SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

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ChromeのH.264サポート終了について

Googleは、ブラウザChromeに対するH.264のサポートを終了した。WebMで行くらしい。Googleがもくろんでいるのは、標準規格に対する主導権と考えられるが、H.264 vs WebMの戦いは、もしかしたらH.265にとって漁夫の利になる可能性がある。現在、策定されているH.265は、H.264よりも同じ画質ならば半分の容量で済むと言われており、CEATECの三菱のブースで候補となっているコーデックの画質を見たが、結構奇麗だった。それでいて容量はH.264半分との事。その仕組みは、可変ブロックによる最適化にあるという。他にも細かな修正を加えているようだが、主な手法は、可変ブロックらしい。比較的、高解像度なハイビジョンに向いているという。エンコード時の負荷はH.264の2倍程度との事だ。
 
二つのブラウザでサポート動画が二分される形になると、結果として、それで作られたファイルに二分される。Googleオープン戦略が功を奏すると、WebMが勝利する可能性があるが、H.265が出てくると以下のような容量比率になる。
 
同じ画質での容量比

 H.264  WebM  H.265
  1   0.7   0.5

 
これをみると、WebM 2.0みたいなものにならないと、H.265の方が便利という事になる。Appleなどは恐らくH.265をH.264の後継として採用してくるだろうから、そこにどの程度、AndoroidやChromeがWebMで食い込んでくるか見物といえるかもしれない。圧縮計算はH.265とWebM は別の手法を採用しており、WebMの方が計算複雑度が高い手法なので、おそらくH.265よりもエンコード負荷が大きいと予想される。そこでGoogleの次の手として考えられるは、GPUエンコーディングとなる。Targa2やSandyBridgeなどCPU内臓GPUに最適化されたエンコーディングソフトを用意してくると考えられる。しかし、同時にH.265が策定されればAppleQuickTimeGPUエンコードを採用して対抗してくるだろう。そう考えると、GPUエンコードが切り札になる。GPUエンコードへの流れが加速すると見られる。(CPUではなくGPUベースになる事で大幅なエンコード速度の向上が見込めるだろう)
 
 HEVC(H.265/HVC)
 http://www.up-cat.net/HEVC%2528H%252E265%252FHVC%2529.html
 
H.265が策定されるのは、2011〜2012年にドラフト作成、2013年に勧告されるそうだ。勧告されるまでには2年はあるので、恐らくGoogleは、この2年が勝負という事で、ChromeからH.264を締め出し、WebMを採用したのではないかという憶測も立つ。Googleとしては、WebMを早期に普及させて、その後、新バージョンとしてWebM 2.0などを作って、H.265を迎え撃つというような腹積もりのような気がする。あるいは、WebMは、H.264に対してライセンスフリーという点では、優位なフォーマットと言えるので、動画の用途を固定化したくないGoogleの方針が、結果としてChromeH.264サポート終了という結論になったのかもしれない。
 
以前のこのblogの記事でH.264のライセンス条件について書いた記事
(用途ごとに細かなライセンス規定がある。最近の発表でYouTubeのようなインターネット上での無料の動画配信はライセンスフリーとなったが他の分野では、ロイヤルティが生じる)
http://d.hatena.ne.jp/skymouse/20100521/1274367911