると連鎖的に反応して巨大な破壊力をもたらすからだ。もっと言うと、火薬に例えた方が分かりやすい。普通、火薬を扱う時には、周囲に民家のない爆発しても被害が少ない場所で扱う事が義務づけられている。デリバティブレバレッジも同じだ。メインストリート(株や通貨などのメインの市場)で火薬を扱うなど危険きわまりない訳だ。
 
アジア経済危機の時、デリバティブなどのお金を膨らませる取引はマズい。規制するべきだと言ったが、経済学をかじった連中は、大丈夫だと言い切っていた。市場原理をきちんと運用しなかったら、アジア危機が起きたと彼らは結論づけた。だが、理論理屈通りに物事が回っている訳ではなく、必ず何らかの歪みを伴っているのが現実である。その歪みを無視した段階で彼らは現実を直視していなかったと言える。
 
私が現実を見る時、ある程度の歪みを前提として考える。テスト勉強と現実は違うのだ。言われた通りの事を確実にこなせば点数がとれるテスト勉強と違って、現実で成果を出す為には、現実に存在するあらゆる局面を想定し、トータルでベストな選択をしなくてはいけない。つまり、本と現実は違うという訳だ。
 
私が聞いた経済をかじった連中の言葉は、テスト勉強で高得点を取る為の理屈であって、現実の成果を産み出す為の理屈ではない様に思える。特に学問で想定しにくい要素、人の感情や心については、全然だめだと思う。なぜなら、この種の事を解釈する為には経済学よりも精神分析の方が適当だからだ。
 
経済学者ご自慢のテストでいい点を取る理屈でリストラを推し進める。そうしないと、利益が出ない、つまり点数がとれないと彼らは言うのだが、現実とテスト勉強は違うのだ。トータルな目線で言えば、リストラをする事によって人々の間に恐怖を植え付け、消費を抑制した場合の経済減速効果を想定すると、リストラは必ずしもいい選択とは言えない。恐怖によって、家や車など高価な商品が売れなくなるからだ。
 
目先のお金を追うのではなく、人々が安心してお金を使える様にする前提がなければ、景気回復など夢のまた夢だろう。