SKY NOTE

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説得力について

今回、TPPについての記事を書く中で痛感したことは、自分はツッコミが甘いということだった。TPPに関して、より優れた説得力を持つブログやホームページを見る度に、自分の書く文章の劣った所がよく見えた。そこで今回は、そういったツッコミ(説得力)の優れた記事を紹介しながら、説得力とはどういうもので構成されているか書いてみたい。自分の文章の欠点から、どういうふうにすれば説得力が出てくるか説明してみたい。

1.自分は突っ込みが甘い(まんまやんけ)

  • 昔、自分が深く突っ込むと家族から攻撃された経験が、そうさせているのだと思う。その攻撃は、集団による否定であり、その内容は、否定はされるが、そこに理由や根拠はないというもので、非常に理不尽なものだった。しかも、その理不尽さを批判することも否定の対象となってしまうような、道理の通じない家だった。だが、一般社会では、その理不尽さをクリアに説明できれば、自分の意見が通る可能性が高まるのであり、自分の過去の体験とは逆のことをする。自分の家でタブーだったことをむしろ大声を上げて、徹底的に主張することが突っ込みの鋭い主張になる。ここで言いたいことは、まず、ツッコミというものを禁止されていた家なんぞに生まれると、心のなかにタブーが刷り込まれており、そういう刷り込みがあることを自覚しながら、タブーを壊し、普通の社会の主張の仕方を学ぶことから始めるという宣言文みたいなものをまず、書くことにする。なぜなら、そういう家は多いと思うから。

2.コントラストの弱い主張

  • 自分はよく理屈っぽいと言われるが、恐らく、その言葉の中には、不明確な説明という主張も含まれていると思う。だが、主張が上手い人の意見は、理屈っぽいと言われず、論理的な主張が出来ている。そこで明解な主張について、書いてみたい。明解な主張とは、それを聞いただけで、結論が導き出せる主張である。誰もがそのとおりだと思えるハッキリくっきりした言葉の選び方、それが出来ている主張は強い。比較や論の進め方の旨さが、言っていることの説得力を増していく意味のインフレーションが出来る。流れるような論理とコントラストのハッキリした明解な主張は、納得する。そういう表現の本質をついた主張は強い。こういう主張にユーモアが加わるとさらに破壊力が高まる。
  • この中でドラえもんのび太くんの対談形式で、コントラストのある説得力のある文章が出来ている。論拠も明解だ。比較がしやすい内容が盛り込まれており、それが内容のコントラストを際立たせ、説得力を増している。また、相手の問題点を鋭く突き、それを事実をもって説明することでより、より強固な強い主張が出来ている。論拠にコントラストがあり、視点も鋭いので非常に説得力がある。何よりユーモアがあるので楽しみながら、理解できるのがいい。

3.相手の主張の論点を論破していない

  • 自分は、相手の主張の問題点を指摘し、その根拠となる証拠を提示し、それが間違いだと強く主張できていない。そこで、そういう論破をきちんと出来ている主張として、三橋貴明氏のブログ記事を紹介したい。
  • 例:「TPPは、中国包囲網」という馬鹿げた主張
  • 私だったら、馬鹿げているの一言で済ませてしまうが、これだけだと、単なる個人的主観にすぎない。その点、三橋貴明氏の批判の仕方はスマートだ。
  • 農業新聞と朝日新聞のTPPの同じ事の記事の全文を紹介し、朝日新聞が嘘を言っている事を主張、そして、中国包囲網については、アメリカ国務省の意見を持って否定している。ここがスマートなのは、まず、それに対するもっとも確かであろう情報を元に否定しているということ、つまり、農業の事ならば、農業新聞、アメリカのことならばアメリカ国務省、そういう情報を持って、否定する。相手の主張する矛盾点、問題点を確実に叩く、それによって、自分に対する信用を格上げしていく、そのために確実かつ信頼のおける情報を用いて叩く、非常にスマート。それに対して私の批判は、正しいかもしれないけど、その証明が十分でなく個人の主観でしかない。主張の正当性が全く違う。三橋氏の主張は、賢いやり方だと思う。こういう主張ができると、確実に自分の主張を通す事ができるだろう。(少なくとも自分より愚かな相手は、薙ぎ払うことが出来る主張だ)相手の主張の外堀を埋めるという点で優れている。三橋氏の記事でも明解な比較が用いられている。ここでも比較は重要なキーワードだ。

4.相手の実績を批判する

  • 相手の主張にそれを正当化する実績がない場合、それを攻撃する。これについてジョブスのFlash Playerに対する主張が的を射ている。
  • この記事の中で、ジョブスは1700語の文字でAdobeFlashに対する主張を論破している。
  • (1)Flashはモバイルデバイス上でまともに動いたことがない
  • (2)Adobeは2009年以降、年に何度も、出す出すと言ってて結局出さないオオカミ少年だ。今や、誰も本気にしない。
  • モバイルデバイスにおけるFlashPlayerの実績、性能が不十分なこと、その不十分なものをきちんとすることが1年以上もかかっても出来ていないこと、それらをもって、Flash不要論を展開し、HTML5で十分だと主張している。単に実績を批判している文章ではなく、それを揶揄する最後の文章に注目して欲しい、「出す出すといって出さないオオカミ少年だ。今や、誰も本気にしない」この主張で優れているのは、オオカミ少年という非常にイメージしやすい言葉を選んでいること、これはキラーワードといえるくらい鋭い。そういう言葉の選び方、実績という事実に基づく批判は強い。ジョブスの場合、言葉の選び方がうまい。こういうところが彼のプレゼンの優れたところなのだろうと感じる。センスがいい。

 
まとめ

  • 説得力で重要なのは、明解さである。フタコブラクダさんの記事では、内容のコントラストが明解だった。三橋氏の記事では、情報ソースの選び方が的確でした。ジョブズの場合は、相手の実績のなさを短い言葉で、キラーワードを交えながらセンスよくまとめています。ここでの説得力に重要な要素は、比較、選択、事実、センス、といったところでしょうか?
  • 比較しやすさが、明解さを生み、選択の的確さが鋭さを生み、事実が主張に重みを与え、センスが止めを刺すといった感じです。私の主張は、これらの点で不十分なものでした。そういう意味で、私の主張が通らなかったは、実はとても当たり前だったのかもしれません。
  • 私も時たま、説得力のある文章がかける時がありますが、それは、事実を書いているにすぎないのです。つまり、事実そのものに説得力があるとき、その事実を書き記すことで説得力が生じていた。だから、事実に説得力があるときにのみしか、自分の意見をうまく通すことは出来なかった。もっと言えば、事実に説得力があっても、その事実が複雑で分かりにくいものであった場合、それをそのまま表現しても、他人には理屈っぽいと言われるだけで終わってしまっていた。つまり、単に見たままそのままを書くのではなく、どうすれば説得力を高めることが出来るかということに対しては、私は逃げてきたきらいがあります。それほど、私は理解されていないと思っていたし、それ故に私は他人に苦手意識を持っていたといえるのですが、他人の優れた主張を見る度に思うのは、彼らが、人を説得するのに必要な要点をきちんと押さえた主張が出来ていて、そういう主張を聞くと納得できるということです。彼らの真似をして、私もきちんとした主張が出来れば、私の他人に対する苦手意識も治るかもしれません。