SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

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BSでカストロとの対談を見た

お金持ちのうちに産まれて、貧富の差を間近で眺めつつ、異端者として学校を追い出されたり、通知表を先生から渡されず無視されたりと、個性的な人物だが、独学で勉強し、優秀な成績だったというから凄い。

カストロ議長のゲバラとの思い出や、考え方を聞いていると、この人は悪い人じゃないと思う。普通、独裁政権というと、自分はものすごく裕福で、民衆はとても貧しい事が多いけど、カストロ議長はあまり、そういう傾向がない。

また、政治家として優れていなければ、何十年も政権にとどまっている事など普通出来ない。恐怖で国民を支配するか、国民に愛されていなければ出来ない。非常に頭の良い人物で、ないお金の中で国民に最善の政治をしようと努力しているのはキューバの政策を見れば分かる。

普通貧しい国だと民衆の顔が暗いのだというが、キューバ国民は明るいのだという。そういう意味でも特異な国だと思う。どうして、こういう真面目な指導者をアメリカは毛嫌いするのかよくわからない。

話し方を見ていて非常に公平な価値観を持った人物だと思う。ちょっと自己顕示欲が強いかなと思うのだが、それは、政治家としては普通の事なのかもしれない。ゲバラなどの友人をとても愛していることはよくわかる。根はいい奴だと感じるおじさんである。

意外だと思ったのは、いつの日か死刑を廃止できる教育水準の高い社会になってほしいという事を述べた点である。これは独裁者と呼ばれる人間から聞く言葉とは思えない内容だった。一般的な独裁者は、反対するものを片っ端から粛正し、殺していくものである。そうやって人を黙らせるから独裁者といわれる。しかし、カストロ議長は違う。

そういう意味で、私はカストロ議長は、一政治家であって、独裁者ではない様に思う。私が見る独裁者は、権力の為に人を片っ端から殺し、自分は裕福、民衆は貧しいというのが定番だが、多分、この性格だと、民衆に熱烈に支持されて長く政権にとどまっていられたのだと今回の対談を見てしみじみ思った。

カストロ議長は権力欲よりも、自分のビジョンを国に投影していく純粋な政治家と言う感じだ。そういう意味で日本の政治家に爪のアカを煎じて飲ませたいと思わせる人である。そういう彼の純粋さこそが国民に愛され、政権を保ち続けていけたのだろう。彼の行動規範は権力欲ではなく、キャーバ国民を誰よりも愛していたからこそ、その愛情の代価として権力を民衆から与えられたのだと思う。

権力を必要以上に望まず、相手の事を思う姿勢こそが権力を与えるにふさわしい存在なのだとカストロ議長を見ていて思った。