SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

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環境対策は我慢する必要はない

環境対策は我慢の必要はありません。ただし、既存の製造業の大幅な縮小が必要です。ライフスタイルを変える事によって、モノではなくサービスへ経済の主軸が移るのです。

ただ、こういったことが表にあまりでないのは、企業が成長する事ばかり考えて、社会の公器である事を忘れているからです。単純な成長が正義だと考える子供じみた発想が世の中に広まってしまった。この成長こそ正義という発想は、アメリカが貿易摩擦の時に日本に広めたものです。当時のアメリカの都合を反影した主張に過ぎず、決して日本の進むべき道ではありません。(地球社会全体が進む道でもありません)

バブルの後遺症は、この成長信仰にあります。これがなぜ、問題なのか?日本はこれから高齢化が進み、国際競争で戦っていく事が出来なくなっていくでしょう。これは、あらゆる面から見て事実です。半導体でのコスト競争の敗北、自動車は、電気自動車化すれば、部品をくみ上げれば簡単に車が出来る様になり、現在の日本企業の優位性はほぼなくなります。家電製品もまた、コスト競争では勝てません。素材産業もまた、原材料価格の高騰によって首を絞められつつあります。(これは世界全体に共通しますが、資源の総量が定まっている以上、世界全体で成長することは出来ない訳です。

つまり、高齢化による人的資源の劣化、資源量に限りがあるため物理産業の量的な拡大は不可能なのです。そこで、日本が向かうべき産業構造の変化は、物理産業からの脱却にあります。既にその片鱗は見えています。

Livelyの紹介動画

http://jp.youtube.com/watch?v=5YbwfOucET8

GoogleのLivelyを見れば分かる通り、電子的な都市の萌芽が見え始めています。こういった都市を造れば、高層ビルや高層マンションもいりません。よって鉄もセメントも今ほどいらない訳です。また、移動の為の車もそれほど必要はないでしょう。この様に既存の産業を縮小することで雇用を減らす事になりますが、それを新しい仮想世界を作る産業の拡大と、労働時間の短縮によって吸収する事で対応すればいいでしょう。また、資源の消費量を抑え込むと同時にバイオ資源開発、および、技術開発によって資源を国内自給する事によって、外貨を必要としない国を目指せば、高齢化によって人材が劣化した後でも、国民が飢えずに済むわけです。

人口が減る傾向から2040年(1.03億人)には食料自給率70%(カロリーベース)エネルギー自給率(100%)資源自給率(70%)を目指す事が可能です。産業界のCEOなどが自然エネルギーが不可能だと言いいますが、彼らの存在、または、成長を否定すれば可能な事であって、不可能ではないのです。しかも、それは生活水準が落ちるのではなく、むしろ向上するのです。つまり、産業界の人達は、自分達の存在を肯定した上で、不可能だと言っているのです。しかし、これからの日本には、彼らは必要ありません。人口も減りますし、資源を安く購入し加工する事によって、利益を得る現在の日本のビジネスモデルは、資源価格が高騰する事によって、その前提が崩れ破綻します。少なくとも利益が薄くなり日本国民全体を支える力を持てなくなっていくでしょう。よって、産業競争力の強化によって日本を支えるなどという事は幻想(将来的に不可能)です。現行ビジネスモデルが破綻しかかっている以上、新しいビジネスモデルに移行しなければ日本は生き残れません。

日本が今するべき事は、量的な拡大ではなく、質的な向上です。拡大と向上とは違います。拡大とは量であり、向上とは質だからです。質の向上により付加価値を高め、社会の利益を最大化すれば、量的な拡大がなくとも、社会としては豊かな訳です。コンセプトで言えば、懐石料理に近いものがあります。

つまり、今までの日本は大盛り料理を作って儲けていたのが、これからは懐石料理を作って儲ける事を考えるべきだと言いたいのです。

高付加価値(高い値段でも買ってもらえる製品)
カーボンニュートラル材料(バイオガス/RPF製鉄・バイオポリマー)
  鉄の需要は重量比75%削減/実質需要は50%削減(都市の電子化などで減らす)
  人口が減るので、既存の建築物の延命化(耐震補強)で需要を大幅に減らす
・省エネ製品(消費電力を含めれば割安)
日本を支えるバイオ産業
・バイオファーム(海で藻類の栽培→オイル/プラスチック→消化液→バイオガス→製鉄)
・休耕田の活用(二期作二毛作減反から自給へ(稲わらは燃料へ)
・家畜の糞尿→バイオガス→肥料
廃棄物の再利用
・廃車(鉄ではなくポリマーで出来ている:700万トン)→RPF→製鉄
・廃木材(500万トン)→燃料(石炭の代替燃料)
・農業廃棄物(稲わら870万トン→将来的には1440万トン)→燃料(石炭の代替燃料)
電力 現在の電力消費量9700億kwh/2004年
→省エネ+自然で8700億kwh2040年
・2700億kwh:太陽電池
       (集光型4万ha/1600億kwh 家庭2600万世帯1100億kwh)
・2000億kwh:都市を電子化して消費電力を半減(オフィスビルを住居に改築)
・1800億kwh:LEDを高効率化(250lm/w)と輝度30%削減、夜間照明の普及
        照明2100億kwh+テレビ197億kwh=約2300億kwh
・1500億kwh:人口の減少(2004-2040年 1.277億→1.03億人)
・ 700億kwh:国有地を利用
       (住宅の近くはマグナス風車を利用する亊で騒音被害を軽減)

このように物理産業から、電子産業(仮想都市産業)へ移行し、モノの量ではなく、サービスの質で勝負するビジネスモデルを確立すれば、環境にもいいし、資源も節約できるし、移動が少なくなって生活が楽です。つまり、生活水準は今より向上する訳です。しかも、エネルギー、食料、資源の殆どを国内自給する為、外貨がそれほど必要なく、過度の国際競争によって残業が多くて、働くだけの人生みたいな生活はなくなる。日本はそういう余裕のある生活の出来る社会を目指すべきで、残業とエネルギーと資源の無駄遣いによって成り立つ経済発展など、豊かさでもなんではなく、それは単なる経営者のエゴでしかない。

企業は社会の公器であるという原点に立ち返れば、人を中心に考えるべきで、そこから考えれば、人には環境が必要で、その環境を整える為に、環境を保全する。お金も必要だが、お金よりももっと大切なのは、食料、水、住宅、時間であり、金があってもそれらがない生活は貧しいと言える。本質的な豊かさの追求には、この人の豊かさを中心として考えれば自ずと決まる。

欧米型の経済モデルはあらゆる面で搾取型で再利用性に欠け、石油や資源が無限にある事を前提とした極めて無責任なものであり、そういう意味では無謀である。無謀は、ある意味、チャンスもつかめるが、それと同じ確率で破滅も選んでしまう存在だ。私達は真の勇気を振り絞り、欧米型経済モデルを否定し、再生可能経済を目指すべきだ。それは人の再生であり、環境の再生を意味する。そうであってこそ、本当の豊かさなのだ。真の贅沢はそこにある。

勇気と無謀の違い
http://d.hatena.ne.jp/skymouse/20080714/1215962066