SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

Pref..
Speech
STOP
Follow..
QR Code
|◀
▶|
QR
×
voice
volume
0
rate
0
pitch
0

太ったソフトよりも、痩せたソフトの方がいい

古いソフトが使えなくなって、困る。特にPhotoshopIllustratorがだ。これらのソフトは、バージョンアップする度にブクブク太って、軽快性という私が最も重要視するユーザー体験の質を落としていったソフトなので、なるべくアップグレードしたくなかったのだが、ライセンスプログラムが改訂された結果、渋々アップグレードする事になった。今回、ついにクラシック環境が使えなくなったので、仕方なくCS2を使ったのだが、やはり、その使い勝手は「最低」だった。このバージョンの出来は悪いらしく、またPowerPCのみなので、インテルMac上ではネイティブ動作は出来ないが、それを差し引いても酷い動作だ。
 
まず、Illustrator CS2は、昔のIllustratorのテキストが編集できない。何か変更してくれというのだが、それにオッケーと入れると、テキストが消える。まず、この時点でデータの下位互換性が半分保証されていない、さらにもっと嫌なのは、カラーマネジメントソフトが動いて、色がおかしくなる。そんな機能なんて使わないので余計なお世話なのだが、使わない機能の為に、色がおかしくなるのはごめん被りたい。また、微調整するプロセスもみつからず、正直「こんなのヤダ」というのが本音。必要のない機能はパージしたい。どうでもいい機能ために、色がおかしくなったり、遅くなったり、テキストが編集できなくなったり、極めつけは、そうやってムカついていて、データを保存せずに終了しようとすると、レインボーサークルが現れて、待たされたあげく、終了するのだが、変な終了の仕方をしたらしく、再起動しますかと聞いて来る。「いい加減にしろ!」とキーボードをぶっ叩きたくなった。(ちなみにPhotoshop 3.0は3秒以下で起動していたし、終了も一瞬だった)
 
次にPhotoshop CS2、とにかく選択ツールが気に入らない。Photoshop 3.0までだと選択してドラッグすれば、そのまま使えたのに対し、それ以降のバージョンは、選択した後、他のツールを呼び出さなければ移動できない。この時点でヤダ。頻繁に使う操作が1ステップ余計に操作が必要になるのはストレスが溜まる。機能が増える度に余計な操作が増えて、操作体系全体がブクブク太っていって、動作以外に操作も別の意味で遅くなる。極めて官僚的で嫌な奴である。そして、まるで当然の様に起動も終了も遅い。特に起動の遅さは眠たくなるほどで最低だ。
 
そんな「太った」ソフトを見ていて、GoogleDocのGoogle Spreadsheetは「痩せた」ソフトである。使い方は、すぐに分かった。余計な機能を搭載しておらず、必要充分な機能を揃えており、大変好感が持てる。操作体系の哲学もシンプルで合理的で官僚的でない姿勢が貫かれ、無駄なく合理的な操作を約束してくれる。Googleには、是非、PhotoshopIllustratorに相当するソフトを作ってほしいものである。まぁFlashとの絡みがあるから、後ででいいが...率直に言って、PhotoshopIllustratorも、私的には「使えねぇ」ソフトであり、ChromeOSを作った暁には、グラフィックソフトで、しかも、シンプルな操作で使えるのであれば、私は断然そっちに行く。Adobeに高額なライセンス料を払って、最低のソフトにアップグレードするのは、もうたくさんだ。
 
ChromeOS上で動いてほしいソフト
テキスト
・ワードプロセッシング(既にある)
・アウトライン
・フロー
表計算
Google Spreadsheet
グラフィック
・ドロー(SVG編集orFlash編集)
・ペイント(レイヤー機能とベジェ選択ツールなどを搭載したもの)
 
Google Docのソフトを見ていると、昔のMacのSystem 6時代のシンプルさを思い出す。あの頃は良かった。シンプルで美しいソフトが沢山あった。今のソフトは、昔、痩せていて美人だった女優が、年老いて、太って醜くなった感じで見るに耐えない。(というか、悲しい...昔は奇麗だったのに...)だが、世の中はシンプルさを見捨てていなかった。GoogleはシンプルさをPCの世界に再び持ち込んでくれた。ユーザーが本当に欲しい機能が充実したシンプルなソフトが動くプラットフォームを作ろうとしている。これは歓迎すべき事だ。当時と違うのは、標準のファイルフォーマットがWeb標準という形で規定されていて、それがネットで共有できる仕組みが既にある事、これにより、人々は情報を供給する事が出来る。フォーマットの違いを気にする必要がなくなるのだ。これが持つ意味は、紙をそろそろ使うのを止める事が出来そうだという事である。今までは、パソコンの世界の官僚的なルールによって、データの共有は出来ないわ、出来たとしても複雑な手順が必要で面倒だった。それが技術的には達成できる情報の共有を阻み、未だに紙が利用される事態が続いている。ディスプレイの解像度が紙の品質に届いていないというところもあるが...
 
GoogleDocやWeb標準のおかげでソフトをもっていなければデータが開けないという事はないのだから、誰もが写真やテキスト、表計算などを自由に組み合わせて、自分の好きなドキュメントを自由に書けて、それを皆と共有出来る。これが紙でやっていること、誰もが紙の上にペンを走らせる事が出来て、それを誰にでも見せる事が出来るという。とても当たり前の事がやっと出来る様になったのである。
 
これでやっと、ペーパーレス社会に一歩近づいたと言える。あとは、フィールドシーケンシャル液晶で出版物並みの画質(解像度)になり、TSV(貫通電極)などの技術を使った超低消費電力のチップを搭載して300g以下の端末が出来れば完成と言える。そういうハードが出来て、痩せたシンプルなソフトが揃えば、私は、ChromeOSはとても魅力的なプラットフォームになると思っている。
 
重ねて言おう
 
「太って醜いソフトよりも、痩せて美しいソフトの方がいい」by skymouse