SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

Pref..
Speech
STOP
Follow..
QR Code
|◀
▶|
QR
×
voice
volume
0
rate
0
pitch
0

消費者の購買力を弱める人員削減

昔の日本企業と違って、今の企業は都合が悪くなるとすぐに人を切る事を考える。だが、私から見ると、それは「ジリ貧経済へようこそ」という事になる。社員は、家に帰れば消費者であり、そのサイフをリストラで消滅させる事は、めぐりめぐって、「モノが売れない」「安いものしか売れない」という亊になる。では、どうすればいいのか?企業は利益が出なくて大変だ。何をどうすれば巧くいくのか?

そこで、経団連が考えたセコいアイディアは、派遣法改正(正確には改悪だが)による同じ労働でも給料半分の差別階級を生む事だった。これが現在、格差と言われているものの源泉と言ってもいい。派遣社員は他の先進国でも存在するが、同じ労働で給料が半分なのは日本だけだという。

では、正社員の給料を削って、派遣社員と正社員の真ん中に給料を設定すればいいという事になるが、既得権を安易に手放す人達もいないだろう。そこでさらに経団連は考えた。「そうだ移民を受け入れよう!」極めて安直である。世界中で移民は問題を起こして大変な事になっている。犯罪率の増加、暴動、スラムの増加など弊害は多い。要するに新たな下層階級を作ってさらに安い給料で働かせようと言う魂胆なのだ。しかし、安い給料という事は、結局の所、購買力の低い消費者を生む事であり、それは結果として、モノが売れない、高いものが売れないとなる。つまり、この繰り返しなのだ。やればやるほど、購買力のない消費者を増やして、焼け石に水状態になる。

ある意味、移民や派遣社員は、ステロイド剤(抗炎症剤)に似ている。ステロイド剤は問題を根治するものではなく症状を抑えるものだ。それと同じ様に安い労働力を作り出し給料は一時的に下がっても、基本的には購買力は弱いままだから、結局の所、企業はジリ貧に陥るだけなのだ。

最近、アトピー性皮膚炎をマグネシウムの溶液(調整された濃度)をスプレーで塗って治す治療が行なわれている。なぜマグネシウムがいいのかというと、マグネシウムが細胞を活性化させて、皮膚の修復力を高めるからなのだそうだ。これと同じ様に消費者の購買力を改善しない限り、移民だ、派遣社員だと言っても、元の木阿弥なのである。

では、どうすればいいのか?前置きが長々としてしまったが、ここからが本題

企業の言い分(何も考えない人間の言い訳とも言う)

1.国際競争に勝てない。(勝てている企業を参考にしろ!)
日本が低コスト化競争に勝てないのは、人件費が高いからではなく、ITなどを使った合理化が十分に行われていないからである。アメリカのデルコンピューターを見てほしい。アメリカ人の給料は日本人のそれと同じくらいの筈だ。だがデルは、世界に冠たるパソコンメーカーとなっている。理由は、彼らがパソコン市場における水平統合モデルを最大限に活用しているだけでなく、日本のトヨタを参考にして、それをITで組み替えたものを使っているからだ。

バーコードを当てれば、その製品の履歴がすぐに分かるシステムなど、非常に合理的だ。(日本ではコンビニなどが、そのいい例だろう)翻って日本の企業は、未だに紙の伝票を使っている。これでは差がついてしまうのは仕方がない。紙を使えば、それを書く人が必要になる訳で、その分余計に人員が必要である。つまり、同じ労働における人員の必要量が日本では多くなってしまうのである。

要するに日本は、デルが3人でこなしている仕事を、5人でやる様な無駄の多いシステムを温存しているからコストが高いのだ。人が多いのではなく、1労働あたりの無駄(必要人数)が多いのだ。だから、人を減らしたからといって、コストが安くなる訳ではなく、無駄の多いシステムの帳尻を合わせる為に正社員に残業をさせて、残業代も払わないでいい制度を作ったりして、なんとかだましだまし動かしているだけなのだ。

要するにパソコン使わない、あるいは、パソコンの何たるかが分かっていない白髪のじい様達が悪いのであって、人員が多いから安く出来ないのではない。労働あたりの必要人員が多いから、高いのだ。古いシステムを温存したまま、合理化と称して、人を切る。でも、労働システムを改善しない限りコスト削減が出来ない。そうなると安い労働力しか当てに出来なくなる。だから、派遣だの、移民だの、残業代ゼロだのと言い出す訳。単にパソコンが使えないからそういう無駄を増やしているだけ、白髪の経営者達に言いたい、「人のせいにするな!」「業務システムを改善しない、お前のせいだ!」と言いたい。国際競争に勝ちたかったら、外国を見ればいいじゃないか?日本の様に人海戦術じゃない事がよく分かる筈だ。

人海戦術は高コストなのだ。システム化して低コストにするべきだ。この分野で優良なのはコンビニ。情報化が行き届いている。あらゆる売り上げ情報が電子化されてやりとりされており、途中に紙が介在しないシステムを作り上げている。紙がなぜ必要人員を増やすのかというと、紙に書かれた文字が読めるのは人間、書くのも人間、よって、情報のやり取りに必ず人間が必要となり、その人間を収容する為のオフィスも必要となる。結果として、非常に高くついてしまう。

また、そのオフィスのエアコンの温度設定が冬は熱く、夏は寒い設定にしているところが多い様に思える。昔、冬の寒い日、役所に行ったが、暖房が熱い上に窓まで開いていた。ハッキリ言って経費というものの何たるかが分かっていない最低のオフィスだった。

プリンターの無駄遣い、無駄に明るい照明、必要のないエアコン設定、お昼休みについたままのパソコンなど、エネルギーコストを削減できる箇所は無数にある。それだけ、贅沢に無駄な経費を使っておいて、人を切らないと合理化できないというのは、人を馬鹿にするのも程があるというものである。

無駄を削っていないのに、もう削れないと言っているのは、無駄という大きな穴の開いたバケツに経費という水を入れる愚行である。そして、その為に人を切るというのは、もっと愚行である。

人を省く前に業務プロセスの無駄を省け!