AppleがiPod Touchを3年ぶりにアップデートした。外観は前モデルとほぼ変わらないが3年ぶりなので中身の性能は大幅に向上した。今回は、その性能でどんなことが出来るのかちおう事をメインに書いてみたいと思う。
まず、スペックだが、ASCIIの記事にベンチマーク記事が載っているので、それを参考にすると、CPU/GPU共にiPhone6Plusの8〜9割程度のスペックであることが分かる。つまり、最新機種とほぼ同等の性能を持っている。そして、メモリも前機種の512MBから1GBに増強された。
新型iPod touchはiPhone 6レベルの性能！
安くても旧モデルは絶対買っちゃダメ
http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/357/357892/
iPod touch spec
プロセッサ :A8（最新機種と同等 前機種A5の6倍）
グラフィック:PowerVR6450（前機種：PowerVR SGX 543MP2の7倍高速）
メモリ :1GB（前機種：512MB）
モーションプロセッサ：M8：低消費電力の万歩計になったりする。
カメラ
・前面：120万画素（F2.2）
・背面：800万画素（F2.4）前機種500万画素
ディスプレイ：4インチ（1136x640）
サイズ：123.4x58.6x6.1mm
重さ ：88g
ワイヤレス
・IEEE802.11a/b/g/n/ac（acが加わる）
・Bluetooth 4.1
バッテリ：ビデオ表示8時間 音楽再生40時間
- 仕様を見ると、概ねiPhone6の性能を踏襲している感がある。この性能が何をもたらすか考えてみる。
カメラ
- カメラは500万画素から800万画素に高画質になる。iPhone6なみの性能といえるだろう。そして、プロセッサの性能も向上したため、高品位な超解像デジタルズームが可能になっている。スマホは光学ズームがないので、デジタルズームになるが、画質が劣化してしまう。iPhone5で、それらを超解像度処理で対応できているのだが、従来のiPod Touchではそれらはプロセッサ性能が低くて出来なかった。しかし、iPhone6レベルになったiPod Touchでは高品位なズームが可能だ。
- カメラアプリ（無料：ビデオ撮影の7倍ズーム機能はアプリ内課金）
- StageCameraHD
- 上記のアプリで静止画5倍、動画7倍のスムーズなズームが可能である。これが今回のiPod touch 6の性能で出来るようになるだろう。ちなみにiPod touch 6の動画撮影性能は1920×1080/30fsとのこと。レンズはf2.4と明るい。明るいレンズだと映像のダイナミックレンジが広く、立体感のある写真がとれ、しかも超解像処理も効きやすいので、デジタルズームも実用的なレベルにまで性能が上がっていると考えられる。手ぶれ補正も強力なので、かなりカメラとしての性能は高いと思われる。
- 【レビュー】新 iPod touch（第6世代機）を検証。
- A8チップ/8MPカメラの実力とは？
- http://www.phileweb.com/review/article/201507/17/1721_4.html
- iPod touch 6の撮影サンプルがある。
- iPhone6に比べて暗所には弱いようだ。iPhone6に比べて緑がキレイに撮影できず、細部がボケる。恐らくセンサーやレンズが違うのだろう。
- 音質はiPhone6よりも上のようだ。
3D写真表示
- 最近、規格策定が行われているJPEGの3D写真規格「JPEG PLENO」に対応するためには、GPUの性能が不可欠だが、iPod touch 6は、擬似3D表示で対応できるのではないかと考えられる。3D写真をタップして回して様々な角度からみたり、フロントカメラから顔認識でユーザーの目の位置を把握して、それに合わせて立体像を傾けて表示するなどして、立体表示が可能だと思う。残念ながらカメラレンズが1つしかないので、3D写真は撮影できないが、ウェブサイトにある3D写真をダイナミックパースペクティブのような擬似3D表示で表現できるプロセッサ性能を有していると思う。新しい3D API METALなどが効いてくるだろう。
オーディオ（LDACを使えばワイヤレスにハイレゾに出来る性能はある）
