SKY NOTE

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「文盲」があるのならば「数盲」もあるかも知れない

統計データで物事を説明する際に、それがどういう意味を持つのか説明しても、中々その意味がわからない人がいる。よくよく話してみると、数字に対して全体的に懐疑心を持っており、信頼すべき数字とそうでない数字を混同して否定してしまう傾向があるのがわかった。つまり、数字を通して、現実に則したものの見方が出来ないのである。また、過去の数字の動き方から、将来生じるであろう数字の変化も想定できなかったり、数値に表れるデータと、現れにくいデータがあることも、加味しないといけないのだが、表面に現れたデータのみを真実とする傾向があることも分かった。(現れにくいデータとは、複数のデータを見れば、表面に現れたデータと整合しない場合があり、別の数字の存在が疑われる場合であったり、隠匿された情報、または、統計の取りにくい情報がある)

最近、東洋経済のサイトの記事で、BBC偏向報道を避けるのに、どうしたらいいかという内容の記事をよんでみた。

 BBCが目指す「不偏不党」とは何か
 http://toyokeizai.net/articles/-/47717

世界中にどの国際ニュース局よりも多くのジャーナリストを配置している(注:113カ国に2500人余)。ただし、BBCは英国の放送局だが「英国の視点」を伝えているわけではない。世界中のすべての視点を反映させ、グローバルな見方を提供している。ロシア語、アラビア語、中国語、アフリカ諸国のさまざまな言語など複数の言語でも放送しており、世界各地の事情に詳しいスタッフがそれぞれの視点を提供してくれる強味がある。

この内容を読んでわかったのは、BBCが世界に配置した各国の専門のジャーナリストの多様な視点からくる複眼的な視点から全体のバランスを取りつつ、偏りのない報道を目指していることがわかる。つまり、これが標準だというスタンダードがあるわけではなくて、全体をよくみて、そこで最も調和の取れた認識に基づいて、不偏不党とする。こういう事を考えるためには、その背後に、人権とか、自由とか、そういう哲学がバックグランドがなくてはならず、それと各国の情勢に合わせた総合的な視点とを加味しながら、調和点を見出す。つまり、全体を見据える俯瞰的な視点が不偏不党には必要だということが分かる。

自分の考え方がスタンダードだという考え方ではなくて、あくまでも現実の観察に基づく最もバランスの取れた見方をする。それが不偏不党だとする。

そう考えると、数字に関しても同様で、全体からみた様々な数値を比較して、そのなかで妥当な数字を見出していく、そういう取捨選択をしていくと、偏りの少ない視点が見いだせるのではないかと思う。大事なのは、数字全体に懐疑し、「数盲」になる事ではなく、様々な数値を比較分析して、その中で妥当な数字はなにか見出すことが大事なのである。また、単に数値だけでなく、その数値と現実との整合性も同時に注視しながら考えていくことも大切なことである。

長々と書いたが、要するにマルチソースに基づく俯瞰から生まれる整合性のある情報が不偏不党ということなんだと思う。そして、それは現実を扱う数字の世界にも言えるのだ。