SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

Pref..
Speech
STOP
Follow..
QR Code
|◀
▶|
QR
×
voice
volume
0
rate
0
pitch
0

ソニーの問題点

ソニー14年ぶり営業赤字の苦境に
 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0901/22/news131.html
Apple、第1四半期売上高は過去最高の100億ドル超え
 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0901/22/news022.html

ソニーは2600億円の赤字を出した。そこで、ソニーの問題点をアップルとの比較を交えて考えてみた。

1.製品にアイディアがない

 アップル:スティーブ・ジョブス
 ソニー :ストリンガー&中鉢

これは、基本的にCEOが凡人だからという事もあるだろうが、もう一つは成果主義を導入した結果であると言える。成果主義がなぜダメなのかというと、成果を数値化する際にアイディアの価値は数値化できない為、成果主義ではアイディアがスポイルされやすい。それでもスティーブ・ジョブスの様にトップが先頭に立って展開すれば成果主義でもいいのだが、ストリンガーさんは凡人なので、それは無理だ。つまり、ソニーが復活する為には成果主義的な評価制度をやめ、トップダウンではなくボトムアップのアイディア収集評価プロセスが必要となる。それかスティーブ・ジョブスの様な人間をCEOにすることである。ソニーの悲劇は、凡人のCEOであるため、本来は社員のアイディアを募る為に成果主義的モデルを改めなければいけないのに、CEOが外国人である為に日本的なボトムアップ型の組織のメリットが理解できておらず、その結果、トップは凡人だからアイディアがない、ボトムでは成果主義によりアイディアがスポイルされる亊で、アイディアの真空状態が生まれている。これと真逆だったのが昔のソニー、トップは井深大で天才技術者、ボトムは日本型経営で比較的、自由にモノが作れた。ソニーが完璧に復活する黄金パターンは、ストリンガーさんが辞めて、久夛良木健を呼び戻してソニーのCEOにし、経営手法を日本型経営に戻すことだ。アメリカのGMを見れば分かる通り、アメリカ型経営はお手本ではない。むしろ日本型経営の方が優秀である。収益に固執する事で長期的開発が出来ず、却って製品の付加価値を劣化させ、価格競争に巻き込まれ、赤字決算。それは、CEOが凡人でアメリカ型経営モデルを採用しているからだ。出井さんの人選はダメだ。
 
2.製品の数が多すぎる
VAIOを見れば分かるが、これは、潰れそうになった時のAppleの製品ラインナップと酷似している。無意味に機種が多く高コスト体質となってしまっている。20機種以上あるラインナップを10機種程度に絞り込むべきだ。テーマを絞り、そこへ集中的にプロモーションするべきだ。世の中の記憶力は沢山の製品を覚えられるほど良くない。宣伝と量産効率の両面で問題がある。
 
アップル:Mac mini,iMac,Mac Pro,X serve,MacBook,MacBook Pro,MacBook Air
     (7機種:ディスクトップ4機種、ノート3機種)
ソニー :アルファベット全部が埋まるくらい機種がある(20機種くらいある)
     選択肢が多すぎると、逆に選べなくなる。
 
アップル復活の影の功労者(ギル・アメリオの著書)
 トランスフォーメーション・マネジメント
 引用:「製品を絞り込み、レーザー光線の様に収束させる事」
http://www.amazon.co.jp/%e3%83%88%e3%83%a9%e3%83%b3%e3%82%b9%e3%83%95%e3%82%a9%e3%83%bc%e3%83%a1%e3%83%bc%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%b3%e3%83%9e%e3%83%8d%e3%82%b8%e3%83%a1%e3%83%b3%e3%83%88%e2%80%95%e4%bc%81%e6%a5%ad%e6%95%91%e4%b8%96%e4%b8%bb%e3%82%ae%e3%83%ab%e3%83%bb%e3%82%a2%e3%83%a1%e3%83%aa%e3%82%aa%e3%81%ae%e5%ae%9f%e8%b7%b5%2d%e3%82%ae%e3%83%ab%2d%e3%82%a2%e3%83%a1%e3%83%aa%e3%82%aa/dp/4492552723/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1232648193&sr=1-1
 
3.無秩序な製品ラインナップカンパニー制の弊害が残っている)
製品が多いだけでなく、そこに秩序がない。似た様な製品が多すぎる。これでは開発リソースの無駄遣いである。例えば携帯端末一つとっても、バラバラだ。
 
アップル:iPhone/iPod Touch(共通のソフト:MacOS X 共通のハード)
ソニー :携帯電話,PSP,ウォークマン,mylo(ソフトもハードもバラバラ)
 
携帯機器をジャラジャラ持ち歩くなんてスマート(携帯)じゃない。そこから考えれば、携帯端末は、一台で多くの事が出来る様に設計するのが筋だろう。そういう意味でコンセプトを背骨にした製品の統合が出来ていない。
  
4.アメリカ型雇用による忠誠心の低下
アメリカ型雇用では確実に社員の忠誠心が削がれる。だって、都合が悪くなったらすぐ捨てちゃうから。日本型雇用(終身雇用)&ワークシェアリングが黄金パターンである。社員の士気が高いからこそいい製品が生まれる。ソニーでは有能な人材が出井さんがアメリカ型経営にし始めた時から続々と退社していったという。有能な人材の流出を防ぐ為には、終身雇用と、それを実現するワークシェアリングが必要。
 
結論
ソニーがダメになったのは、アメリカ型経営が出来ていないからではない。組織が古いからでもない。生産効率の悪い製品ラインナップと、テーマを統合し絞り込まない事から生まれる中途半端さと、社員の忠誠心を台無しにするアメリカ型経営(有能な社員が辞める)と、凡庸なCEOによるリーダーシップのなさにある。よって、これら改善する為に以下の改善策を提案する。
 
1.CEOの変更 ストリンガー → 久夛良木 健
 普通のCEOから癖があるが、個性のあるCEOへ
2.経営モデル アメリカ型(成果主義) → 日本型(ソニー自由主義
 アイディアをスポイルしない事と、長期開発を可能とする
3.雇用モデル リストラ/契約 → ワークシェアリング/終身雇用
 有能な人材を引き止める
4.製品ラインナップ VAIO:20機種 → VAIO:10機種
 モデル数を減らしてプロモーション効率アップと生産効率アップ
5.生産モデル 完全水平統合を目指すキーデバイスの他社依存 → 水平・垂直ハイブリッド型
 独自生産部品がないとハードで差別化が出来ない
6.製品テーマの絞り込み バラバラの製品 → テーマを絞り込んで統合化
 ソフトプラットフォームも統合化し開発効率アップ
7.大幅な経費削減
 工場の稼働率を33%ダウン
 モデル数の削減とワークシェアリングによる賃金カットで経費削減