- オーディオは残念なことにハイレゾに対応していない、相変わらず16bit/48kHzまでだ。ハイレゾに対応するためには、LightningPortにハイレゾ対応DAコンバーターを差し込めばいいのだが、サイズの大きい物が多く、スマートとはいえない。それよりもSONYのLDACの方がワイヤレスでスマートにハイレゾに出来るだろう。今後、ハイレゾに対応したLDACヘッドフォンと、iOSのBluetoothプロトコルのアップデートでソフトウェア的にLDACに対応すればいい。こういう処理もプロセッサ性能が低いと出来ないのだが、iPod touch 6の性能ならば、従来音源のアップサンプリングも含めて出来るレベルのあるといえる。ここの所は、今後のSONYやAppleの対応に期待したいところだ。
- ソニー「LDAC」がハイレゾ相当のデータ量をワイヤレス伝送できる理由
- http://www.phileweb.com/interview/article/201504/15/272_3.html
ワイヤレス
- 無線LANにacが加わり、データの高速転送が可能になっている。またBluetooth 4.1に対応しているので、対応したワイヤレスヘッドフォンを使えばバッテリー持続時間が従来のBluetooth2.0EDRの製品に比べて、3倍程度長い30時間とか結構ある。
フィットネス
- M8モーションコプロセッサがあるので、低い消費電力で万歩計などに使えます。これは一日の運動量を把握するのに便利でしょうね。
デザイン
- 外観は、ほとんど前モデルとほぼ変わらない、ただ、ストラップを繋げられなくなったのは落下防止の点で改悪。あと、カメラ部が出っ張るくらいならば、もう少し厚みを増やしてもいいと思う。カラバリが増えても自分はスペースグレイしか欲しいと思わないので関係ない。
iPod touch 6は、デジカメ、オーディオプレーヤー、擬似3Dフォトビュワーなど様々な機能を高品位に実現できる性能を有していると思う。残念ながら、それに対応したソフトは、まだできていないのだが、将来的に対応出来るだけのプロセッサ性能を有しているという点で、ポテンシャルの高い製品だと思う。コスト的にもiPhoneを買うと高い電話料金を請求されてしまうが、これだったら、電話料金なし、本体価格も32GBモデルで3万2000円（税込み）程度で済む。手のひらに音楽プレーヤ、デジカメ、ボイスメモなどを集約できる点で魅力的だと思う。音楽も映像も高性能なプロセッサで高品位で楽しめる性能を有している。
価格 税抜き 税込み
16GB 24800円 26784円
32GB 29800円 32184円
64GB 36800円 39744円
128GB 48800円 52704円（AppleStoreのみ）
性能と価格のバランスから言うと、16GBモデルはアプリやデータ、OSの肥大化を考慮すると空き容量が少ない。最低でも32GBモデルは欲しい。特にビデオ撮影なんぞしはじめたら、なくなるのは早い。価格性能比では32GBモデルが良いのではないかと思う。
iPod touch 6でコンデジ死んじゃうかも…と思う。安いし、性能はいいし、汎用性があるし、高品位なディスプレイがあるから、撮影画像の確認もかなり緻密にできるし、手ぶれ補正はソフト処理で強力だし、レンズも明るいし、超解像ズームもできるし、何より薄くてコンパクト。残念なのはストラップが使えなくなった事とレンズ部が出っ張っていることと暗所に弱いこと。カメラとして使う場合、落下を防ぐためにストラップは必須。それがなくなったのは改悪としか言いようがない。ストラップ付きのiPod Touchケースがほしい。あと、ブルーライトをカットするフィルムもほしい。自分はRetina Guardというブルーライトを90％カットするフィルムをiPadで使っているが、これを使うと目の疲れが大幅に軽減される。iPod Touchを買ったとしたら、同時に欲しいのだが、iPod touch版がないのだ。早く出して欲しい。
自分だったら、iPod touchをどう使うかというと、最近、歩いて汗をかくと、体の毒素が抜けて調子が良くなるということがわかったので、ワイヤレスヘッドフォンで音楽を聞きながら、M8コプロセッサを使った万歩計でウォーキング、歩いていて気になったものは、カメラで撮影、思いついたことはボイスメモで記録、計算したいことは電卓アプリ立ち上げて計算みたいな使い方を想定しています。MacOS 10.9の段階でオフラインで音声を文字変換する機能が搭載されていますので、将来のiOSにオフラインでの音声文字入力機能が搭載される可能性は高いと思います。そう考えるとかなり便利に使えるのではないでしょうか？特に歩いていると、考えがまとまるので、オフラインでボイスタイプ出来る機能が搭載されると非常にありがたいです。まだないんですが…。プロセッサ性能から言えば、出来なくはないってことなんですけどね。あと、文字読み上げ機能でニュースを聞きながら、歩くのもいいな。体も健康になるし、目も疲れないし、一石二鳥。そういう使い方、想定してますんでiOS 9でそう言う機能搭載して、Apple、買うから。
