SKY NOTE

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心の負債:テロリズムやアメリカ型経営

歴史を眺めると、世の中には二種類の負債がある事が分かる。一つはお金の負債、もう一つは、心の負債だ。真に優れた指導者というのは、心とお金の両方を満たすものであると歴史の本には何度も書いてある。
 
心の負債を溜め込みすぎた歴史上の人物は、始皇帝織田信長などを挙げる事が出来る。どんなに力をもっていても、人の心を支配できぬものは、殺されてしまう運命にある。お金の負債は、いつの世にもある。どんな大帝国も大抵は、金がなくなり始める事から滅びる。
 
故にお金を沢山儲けても人を支配できなければ、結局は駄目なのだ。これは最近のソニーを見ればよくわかる。売り上げや利益に目がいくばかりで人の心を動かす様な魅力的な製品が作れない。結局、収益体質が悪化し、経営が安定しない。アメリカ型経営は、お金を儲けられる様に見えて、従業員を簡単に裏切るので人心を蔑ろにする。そうなると、この会社の為に頑張ってやろうという社員よりも、何とかお茶を濁して頑張ろう程度にしか考えない社員が増える。そういう会社に魅力的な製品が作れるかというと「出来ない」とハッキリ言える。結局は、会社の業績というのは社員が作っているものであり、その社員のやる気を駄目にするような管理体制などは下の下なのだ。その下策をありがたがって導入したのが出井さんであり、ソニーを駄目にした張本人だ。彼のやり方は心の負債を増やす事で、ソニーを根元から駄目にした。今のソニーの製品に私の欲しいものがないのは、そこにスピリットが何もないから。心の負債はまずスピリットを浸食し、破壊する。その後、システム全体を駄目にする。
 
テロリズムを考えてみよう。ブッシュ政権は戦争という暴力行為によって彼流の正義を実現しようとしたが、そのどれもが失敗した。なぜなら、暴力を振るえば振るうほど、心の負債が蓄積していき、反発するものが増えるからだ。冷戦に勝利したアメリカは調子に乗りすぎた結果、911を呼び込んだ。力を使えば使うほど、心の負債が増える。その結果、テロリズムを生む。目に見えない心の負債を溜め込まない為には、他者に礼節を尽くし、尊厳を認める事に他ならない。それが出来ないものは、結果として、それ相応の報復を受けるのだ。(現在のオバマ政権のやり方は建設的と言える)
 
なるべく心の負債を溜め込む事を防ぎつつも、お金の負債も溜め込まない様によく計算するという非常に高度な事が出来てこそ、人を治めるのに足るものである。それが出来ぬものは、滅んだり、殺されたりする。それが歴史の現実である。物事を治めるとは、そういう現実をいかに理解し、行動したかにかかっている。
 
それが出来ぬものは、その座から追い落とされるのみ。それが世の習いである。