iPadでオセロを母にやらせている。というのは、母にオセロをやらせていると、私は静寂を手に入れられるためだ。母にオセロを教えていて分かったのだが、母は勝つためのルールを教えても、そのルールを勝手に破ってしまうため負ける。基本、自分の自由にするのがポリシーの人であるため、ルールを設定してもそれを確実に守るという習慣がない。だけど、コンピューター相手に勝つためには、ルールを守らないといけない。何度も勝つためのルールを教えても、簡単に破る。
そうやって母にオセロを教えていると、間違った方法をすると簡単に負けるというのが母の負けっぷりを見ていると如実にわかる。勝つためのルールを逸脱すると、カウンターを食らいやすい。そして、そのカウンターが致命傷になる。思うに現実問題で人を説得するときにもカウンターを食らわない説明をしないといけない。カウンターを食らうと、説得する機会を失う。簡単に反論ができてしまう説明は、説得力がない。それが例え間違った反論でも、その間違った反論を生まないように、その説明の前段階で、カウンターを食らわない説明をしておくべきである。
母のオセロを眺めて、そう思った。
