SKY NOTE

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曖昧な目標がネガティブ思考を生み出す。

漠然とした詳細さに欠ける目標設定が、ネガティブな思考の原因だという研究結果が示された。

 WIRED:漠然とした目標が負の連鎖を引き起こす:研究結果
 http://wired.jp/2013/07/30/depression-and-purpose/2/

これまでは、うつ病患者は未来をイメージするときに過剰一般化をすることが知られていた。

  • 過剰一般化とは(資料:http://pmphiro.jugem.jp/?eid=108
    • 言語内エラーの1種で、ある一つの規則を別の語へも適用できると考え広く一般化することをいう。また、学校や言語教室などで教師の指導や練習が学習者の習得にマイナスに影響することを「訓練上の転移」という。
  • 過剰一般化の12の事例(資料:http://matome.naver.jp/odai/2134337104195452501
    • ①白か黒か両極端で考えてしまう
      • ・「すべてにおいて完璧でなければ、私はダメな人間だ。」
      • 自分の置かれた状況は「良い」と「悪い」の2種類しかないと考えてしまう状態です。選択肢がほかにあることに気づいていません。
    • ②悲観的
      • ・「私はきっと緊張してしまって、絶対にうまく成し遂げることができないだろう。」
      • 将来について悲観的な見方しかできません。絶対に悪いことが起きると考えています。
    • ...こんなのが12個くらいある。要するに物事をある特定の方向に過剰に一般化して解釈してしまっている。それを過剰一般化という。一種の思い込みである。

それが最近の結果から、日々の目標の設定にも影響することが分かったという。アメリカの学術「PLOS|ONEに掲載された記事」(英語)によると、英リヴァプール大学の臨床心理研究者ジョアン・ディクソン博士は、この過剰一般化が私的な目標の設定にも影響しているかに注目した。多くの健常者にとっては、私的な目標の積み重ねが生きる意味に繋がっているのに対し、うつ病患者の場合は、どうなのかを実験してみた。

実験は「達成したい未来」と「避けたい未来」を90秒以内に思い浮かぶだけ書き記し、どうして、その目標を達成したいか、避けたいかの理由も出来るだけ詳しく記述するように指示された。

その結果

  • うつ病の有無は、回答数の数に影響はしていなかったが、うつ病患者のリストは詳細に欠け、より抽象的な目標を設定していることが明らかになったという。「達成したい目標」と「避けたい未来」が漠然としていただけではない。それらの理由もまた、明らかに詳細を欠いていた。
  • つまり、曖昧な目標設定が過剰一般化を誘発している。曖昧な認識であればこそ、あらゆる他の悲観的な記憶と結びつきやすく、関係づけられてしまう。具体的で詳細であれば分離できることを曖昧さが融合してしまうのだ。


ディクソン博士

  • うつ病はネガティヴ思考と関連し、自己評価や過去の記憶に対する過剰一般化が起こることが知られてきた」今回の研究では、私的な目標すらこの過剰一般化の影響を受けるとの結果が出た。「うつ病患者の目標はフォーカスされていなく、それがゴール達成への妨げとなっている。そして目標を達成できない事実が、ネガティヴ思考への悪循環となっているのだろう」。

つまり、曖昧で漠然とした目標であるため、永遠にゴールに辿りつけず、そのゴールに辿りつけない自分を永遠に否定し続けるというのだ。

抽象的な目標には、「いつ、どこで、どうすれば」などの情報がなく、実際にそれを達成するために、何をどうすればいいのかイメージできず、結果として、「どうせできないだろう」と期待値が下がって、モチベーションの低下を招いている可能性がある。

これを防ぐ方法として、ディクソン博士は...

  • 「目標を細かく設定し、それらを達成したい理由を詳しく定める手助けをすることが、ネガティヴ思考への負の連鎖を断ち切るきっかけとなるかもしれない」これでうつ病が治るわけではないが、小さな目標を少しずつ達成することが、生活への欲求となる。物事の過剰一般化や、目標の抽象化──研究によりこれらの性質を知ることが、うつ病患者の新たな治療法を確立していくのだ。

この記事を読んでいて思ったのは、うつ病患者の発想が、日本人そのものだと思った。抽象的な目標を掲げ、具体性のないイメージの中で、それが達成されないと絶望し、悲観し、何もできなくなっている。それを解決するには健常者の発想のように具体的な目標を設定して、ある意味、目標を限定し、その目標に対し「いつ、どこで、どうすれば」という具体的な行動プランの設定し、それが達成できたかどうかを評価する姿勢が結果として、目標の過剰な肥大化を防ぎ、同時に客観的な課題達成度を測ることになり、それがモチベーションにつながっていく。

恐らく、うつ病患者の目標は、抽象的で曖昧なので、永遠に辿りつけないようなゴールを過大な設定していたり、目標のイメージが曖昧なのでゴールがまるで霧の中に包まれていて、よく見えない。その結果、そこに到達することが無理だと思ってしまう。大事なのは、その霧の中のイメージを具体性で晴らすことなのだ。それを曖昧にしてしまうと、目標が蜃気楼の向こう側のようなものになってしまい絶望することになる。

自分が思うに、最終絶対評価もこの発想に加わると思う。最終絶対評価とは、最終的に達成したい目標という事で、例えば「一流のシェフになる」という目標を設定すると、その一流のシェフになるまで、永遠に自己否定をし続けることになる。だが、そんな事をしてしまうと、一流のシェフになるまで、延々と自己否定をし続けるので、モチベーションが続かない。そこで、大事なのは、目標の段階を踏むこと、現在の自分が三流のシェフであれば、一流のシェフになるためには、まず、二流のシェフにならなければいけないと考え、そうするためには、何を、どのようにするか、具体的にプランを建てることなのだ。

ある意味、目標というのは、階層フラクタル構造をなしているので、その構造にそって、適切な行動目標の設定をすることが、自然な目標達成計画といえる。しかし、最初から頂上を目指す、うつ病患者は、永遠に自己否定をし続ける。評価の指標が絶対的で、相対的な中間値がないために、その最終結果が出るまで、絶対的な否定が行われる。(私の義姉がそう言う人で、常に絶対的な評価に基づいて私を常に否定してた。私はそう言う義姉が大嫌いだった)結果として悲観的になる。そういう意味でうつ病患者は、考え方が不自然であり、妥当性を欠いているので、そのイメージの実現性がとてつもなく曖昧で、イメージとして想起できないために、絶望するしかないのだ。重要なのは、目標の段階を設定し、限定することで、具体性を生み出すこと。最終結果は重要だが、それは最後に評価されるべきもので、今は、その段階のタスクをこなすことが大事、そうしないと、自分の心が潰れてしまう事を自覚し、適切で具体的な目標設定をすることを心がけることが、悲観的にならない方法ではないかと、この研究結果を見て思った。