認知心理学では、人の行動は、感情によって起こるという。一般的には以下のような順番だと考えられているが
一般的な想定:感情→思考→行動
現実 :感情→行動→思考
人は、思考を介さず行動してしまうという。そして、考えるのは最後という事らしい。つまり、
怒って(感情)物を壊す。(行動)その壊れたものを見てアチャー(思考)
…と考えてしまうのが人間の心理らしい。そう考えると人間というのはトホホな生き物ですね。よく考えてみると、衝動買いも同じようなものです。
欲しいモノを見る。コレ凄く欲しい!(感情)買う。(行動)財布の残りを見て後悔(思考)
というように、いつも合理(思考)は最後なんですね。全ては行動の後に起こるという…確かによくある事です。では、なぜ人は自制心を持つ事が出来るのでしょうか?それは、最初にくる感情を理性がいかに説得するかにかかっています。
衝動買いの場合…
欲しいモノを見る。コレ凄く欲しい!(感情)でもまてよ。この前、使いすぎて、月末つらかったなー(理性)おおそうだ、そうだ(感情)ここは我慢しておくか(行動)ふ〜あぶなかったな(理性)
ポイントは、感情が理解やすい直感的な説明を理性が行う事。たとえ理路整然とした説明であって、それが合理的でも、感情的に納得できなければ、人は行動しない。だから、感情を揺さぶる言葉は、人を行動させるのに必要なのです。例えば、キング牧師「I have a Dream!」人の感情を揺さぶった。そして社会を変えた。
彼の言葉に人々が感動し、拍手や賛同の意を体で表現している姿をみて、感情を揺さぶる言葉(感情)が人の心を動かし社会を動かす力(行動)になるのだという事が分かります。それが後に公民権(理性)を生みます。人々は彼の言葉に感情的に納得したのです。それは正義を希求する良い感情です。この逆にヒトラーは、人々の自己愛(感情)を刺激し、ナチス政権を生み出し(行動)それはドイツの恥となった。(理性)
では、人々の良い感情を揺り動かすにはどうしたらいいのでしょう。私は、それにはオキシトシンというホルモンが分泌されるような言葉を選ぶ事が効果的だと思います。オキシトシンは、別名、信頼ホルモンと呼ばれるもので、スキンシップや好奇心、感動するドラマ、親切などで分泌されるという。
恋愛ホルモン!心を癒やすオキシトシンの効果と増やし方 - NAVER まとめ
それも、親切な心からの言葉が説得力を持つ。キング牧師の演説は、彼の人となりが現れていますね。ああいう真心のこもった言葉が人を動かす。そして、それが社会を変える。そういう意味では恋愛に似ているのかもしれません。そうやって感情が納得すると人は、行動するのです。
変える為には誠実であれ
ただ、それは諸刃の矢で偽りである可能性もあり、私のような人間は、そういう言葉を聞くと勘ぐるのが癖なのですが、そういう風に勘ぐられないように日頃から行動している事が大切です。それが出来ていないと、戯言として聞き流される事でしょう。
自分を変える
この考え方は、自分を説得するのにも使えるのです。自分に対し、優しい言葉で説得することで、自分を行動させる事が出来ます。それに自分の感情が納得すれば、行動できるようになります。それには出来るだけ直感的な説明がいいのです。
社会を変える
その最たるものとしては、スティーブ・ジョブスのスピーチがあります。彼のスピーチは、合理的でありながら、感情的なのです。人々は合理と感情の両面で納得し、キング牧師の演説で感動した人々と同じように拍手喝采をし、そして、Apple製品を買う為に行列に並ぶわけです。Appleの製品を見れば、GUIやタッチインターフェースなど、親切心に溢れた設計が見て取れます。プロダクトと親切心が融合していて、それをジョブスが演説で表現する。この流れがAppleをアメリカ有数の会社に押し上げました。
そういう意味では変化とは感情的なものといえます。そういう感情を配慮する事は大切です。私は、あまり人の感情に配慮するという事をしてこなかったので、人を動かす事は出来ませんが、歴史を見れば、そういう言葉に出会うのです。そして、そういう言葉が世界を変えてきたのは、紛れもない事実なのです。というわけで、感情に配慮する事は大切です。それは、あらゆる行動を支配します。自分をコントロールするのにも、人を動かすのにも、それは使える。自分としては、まず自分の感情を動かすような言葉を見つけたい所です。その為には、自分が一体何を望んでいるのか知る必要がある。それを知って、自分の感情を納得させる事ができれば、それが行動となり、自分を変える事が出来る。自分をイノベート出来るのです。