SKY NOTE

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政府が東海東南海地震想定を発表した(2012.3.31)

東日本大震災を受けて、政府が新しい防災想定を発表した。これにより、2003年の中央防災会議の時よりも遥かに広い地域が地震の被害にあう想定となっている。

2003年の中央防災会議の際の想定との比較

この図を見ると、2003年の際の想定よりも遥かに広い領域が、震度6以上の強い揺れに合うことになる。

今回の想定は、地震の規模を東日本大震災と同程度のマグニチュード9と想定
 震度7   :10県/153市町村(静岡市和歌山市徳島市宮崎市etc...)
 震度6弱以上:24府県/687市町村(被害地域2003年の想定の2倍以上)
津波
 津波20m以上:四国や東海23市町村(高知県黒潮町で34.4m)
 津波10m以上:11都県の90市町村

この地震想定を元に国は2012年6月ごろまでに被害想定をまとめ、この秋から冬にかけて総合的な防災対策を検討していくことにしているという。

地震で心配なのが原発だが、浜岡原発の位置が特に厳しく、震度7の領域にあり、しかも周辺の津波の高さ想定は24m以上と、極めて危険である。この想定だと東海東南海地震が起きると、浜岡原発メルトダウンを起こす可能性が高く非常に危険である。浜岡原発の再稼働はほぼ絶望的といえる内容だろう。

2012年の最新の東海・東南海地震の想定(クリックすると拡大します)

東日本大震災と同程度の揺れが生じると考えると、2900ガル以上の揺れとなる可能性があり、恐らく、それだけの揺れに耐えられる原発は日本に一基もないだろう。政府のストレステストの第一次テストの基準は、700ガルで、再稼働で話題になっている大飯原発は、その1.8倍の1260ガルだから大丈夫なんて言っていたが、それでは東日本大震災の揺れの半分にも満たない。ちなみに福島第一原発は、460ガル程度で壊れたようだ。ここで言える事は、浜岡はもはや絶望的であるということ、早く燃料を原子炉から抜き取り、安全に保管できる状態にすることが求められる。(現時点では、保管設備を新たに建設する必要がある)よって再稼働なんてもっての外である。

また、この図を見ると日本海側に集中している原発は大丈夫なように見えるが、日本中どこにいっても地震が起こることは変わりなく、地震学者もどこで地震が起こるかわからないと言っている。要するに、日本という地震国にいる間は、原発は常に危険なのである。その証拠に新潟県中越地震(2516ガル)では、日本海側の柏崎刈羽原発が壊れた。また大きな地震が起きた時、周辺の震源域で大規模な地震が起こることは、東日本大震災の後に震度6クラスの地震が長野や静岡で起きたことからも明らかである。よって、原発は全基即時停止する必要がある。その理由は、地震がいつ起こるかわからないからである。起きた時に慌てても遅い。稼働中の原発は高温なので、水がなくなれば、ものすごい勢いでメルトダウンまでまっしぐらだが、廃炉を前提に水の中に閉じ込められ、比較的、低温な核燃料とでは時間の猶予がまるで違う。猶予があれば、電気なり水なりを、その間に調達してくればいいのである。福島第一原発の時は、準備もない上に、あらゆる計器類、安全装置がブラックアウトしてしまい、しかも、原発の安全を司る専門の実働組織がなく素人に近い菅首相が支持を出す以外にないという状態だった。菅首相が悪いと一部のマスメディアが言っているが、それは間違っている。そもそも、そう言う事のないように事前の組織なりマニュアルなどを準備しておくのが核施設に対する常識なのに、非常識にもそれをやっていなかったという事こそが問題なのだ。批判の対象が間違っている。自分は、菅首相は、下っ端が全然役に立たない中で良くやったと思う。あれが限界だったのだと思う。ちょっと話がずれたが、この地震想定を見れば、原発はハッキリ言って日本に向いていないことが分かる。少なくとも浜岡は確実に再稼働はできない想定結果だ。

他の地域も、どこに震源があるのかわからない状態では、警戒する以外にないのである。現在の私達人類の知見では、地震がいつどこで起きるかわからない。だから、今回の南海トラフ付近を震源とする地震の想定から外れているからといっても安全とは言えないのである。しかも、東日本大震災以降、地震が格段に増えた。そこから考えれば、もはや日本は原発をやる国ではないというのが結論である。少なくともこの地震想定は、そう言っている。


津波について
NHK:「南海トラフ」地震・津波の新想定

南海トラフと呼ばれている海底付近では、90〜150年ごとに繰り返し地震が起きているそうな。この地震津波は大きく、最大クラスのものだと堤防で抑えることができないのだという。もはや逃げるしかないってことですね。

しかし、逃げる際にも問題があって、最も早く到達する所では2〜3分で津波が到達するというから、非常に危険だということがわかる。少しでも迷っていると、そこで津波が来て流されてしまう状況だ。

政府の有識者会議の阿部座長は「今回の想定に関わらず、日本列島ではどこで地震が起きてもおかしくないということを念頭に置いて防災対策を進めてほしい」とのこと、つまり、日本の海岸線全域にわたって、津波には気をつけろよという意味でもある。安全な場所などないのである。

とにかくできるだけ早く逃げる。できるだけ早く高台、できるだけ正確な情報という観点から考えると、携帯電話のGPS情報を元に、津波の到達時間を算出して教えてくれる機能が欲しいものである。また気象衛星津波を感知するセンサがあって、宇宙から津波を感知し、瞬時に波状予測計算をし、そのデータを転送すると、携帯電話がそのデータから、自分のGPSデータと比較して、「津波第一波到着まで、後3分です」とかSiriみたいな音声で喋ってくれると、ありがたい。ついでに高台までの最短ルートまで地図に表示してくれたら完璧だが、そういう時に限って通信できなくなっている状態なので、できるかわからないが、波状予測データは、皆が必要としているデータなので防災用の特定チャンネルから一方的に流すようにすればいいのではないかと思う。(周辺の地図データとセットで)