北条家の城跡（鉢形城跡）を見て思った。天然の川や崖を利用した平城で低コストに防衛を実現し、尚且つ、当時の最先端の武器である鉄砲の一大生産地を作るなど、敵が攻めにくく、そして、税金を無駄遣いしないコストパフォーマンスの高い戦略性を見るにつけ、北条家がいかに優れた政治家一族かが垣間見える。とにかく考えが深いという点で、どうしても、今の政治家のレベルの低さが際立って見えてしまう。
本物の政治家とは、こういう政治家なのだと思う。どうして、同じ日本人であり、教育も進歩したのに、政治は退歩してしまったのかと考えるに、やはり、使命感とか責任感が違ったのだと思う。生まれた時から指導者になるべくして教育され、リーダーシップとはなんぞやという亊をきちんと教えてきた北条家と、リーダーシップよりも、優秀な兵隊を作る為に知識を詰め込んだはいいが、その目的が曖昧で、思想というものが欠落している今の日本人とでは、決断力のレベルが違っている様に思う。何の為に何をするのかという事が明確にある人間と、そうでない人間とでは、やはり違うのかと思う。知識があっても、それを生かす目的意識がなくては全然意味がないなと北条家と今の日本の政治家や経済人を比べてしまうと、そう思えて仕方がないのだ。
