SKY NOTE

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戦略のポイント

戦略のポイント、あるポイントをつかないと、他のあらゆる努力が全く空回りするという事がある。例えば自転車のギアを見ると、ギアとチェーンが噛み合う部分が、そのポイントに該当し、そこから外れると自転車は全く動かない。エジソンも同様のことを言っている。

 1%のひらめきがなければ、99%の努力が無駄になる。by トーマス・エジソン

まず、効果が無い事というのは、そのポイントを外しているからなのだ。だから、大事なのは、より一層の努力ではなく、状況を動かす重要なポイントを探しだすことである。ポイントを探すときに重要なのは、動かす対象の観察である。そのためには私心を省かないといけない。相手の立場に100%傾倒することが大切なのである。

それは、どんなに努力をしても、そのポイントを抑えない限り効果が無いと考えることができれば、そう言う考え方をする意味も見いだせるだろう。大事なのは本気で状況を動かしたいと思うのならば、そう考えるべきなのだ。

太陽と風の童話にもあるように、強い北風よりも、暑い太陽のほうが旅人の服を脱がすのには効果的なように、相手の立場を見ることなのだ。子供に嫌いな人参やピーマンの食べさせるために考えるべきことは、子供は舌が汚れておらず感度が高いので、ピーマンや人参の苦味を強く感じてしまい嫌いなのだ。だから、調理法によって、その苦味を緩和したりすれば、いいわけだ。北風のように人に我慢を強いてもダメだ。余計に嫌いになる。

このように物事には、戦略のポイントがある。子供にピーマンや人参を食べさせる戦略、旅人のコートを脱がせる戦略、すべては、重要なポイントがあるのである。

子供 人参 マズい  → 旨いに変えれば良い「旨い」が重要ポイント)
旅人 コード 脱がす → 暖かくすれば、コートを脱ぐ「暖かさ」が重要ポイント

重要なポイントを探し、そこに傾注すれば、それに応じて状況は動く、動かないのは、そのポイントを外し、チェーンの外れた自転車のようになっているからである。全く状況が動かない時には、そう言うポイントがある事を疑うべきである。

そして、単にポイントが正しいだけでは、ダメで、そのポイントを要求される水準に達成していないとダメである。たとえば住宅でいえば設計コンセプトがいくら良くても、それを施工する業者がだめでは、そのコンセプトは生かされない。よって、コンセプトだけでなく、実行する対象のレベルの高さも重要なのである。

この要求レベルをハイレベルにしていたのは、アップルのスティーブ・ジョブスであった。彼は、タッチ操作について、直感的であるために滑らかなスクロールやアニメーション表示を技術者たちに要求した。彼はiPhoneのようなコンセプトを10年以上前から持っていたが、だが、それを製品化するのには、かなりの時間を要した。それは、要求水準が高かったからである。アップルの高品位なアニメーション表示は、ライバルのメーカーにはないコダワリだった。

ここで重要なのは、状況を動かす戦略ポイントという、優れたコンセプトと、それを実行するときに、高い水準で、それを行う。高級な要求を満たすことである。この2つが咬み合ってこそ、結果が生まれる。

 優れたコンセプト + 高級な要求 = 状況が動く

高級な要求とは、通常は、高級すぎて理不尽だと思ってしまうようなことを考えたり、不便だったり、面倒だと思うことを「そういうものだ」と決めずに「素直」に疑問を持って考える姿勢が高級な要求となる。

正しいコンセプトという正しい道を、高級な要求によってひた走ることができれば、目的地にたどり着くのも近いというものである。大抵メーカーの人は、この高級な要求が出来ない、なぜなら、そんな贅沢なことは、コストが高くてできないと最初に諦めてしまったりする。そうやって戦略的なポイントを見失い負けていく。現在はソフトウェアによって、高級な要求を満たせる状況にある。通常では、とても高価な技術が、オープンソースで無料で配られており、それらを組み合わせることで高級なものが作れる土壌が整っている。ハードウェアだと高級なものは、常に高級だが、ソフトウェアだと場合によっては無料な時がある。そういう意味で優れたコンセプトを実現しやすい状況にある。日本メーカーが負けているのは、そう言うソフトの特性にあわせた考え方が出来ていないからである。