新日鉄エンジ、バイオエタノール製造に必要なエネルギーの大幅削減に成功
http://www.ecool.jp/press/2012/02/nsceng12-0202.html
新日鉄エンジニアリングが、自己熱再生理論を活用したバイオエタノール蒸留プロセスを開発し、バイオエタノールの製造に必要なエネルギー消費を大幅に削減することに成功した。
自己熱再生理論とは、基本的にエアコンと同じである。バイオ燃料そのものが持つ熱を圧縮して加熱し、それを蒸留プロセスに活用したそうです。
資料:自己熱再生理論を用いた省エネ蒸留プロセス実証試験
http://www.iis.u-tokyo.ac.jp/publication/topics/2012/20120202press2.pdf
これは、単に蒸留プロセスだけでなく、蒸発、濃縮、乾燥、反応、分離等、ほぼ全てのプロセスにおいて、燃焼加熱に比べてエネルギー消費を1/5〜1/20 と大幅に削減できることが、シミュレーションで分かっていたそうです。今回の実証実験では、特に蒸留プロセスにおいて85%削減できる事を確認したそうです。このことは、バイオエタノールの生産において消費されるエネルギーの半分以上を蒸留プロセスが使用しているそうですから、実質、今までよりも半分以下のエネルギーでバイオエタノールを生産できる事になります。
これは大きな飛躍だと思います。バイオエタノールの生産は、生産時のエネルギー消費がネックでしたが、それを大幅に減らすことができるわけです。また一歩、エネルギーの自給が可能になったと感じます。非常に有意義かつ着実な一歩といえるでしょう。