SKY NOTE

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何故、正しい事が広まらないか

昨日のブログ記事で紹介した本「ダメな議論」で正しい事が何故広まらないかという事に関しては、正しい事を理解するには、その為に調べものをしたりする「コスト」が必要で、大抵の人は、そのコストを払わない。故に広まらない。反面、そういったコストを払わずに済む「どーでもいい意見」は、広まるという。全くその通りだなと思った。では、正しく分かりやすい説明とは何かというと、ディスカウントストアだと思う。本来、それを理解する為の知の流通過程を短縮して、安くて質の高い情報、つまり、正しい事を低いコストで提供する。池上彰さんやサンデル教授の授業が、これに該当する。
 
思えば、天才の義父の意見が通らなかったのも、義父の主張を理解する為のコストがあまりにも高すぎてしまったのかもしれない。正しい答えは人に利益をもたらすが、反面、それを理解する為には「インテリジェンス」と、そのことについて「詳しく調べる」というコストを支払わなくてはならない。なので、大抵の人は、そういう正しい事を理解するコストを支払わないので、間違えるという事になる。
 
なぜ、間違ってばかりいるのに、正しい事を選ぶ為に人はコストを支払わないのか?それは、自分達が間違っているという事を明らかにしていない事、つまり、日本の議論(定義)の曖昧さにあるという。今、テレビや新聞を見ても社会がどうなっているのか理解するのは難しい。なぜならば、その主張の定義が曖昧だから。なぜ、曖昧にするのか?定義をきちんと定める事は、正しいか間違いか、ハッキリ分かるからです。もし、間違ったら、厳しい批判にさらされます。通常、報道機関は、そういう批判にさらされながらも、記事を書く覚悟が必要ですが、日本の報道機関には、そういう覚悟というものがなく、腰抜けです。よって彼らは曖昧にします。彼らが記者クラブという制度を守ろうとしているのは、無能な自分達の主張が競争によってクズだと露見するのを恐れているからです。テレビの報道を見ても非常に不勉強な内容が散見されます。例えば、Wikileaksのアサンジ氏が逮捕されるという事をもって彼らが追いつめられたと報道するネットワークについての知識が充分でない報道が散見されました。既存マスメディアはハイテク関連は軒並みダメですね。ある意味、組織全体が高齢化しているのでしょう。そんな無能な彼らが生き残る手段は、有能になるために努力するのではなく、記者クラブなどの既得権を守り、記事を曖昧にして批判をかわし、耳障りのいい主張を繰り出す事で、大衆に納得してもらう事のようです。ですから、大衆がミスを犯した時に批判をするなどという事は、彼らは出来ません。なぜなら、それをやれば、自分達の立場が崩壊する可能性を考慮しなければいけないほど、己のレベルが低さを彼ら自身が知っているからです。
 
無能を温存する術
1.既得権を守る(記者クラブ制度などの情報の流通過程を支配する。競争から逃げる)

  • 勝負しない事で、己の実力のなさが露見する事を避けています。

2.議論を曖昧にする(ハッキリとした主張のない報道:批判もハッキリしなくなる)

  • 勝ち負けを明確にしない事で、自分の負けも曖昧にすることで己を守っています。

3.おべっかを使う(大衆に迎合する事で、大衆のミスを指摘しない)

  • 無能な自分達に対して大衆が疑念を持たないように、いつも大衆のご機嫌をとっていますが、最近はネットの普及で、化けの皮が剥がれつつあります。

 
この3本柱が、彼ら無能集団が生き残る足なわけです。彼らが己の保身の為に犠牲にするものは、「真実」です。「正しさ」と言うべきかもしれません。この20年間の報道機関の劣化は酷く、以前まで良心的に存在した解説番組などもなくなり、現在では、内容をぼかした報道が多くなりました。一見、統計情報を用いて分かりやすく報道しているかのように見えますが、実際のところ、ハッキリと状況が分かる統計は避けているし、明らかである事ですら、明言する事を避けています。
 
現在、良心的なニュースは、池上彰さんの番組やNHK時論公論(月-金23:50〜24:00ビデオのテレビ欄に表示されないので、時間設定で録画するしかない)とBSフジのプライムニュースです。ニュースよりも解説番組の方がいいでしょう。
 
よくよく見てみると、最近、よく言われるフリーライダーの行動パターンと既存マスメディアの行動パターがンが似ている事に気づきます。そう考えると、日本の既存マスメディアとは、社会に巣くう巨大なフリーライダーと言えます。彼らが自らの保身の為に真実を伝えない事で、日本はこの20年間、有効な手段を講ずる事が出来ず、停滞したといっても過言ではない。20年の間、このような事が出来たのは、単に記者クラブ制度や新聞の配達システム、電波法によるチャンネル寡占状態など、情報の上流から下流の独占が可能だったからといえますが、インターネットとiPadの普及でそれも終わりに近づいています。これからは、GoogleTVによるニュース報道や、iPadによる新聞報道が増えてくるにつれて、情報の流通過程を独占する事は難しくなります。政治家達も、記者クラブで自分の意見を発表するのではなく、ニコニコ動画などで主張し始めるなど、記者クラブ制度の形骸化も既に始まっています。
 
真実をハッキリと伝える報道がされるようになれば、何が正しく、何が間違いなのかハッキリと分かるようになってくるでしょう。その時の報道とは、複数の新興メディアの競争、その中にはWikileaksのような組織もあるでしょう。政治家は記者クラブを避けて、ネット中継がメインとなり、記者クラブ制度は、事実上、崩壊します。その崩壊時期はiPadなどのタブレット端末やGoogleTVの普及によってなされると思います。恐らく、8年程度、移行に時間がかかると思われます。
 
1.既得権の崩壊(iPadやGoogleTVの普及:流通過程の独占はもはや不可能)
2.曖昧さのない報道(カウンターカルチャーの勢力拡大により自然発生的に生じる)
3.ダイレクトな報道(編集されない報道:ネットは紙面や番組枠に支配されないから)
 
1の既得権の崩壊は8年程度かかると考えられる。これは新しいメディア規格が普及するのに大体8年かかる事を目安にしている。これにより、競争状態が生まれ、2のカウンターカルチャーの勢力拡大に繋がってくる。カウンターカルチャーは、従来のニュース報道に不満を持つ視聴者をターゲットとする為、自然と従来の曖昧な報道ではなく、ストレートな主張が多くなってくるだろう。そうなると、3のおべっかが通じなくなる。おべっかが通じるのは、それがおべっかだと気づかないからであり、本当の事を報じられると「あいつら、おべっかばかり言いやがって」という事で信頼されなくなる。恐らく、これが今後8年以内に起こる変化である。
 
正しい事が普及するには、真実が報道されるだけでなく、それが正しいと理解できる状態、つまり、知のコストダウン(わかりやすさ)が必要である。このコストダウンに必要なのは、少ないコストで多くの事を可能にする表現力が必要だが、それを実現するEPUB規格やHTML5H.264などの技術は既にある為、あとは、それを運用する池上彰さんのような存在をいかに多くするかにかかっているといえる。そうすることで、正しい事が普及するようになり、物事が正しく進むようになるだろう。
 
参考飼料
日経ビジネス

 
ダイヤモンドオンライン

 
図書館で借りれるかもしれないのでチェックしてみてもいいかもしれない。
 
 
良心的なニュース
 月-金(23:50-24:00)NHK:時論公論:解説内容がブログで読める
 月-金(20:00-21:55)BSフジ:プライムニュース(インターネットで過去10日分が見れる)
 水曜日(20:00-21:00)テレビ朝日:池上彰の学べるニュース