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ALPS、3系統の内、1系統故障、性能が安定せず 2014.3.18

2014年3月17日、福島第一原発放射性物質除去装置「ALPS」が3系統の内、1系統が故障し、汚染物質の大半を除去したはずの汚染水に故障した1系統の汚染水が入り込み、結果として、1万5000トンの汚染水を再除去しなければいけなくなった。(故障したのはA、B、Cの3系統の内、Bが故障し、大幅に処理性能が落ちた。原因は不明)

 読売:福島第一のALPS、汚染水浄化機能が大幅低下 2014.3.18
 http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20140318-OYT1T00769.htm
 
2014年3月17日の汚染水を調べたところ、1400万ベクレル/Lにまでしか、汚染レベルが減っていなかった。これは1/10程度であったという。つまり、現在アルプスが処理している汚染水の濃度は1億4000万ベクレル/L(β線を出す放射性物質の濃度のみ、α線γ線は含まれていない)という超強力な汚染水だということだ。ちなみにALPSが性能通りに動けば1/100万になるという。ということは、140ベクレル/L程度(β線のみ)にまで下がるという話になる。

 NHK:性能低下トラブルのALPS 調査続ける 2014.20
 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140320/t10013111331000.html

ALPSは、トリチウム以外のほとんどの核種(62種類)を取り除ける高性能除去フィルターであるが、開発当初から性能が安定せず、当初、1基あたり、日量500トンとしていたものを半分の250トンにし、3系統、最大日量処理能力 750トンで運用し、最近まで日量625トンで、日量300トン(400トンとも言われる)といわれる新規に発生する汚染水と、タンクに溜まった過去に回収した汚染水を処理し、2014.3.11現在までに6万2792トンが処理された。(日量300トンだとすると、209日分である)

 福島民報:汚染水処理期待外れ ALPS試運転1年 2014.3.17
 http://www.minpo.jp/news/detail/2014031714538

ALPSは、2013年3月30日に、初期型A系統が試運転を開始した。6月中旬にはB系統が増設され、2014年年2月12日にC系統の試運転がスタートした。今回故障したのは2013年6月に増設されたB系統で、3月初旬にクロスフィルターという部品の調子が悪くなったので交換作業が行われており、この作業が影響した可能性があるという。

 J-CAST NEWS 2014.3.20
 ALPS不調で汚染水が混入、処理水を再汚染 東電「我々にとっても大きな痛手」
 http://www.j-cast.com/2014/03/20199826.html?p=all

3系統の内、1系統が故障したため、おそらく現在の最大処理能力は500トン程度まで低下していると考えられ、実質処理能力は恐らく、現行の日糧625トンの2/3の日量416トン程度とみられる。これだと、過去の高濃度汚染水を除去できる余力がなくなってしまい、2014年中に汚染水の大半を処理するという目標は、遠のくことになる。

現在、汚染水は34万トンあり、今年度中(2015年4月まで)に汚染水を処理するためには、日量1960トン程度にまで処理能力を上げなければいけない計算になるそうだ。東電は、4月から現行の3系統のALPS(250×3=750トン)を試運転から本格運転に切り替え、10月には3系統増設(250トン×3=750トン)+高性能タイプ(日量500トン)を加えることで、2014年10月までに処理能力を2000トン(A~F:250トン×6系統:1500トン+国の高性能タイプ:500トン)体制に持って行きたいとしている。しかし、今回のトラブルの解明が出来ないと、計画は後ろ倒しになる可能性もある。

現行の3基を4月までにフル稼働:750トン体制に移行できるとして計算すると、新規の汚染水300トンで10月まで190日として5万7000トン、合計39万7000トン、その間処理できる汚染水は750トン×180日だから13万5000トン処理できると仮定して、10月までに処理済み汚染水が26万2000トンになる。10月以降2000トン体制になれば、その131日後(2015年2月頃)153日後(2015年3月頃)に全ての汚染水が処理できる計算になるが、こう度々故障してしまうと、それが遅れる可能性もある。

いずれにしても、汚染水問題の鍵はALPSがきちんと動いてくれることにかかっているので、今回のトラブルの原因究明を確実に行い、できるだけ早く、漏れたらヤバイ、1億4000万ベクレル/Lという超高濃度汚染水を処理して、もし、漏れたとしてもリスクが1/100万の汚染水(140ベクレル/L β線のみ)に早くして欲しいと思う。水は漏れやすい。フィルターに固形化されれば、漏れることはなく、地震などのリスクにも対応しやすくなるので、できるだけ早く行い。地震でタンクが壊れて大量海洋汚染という最悪の事態を招くようなことは避けたいと切に願う。だから、来年の6月くらいまで大地震よこないでくれと願わずにいられない。そういう神頼みををするような状態が、現状なのだ。