SKY NOTE

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AIで仕事がなくなる社会について

私はインターネットが登場した時、世界が変わると思った。しかし、実際はインターネットの力は当初考えられていた次元とは、遠く及ばない貧弱なものだった。それはインターネットが普及した現在でも同様である。しかし、その状況が変わる時が来た。AI以外の技術革新が終わり、最終的に新しい市場はAIしかないという状況になった時「来るべき時が来た」と思った。

AIが進化する過程で人間ができることの多くがコンピューターにもデキてしまう状況が生まれ、人間の労働の価値が減ってしまう。

「技術革新で仕事の5割が消滅」20年後の社会
 http://www.huffingtonpost.jp/2014/01/19/rise-of-the-machines-economist_n_4629643.html?utm_hp_ref=japan

人類の労働時間は、技術革新とともに短縮化してきた。昔の第一次産業の時は、昼間は畑を耕し、夜は糸を紡いだり、薪割りをするなど、仕事が山積みだった。ある意味、寝る時間以外は、何らかの労働時間だった。だから、私の義父などは、勉強は楽しくってしょうがなかったという。辛い仕事をやる必要がなく、ただ机に向かって勉強してればいいというのは楽だというのだ。私の家は、薪風呂だったので、子供の私は薪割りを手伝った。冬の寒い時の薪割りの手伝いは、辛かった。義父が薪を割り、私が小雪の舞う中、薪を家の裏に積み上げる。軍手をしても手が冷たくて辛かった。薪で風呂を炊くと温度調整が難しく、熱すぎたり冷たすぎたりする。だから、東京に来て自動的に風呂が沸くなんて天国のようだと思った。しかも温度もちょうどいい温度にしてくれる。テクノロジーがこれほどありがたいと思ったことはなかった。

だから、私はテクノロジー批判をあまりしない。ただ、素晴らしい道具の使いかたについては、ひとこと言いたいのだ。AIができれば、人間がやっている単純作業の多くがコンピューターで代替できる。その結果、多くの仕事が自動化される。そして、多くの人々が失業する。しかし、それでは本末転倒なのである。そうではなく、労働時間の短縮をし、富の分配を適正に行わないといけない。コンピューターで人間の仕事の半分くらいが消滅するかもしれないのならば、労働時間を半分にすればいいのだ。

今、新自由主義によって、多くの人が長時間労働を強いられ、安い賃金で働かされている。それは後進国も同じ。多くの人は後進国の人々に負けないように一生懸命働かなければいけないと盲目的に考えている。しかし、AIが進歩すれば、人間ですら要らなくなるのだ。その時代はもうすぐなのである。iPhone 4sの発表の時にSiriが発表された。人間の言葉をコンピューターがテキストに変換できる事が、ありとあらゆる事務処理をコンピューターが処理できるという事なのである。

私達は、テクノロジーの進歩によって労働のあり方を考えさせられる時期に来ている。単に後進国の人々と戦う次元ではなく、AIが普及し人間が用済みになった時、どのように労働を定義するのか考えなくてはいけない。

これは、昔を見れば分かる。昔は人類の90%は、食料生産に従事し、牛や馬を使い田畑を耕していた。もし、昔の人々に未来の世界では、農業に従事している人は労働者の1割も満たないと言ったらどうなるだろうか?「どうやって飯を食うのか」と馬鹿にされるだろう。多くを動物や人力に頼っていた時代では、1割以下の人員で、10割の田畑を耕すことなど不可能だと思う。そして、仕事の9割が農業の社会において、それは失業を意味する。飯が食えない社会だ。しかし、現在の私たちは飯を食っている。なぜかというと、テクノロジーによる食料生産、そして、新しい仕事への移行、労働時間の短縮をしたからである。これと同じことをもう一度するべきなのだ。

0.テクノロジーによる既存産業の合理化
1.新しい仕事
2.労働時間の短縮

新しい時代に向かう時、0は、既に技術革新で自動的に進められるが、1の新しい仕事は、大して出来ておらず、2の労働時間の短縮も全然出来ていないのが現状だ。未来に向かって日本人が進むべき道は、ホワイトカラーエグゼプションのような労働時間の長期化ではなく、テクノロジーの進歩と呼応した労働時間の短縮と新規事業の進行なのである。これが今やるべきことのなのだ。「おしん」のように苦労すればいいという時代ではない。実際にやるべきことは逆なのだ。そうでないと、人間の仕事は機械に奪われ、貧富の差が極大化した社会が待っている。時代遅れの自由競争という発想自体が、技術の進歩から見れば、過去の遺物だということにみんな気が付かないといけない。