SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

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サブプライムローン

注:修正があります。赤字部分が修正箇所です。

バブルをブッシュ政権が育て、金融工学商品がその複雑さ故に全容が分からないという不安と恐怖を育てた。

巨大なバブルが弾けたとき、莫大な損害が生じるが、それでもサブプライムローンだけだったら、アメリカにとって痛手になる規模ではなかった。しかし、これに複雑に組み合わされた金融工学商品と結びつき、優良債権とサブプライムローンの様な不良債権がつながってしまった。不良債権に優良債権が引きずられる形で、問題が発生した。また、共和党政権が規制をせず放任していた為、全容も不明で、これがさらに不安を増幅した。ここで共和党政権は二つのミスを侵していた。

報道から察するに以下の二点が重大だと思われる。

1.バブルを肥大化させてしまった事。
住宅を持つ事を援助したまでは良かったが、返済能力のない人間に貸し付けを行なったのはマズかった。この結果、不良債権を大量生産してしまった。また、市場に必要以上に購入者が溢れた為、住宅価格の高騰を招いた。サブプライムローン自体はクリントン政権が始めた様クリントン政権の時に始まった様だが、それ以後、それを肥大化させたのはブッシュ政権という話だ。

2.規制し監視するべき金融商品を事実上放任した事により暴走を招いた。
本来、金融商品の中身を精査し監督するべき政府が、この役割を放棄した為に、民間企業の暴走を許し、結果として全容が全く分からないラビリンス(迷宮)状態を作り出してしまった。この迷宮状態が、本来サブプライム層だけの債券の問題を普通の真っ当な債券にまで飛び火させる要因を作り出した。

つまり、共和党政権は、今回の危機をせっせと作り出していたと言える。つまり、住宅市場に対しては、本来家を買うべきでない人を参加させてしまい債券を不良化し、金融市場に規制は悪だとして監督責任を放棄してしまった。

この二つが、第一段階で不良債権を肥大化させ、第二段階で、それを他の金融商品に混ぜて訳が分からなくしちゃった。この訳の分からない不安というのが怖い。市場はこの不安に極めて弱い。何せ大枚をはたいて投資しているのだから損をするニュースには敏感なのだ。

しかも、規模が半端じゃない。結果として、不安が規模で正当化され、恐怖が恐怖を生み、市場が混乱した。でも実際にマズいのは、サブプライム層の債券だけのはずなのだ。しかし、これを分離する事が出来ない様だ。

リスクというのは分散するのが鉄則だ。複雑な金融商品でラビリンス化し、良いものも悪いものも融合してしまっている現在のサブプライムローンの問題は、リスクの集中化を招いている。分離し償却できる様に設計していれば、問題を切り離す事が出来てよかったのだろうが、設計段階でそういう亊をしていなかった様だ。

ただ、良い債券に不良債権をちょっと混ぜる事で、リスクを分散化していたつもりだったのだ。理屈の上では正しかったと思う。サブプライムローンはアメリカ社会の規模からすれば貧乏人の債券であり、規模は小さい筈なのだ。だが、これが全く管理されておらず、全容が分からなくなってしまったものだから、不安の連鎖が始まってしまい。本来、返済に問題のない優良債権にも飛び火してしまった。

ブッシュ政権は、世界の市場が燃え上がる様にせっせと乾いたわらを用意していた様なものだった。