SKY NOTE

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21世紀の日本の資源戦略

素人は「戦略」を語り、プロは「兵站」を語る
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20101016/216678/

上記の記事を読んで兵站について考え、それが現代の日本に当てはめたらどうなるか考えてみた。
 
戦争における勝利の式(自分のイメージ)
戦略(発想)のスケール(規模)×戦略の実行確率:戦術(%)=総合力 > 敵の総合力
 
総力戦では、戦略、戦術の双方が優れていなければダメだ。日本が負けたのは、孫子の兵法で分かっていた事、何せ工業生産力が20:1、これでは勝てない。つまり、20倍の生産力のある敵と戦うには、それを補う総合戦略をもたないといけない。日本は、それを大東亜共栄圏を作って、資源を確保し、それを日本に運んでくる事で達成しようとしたが失敗した。なぜなら、生産能力が開戦時に20倍もあるのである。戦争中に、それらの生産力を20倍にする事など無理だったのである。ある意味、戦闘機1機を作る時に向こうは20機作れる。これでは負けるのは当たり前。勝敗は戦う前から分かっていた。
 
しかし、どんな大戦力も補給路が断たれれば意味を成さなくなるので、兵站を重視せよという主張は、それなりに大きな意味を持つ、日本は兵站を重視し、連合軍の補給経路を断つ事に集中するべきだったというのは、ある意味正しい。もっと言えば、それ以外に20倍もの生産力のある国に勝つ方法はなかっただろう。その為には連合軍よりも優れたレーダーや諜報員、暗号技術などの情報戦略が必要だった。しかし、そのいずれも、アメリカに負けていた。私の親戚には第2次世界大戦の頃に潜水艦に乗って亡くなった方がいる。戦争に行く際にこう言ってたという「これで最後です。向こうの探知器は7里先まで分かります。日本の探知器は、それに遠く及びません。だから、この戦争は負けです」実戦面では探知能力で負け、諜報戦では暗号が解読され情報が筒抜けなのだから負けるのは当たり前。
 
つまり、あらゆる側面において、日本は敗北していた。戦術、戦略、双方ともに相手よりも劣っていた。だから負けた。勝っていたのは、精神力のみ。最後には原子爆弾を落とされて終わり。戦争の後は、冷戦によってアメリカが軍事に国力を傾けていた為、日本は、経済大国として一時的に勝利したが、冷戦終結後、アメリカが国力を経済に振り向け、知的所有権を背景にした情報戦、ドルの大量発行で円高に誘導し、通貨を使った資金補給路を縮小させる事に成功した為、日本の国力は相対的に見劣りするようになった。
 
日本が資金という補給路を広げる為に、国内の円資金を外国債(リスクの少ない新興国国債)の購入にあてることで円高を緩和し、資金補給路を確保、エネルギー、資源、食料の自給は科学技術と農業政策の転換、補助金政策で実現する。自給率が充分に確立されない間はシーレーンの確保の為に、日米安保条約や利害の一致するASEAN各国との連携により、中国の拡大戦略を抑止する。20世紀は資源争奪戦だったが、21世紀の兵站は、エネルギー、資源、食料の自給技術である。これをいかに確保できるかで決まる。
 
自給できれば、外国と争う事なく、国民生活に必要なものを調達できるわけだから、各国ともに戦争をする(人殺しをする)理由がなくなる。故に世界平和が実現可能となる。今、中国が尖閣諸島の領有権を主張しているのも結局は、資源確保のためであり、その資源が争わずとも手に入るのならば、そもそも、この問題は起きなかったといえる。だから日本がとるべき事は、アメリカやASEAN諸国と連携して中国を抑え込みつつ、その間に藻の大量培養などによる資源自給技術やレアメタルを使わない技術を確立する事である。それさえできれば、資源確保を目的とする領土問題は消えてなくなる。
 
つまり、孫子の兵法で言うところの「戦わずして勝つ」最上の勝ち方が実現できるのである。