SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

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「共感」のシンクロ率が「納得」を生む

私は今まで、出来るだけ効率がよく、私が考えた中で現実的だと思える事を話してきた。だが、それはあまり説得力がなかった。例えば、現実的な解ではあったが、納得が得られず、有効に機能しない事も多々あった。何が足りないのかと言うと、共感だった。
 
1.適切な比喩(実例の紹介や、実験も含む)

  • 共感とは、発想のシンクロするもの。比喩は連想しやすいものと同じだと言う事で、発想のシンクロ率を上げるものである。私は適切な比喩ではなく、内容そのものを言ってしまったが故に納得が得られなかった。

 
2.敵意を抱かせない事

  • 共感を得る為には、共感できる状態でなければならない。この際に敵意が生じると、いくら適切な比喩を言っても、敵意がそれをかき消してしまう可能性がある。故に敵意を生じさせないようにする配慮も必要になる。

 
私が共感に着目したのが、自分の上手くいった説得と、上手くいかなかった説得の何が違うのか考えてみた時、合理的な説明よりも、共感しやすい説明が出来ている部分で説得が上手くいっている事に気づいた。つまり、場合によっては「理」ではなく「感」に訴える方が効果的なのだ。
 
そして、共感とは、何かと考えてみた時、それは、その人の過去の経験とのシンクロ率。強い経験ほど、強いシンクロ率を示す。つまり、理詰めの説明よりも、経験とのシンクロ率を意識した言葉の方がより説得力が増し納得が得られる可能性があるという結果をみて、未経験の新しい事がどうして認められないのかという事が分かったような気がした。(映像や実験がなぜ説得に有効なのかは、それが新しい経験を生み出すからだ。参考Wikipedia:チャレンジャー事故(記事中の文書の「ファインマン」を検索)

  • チャレンジャー事故(1986年のスペースシャトル爆発事故)の原因究明委員会で冷水の入ったコップに浸したゴムの弾力性が失われる実験をしてみせ、原因は、Oリングというゴムの部品が冷えて、弾力性を失い、水素が漏れて引火した事だと見事に説明するファインマン博士(この事故の前にエンジニアが同様の事をNASAに説明していたのにも関わらず、NASAはチャレンジャーを冷たい空へ放り込んでしまった。説明能力が生死を分けるケースと言える)

 
人は経験を最も信頼している。だから、それに新しい事を融合させるような適切な比喩を相手に敵意を抱かせないようにやるのが人を納得させるのに有効だと感じた。もちろん理詰めの説明で納得する人もいるので、不特定多数の人に説明する際には、合理的で共感できる説明が最も良いと考えられる。
 
私の学生時代、自分の意見を聞いてくれる人間が、学校で成績のいい奴に偏っていたのは、私が理詰めの説明しかしていなかったからだと考えると、理詰めの説明が有効なのは、賢い人間、共感が重要なのは、その他大勢(全体の8割くらい)である。だから、多数決を得たり、優秀な人間(プロ)を味方につけるには、共感も理詰めも両方必要である。
 
私が人を説得できないのにもかかわらず、人に影響力のある人間を説得できたのは、影響力のある人間が、私の理詰めの意見を聞くだけの能力があったからである。そして彼らは、私よりも他人に対し、共感を得やすい説明ができたのである。私のアイディアで他人が成功し、私自身が成功しないのは、恐らく、この部分の差が大きいのだと思う。