終戦記念日という事で、玉音放送について書いてみる。
玉音放送を現代語訳で「耐えられないことにも耐え」【終戦記念日】
http://www.huffingtonpost.jp/2014/08/14/gyokuon-hoso_n_5677338.html
玉音放送については、自分は「耐え難きを耐え、忍び難きを偲び...」というところしか知らなかったのだが、全文訳がハフィントン・ポストにのっていたので読んでみると...「スゲーそんなこと言ってたのか」と思ったので紹介する。
引用
世界の情勢と日本の現状を深く考えた結果、緊急の方法でこの事態を収拾したい。忠実なあなた方臣民に告ぐ。
私は、「共同宣言を受け入れる旨をアメリカ、イギリス、中国、ソビエトの4カ国に伝えよ」と政府に指示した。
日本臣民が平穏無事に暮らし、全世界が栄え、その喜びを共有することは歴代天皇が遺した教えで、私も常に心に持ち続けてきた。アメリカとイギリスに宣戦布告した理由も、日本の自立と東アジアの安定を願うからであり、他国の主権や領土を侵すようなことは、もともと私の思うところではない。
だが戦争は4年も続き、陸海将兵の勇敢な戦いぶりも、多くの官僚の努力も、一億臣民の奉公も、それぞれが最善を尽くしたが戦況はよくならず、世界情勢もまた日本に有利ではない。その上、敵は新たに、残虐な爆弾を使用して多くの罪のない人を殺し、被害の及ぶ範囲を測ることもできない。このまま戦争を続ければ、日本民族の滅亡を招くだけでなく、人類の文明も破壊してしまうだろう。
そんなことになってしまえば、どうやって私は多くの臣民を守り、歴代天皇の霊に謝罪すればよいのか。これが、私が政府に共同宣言に応じるように命じた理由だ。
私は、東アジアの解放のために日本に協力した友好国に対して、遺憾の意を表せざるを得ない。戦地で命を失った者、職場で命を失った者、思いがけず命を落とした者、またその遺族のことを考えると、身も心も引き裂かれる思いだ。戦争で傷を負い、被害にあって家や仕事を失った者の生活についても、とても心配だ。
これから日本はとてつもない苦難を受けるだろう。臣民のみんなが思うところも私はよくわかっている。けれども私は、時の運にも導かれ、耐えられないことにも耐え、我慢できないことにも我慢し、今後の未来のために平和への道を開いていきたい。
私はここに国体を守ることができ、忠実な臣民の真心を信じ、常に臣民とともにある。感情の赴くままに問題を起こしたり、仲間同士で排斥したり、時局を混乱させたりして、道を外し、世界からの信用を失うことは、私が最も戒めたいことだ。
国がひとつとなって家族のように団結し、日本の不滅を信じ、責任は重く、道は遠いことを心に留め、総力を将来の建設のために傾け、道義を大切にし、固くその考えを守り、国体の本質を奮い立たせ、世界の流れから遅れないようにしなさい。
あなた方臣民は、これらが私の意志だと思い、実現してほしい。
- 敵は新たに、残虐な爆弾を使用して多くの罪のない人を殺し、被害の及ぶ範囲を測ることもできない。このまま戦争を続ければ、日本民族の滅亡を招くだけでなく、人類の文明も破壊してしまうだろう。
この中で原子爆弾に触れる内容が凄い、というのは、当時の最新兵器である原子爆弾の破滅的な影響について、それを続ければ日本が滅亡するのみならず、世界を破滅に導く兵器だということを正確に理解されている。
つまり、現在、尖閣があーだこーだ言ってますが、中国は核兵器持っていますし、国内には原発が54基もある状態から考えると、天皇陛下の言葉を借りれば、核による破壊は、人類文明を破壊してしまうものなのだから、そもそも、戦争をしてはいけないということになる。つまり、1945年8月15日、今からちょうど69年前の玉音放送から、日本の平和主義、非核宣言が始まったといえるだろう。つまり、日本の平和主義、非核姿勢のルーツは、この玉音放送から始まったのだ。
人民解放軍の攻撃目標(原発やレーダー施設が攻撃目標になっている)
何が凄いのか、この言葉は、戦争を終わらせると同時に、その後の日本の69年におよぶ平和な時代を形作ったものだからだ。そして、その天皇陛下の言葉の精神を受け継いだのが、憲法9条であり、非核宣言なのである。
天皇陛下の見識は、現実的に見ても正しく、戦争になれば、敵が都合よく核兵器を使わないでいてくれる都合のいいことなんてないわけで、そこからすると、核がある時代には、戦争自体を否定しないと、人類文明を守れないことになり、その意味で、戦争をやめると天皇陛下は述べておられるのだが、この言葉は、人類全体に向けて言われている言葉ともとれるのだ。つまり、核兵器という最終兵器を作ってしまった時代において、戦争を続ければ人類自体が滅んでしまうのだから、人類全体が戦争やめないとダメだという意味にも取れるのだ。だから凄い、つまり、核兵器の登場により、人類は、戦争をやめないといけないという内容なのだ。非常に正確で現実的で正しい見識であり、その後の日本に与えた影響は計り知れない。
この言葉の精神を法的に実体化させたのが、憲法9条なのだが、それを解釈改憲で台無しにしようとしている安倍晋三、この安倍の言っていることは、非常に不正確で、夢想的で、間違った見識であり、全く評価に値しないクズ同然のものであり、その後の日本に与える悪影響は計り知れないものがある。それが日本のトップということは情けない限りである。こんなのは、早く引きずり降ろさないとダメだと、玉音放送と現在の状況のあまりにギャップを感じつつ終戦記念日を迎えた。