SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

Pref..
Speech
STOP
Follow..
QR Code
|◀
▶|
QR
×
voice
volume
0
rate
0
pitch
0

早すぎて孤独になる

私はどうも自分が早すぎると感じる。本質にたどり着くのは早いが、それを他と共有できない。私が本質にたどり着き、説得をしても、大抵の人間には届かない。誰もそこにたどり着いていないから、私の正しさが分かった時には、大抵そこに私はいない。なぜなら、説得を続けて失敗し、絶望してそこを去っているから。

ガッカリするのだが、それは自分の「早さ」に対する自覚がないからではないかと最近、思うようになった。普通、それは天才の悩みである。凡人の私には関係のない悩みの筈だと思っていた。だが、国語の通知表にこう書かれていた。「非常に丁寧な考え方が出来るが、それを伝える事を苦手とするようだ。順序だててしか理解できない点が欠点でもあり、美点でもある」

別に天才でなくとも、丁寧な考え方から産み出された結果を他人に伝えるのが下手なだけというだけという亊かもしれない。そう考えると、自分の頭の中の事を外に出すプロセスが私の最大の欠点と言える。答えにたどり着くのは早い。だがそれを伝えられない事で、その早さのメリットを殺してしまう。

世の中が評価するのは、間違っていようが、正しかろうが、伝える力を持つものである。それがたとえ、人々に不幸をまき散らした人間であってもだ。時々、私の言葉を聞いて、それを実践した人間が成功する時がある。その人間と私の違いは、表現力(行動力)である。そういう人間には成功の種になる幸福を、私は伝えた事になる。

私は種をまく事が出来るが、それを収穫する頃には絶望してそこを去っている。不幸を沢山作った人間が評価され、幸福の種をまく人間は評価されないというのは矛盾としか言いようがない。だが、それも伝わらない理由が分からず、絶望する事がなくなれば、収穫できる時まで待っていられると思うのだ。

伝わらないと「またか...」と思って挫けてしまう。正しくても共鳴しない...人間の耳には聞こえない犬笛みたいな自分の意見。最近は共鳴という現象について考えている。なぜ共鳴しないのか?

共鳴するのには周波数の一致が必要だ。私は誰よりも早く真実にたどり着くが、その優位性が、逆に私の欠点にもなる。早すぎて共鳴する周波数を持たないこと、それが欠点なのだ。私は自分が古いと思った事を否定する。だからこそ、誰よりも早く新しい境界にたどり着くが、逆にそれは、過去と評価した今という共鳴可能な周波数を放棄する事でもある。

昔、友人に「君の意見には妥協がない」といわれた亊がある。「妥協?何を妥協していないのかよく分からない」というのが、私の感想だった。要するに物事を徹底して考え、最も合理的でシンプルな方向性を見いだし、誰よりも早く結論にたどり着き、それが大抵は正しいので、これでいいと思ってしまうのだが、それを妥協がないというのである。

正しいという事が間違いなのである。それは未来において正しい事であって現在において正しい事ではない。なぜなら、新しすぎて共鳴しないから。人が私の考えに追いついたとき、その時には、さらに私は先を行っている。だから、永遠に共鳴しないで絶望し続ける事になる。そうやって私は孤独になる。

では、今とは何かと言えば、それは食べ物に例える事が出来る。夏の暑い日に将来冬になるからといって温かいそばを売っても売れない。暑い日には冷たいかけそばを用意しないと売れないのだ。それが「今」なのだ。そして、本当に売りたい温かいそばを売るには、最低でも秋まで待たなくてはいけないのである。