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自然エネルギーの出力のムラを吸収する

自然エネルギーのムラを吸収する為に燃料電池について調べていたら、面白い記事を見つけた。

東北工業大学大学院工学研究科 橋本研究室のホームページで、二酸化炭素と水素を触媒で反応させてメタンを作るそうだ。電力が余ったとき、水を電気分解して水素を作ればいいと考えがちだが、水素は保管に適さない、スペースシャトル チャレンジャー号の爆発を見れば分かる通り、爆発すると非常に危険な燃料だ。その水素を扱いやすいメタン(都市ガス)に変える事が出来るというのは朗報だ。
 
決定的瞬間 - チャレンジャー号爆発事故

太陽光と水を「燃料」に変換:安価な触媒で(2008年8月1日)
http://wiredvision.jp/news/200808/2008080123.html
 
私は国内で電力を自給する為に太陽光発電+集光型太陽電池や風力など、ムラのある電力を大量に採用することが必要だと考えていた。しかし、そうなると電力出力に問題が生じる。
 
東京電力の電気予報を見ると、首都圏4000万人の電力を一手にまかなう電力会社だがピーク時の電力が6180万kwだという。これを日本の1/3として想定すると、日本全体のピーク電力は1.854億kwとなる。しかし、自然エネルギー、特に太陽光がフル出力できたとすると2.6億kw(私が想定した自然エネルギープラン)の出力が発生してしまう。つまり太陽光発電だけで8000万kwほど余剰電力が発生する可能性があるのだ。その余剰出力をどうやって吸収するか考えたときに、水素化する事が思い立ったのだが、水素は、とても扱いにくい燃料なので何とか扱いやすく、燃料電池の燃料になるメタン(都市ガス)に出来ないか調べていたら、東北工業大学のページにぶつかった。(ちなみに燃料電池は4000万世帯に2kw程度のものを搭載すれば、計算上、8000万kwになる。電力が足りないときを十分にまかなえる出力である)
 
余った電力で水素を、そして、工場から排出される二酸化炭素を調達し、それに基づいてメタンガスを大量に生成できれば、それが既にあるガス管をつたって、燃料電池を動かし、夜間の電力やくもりや雨のときの電力不足を補う事が出来る。東北工業大学のプランでは、二酸化炭素(油田から生じる二酸化炭素)と太陽光が潤沢にあり効率的にメタンが作れるアラブの砂漠を想定しているが、私はエネルギーの自給にこだわっているので、余剰電力で作った水素と国内の鉄鋼生産などで生じる二酸化炭素をベースに考えてみた。(高齢化によって外貨が手に入らなくなる事も想定し、外貨が必要な選択肢を排除した)
 
つまり、電力が余ったときには都市ガスに変えて貯蔵し、足りなくなったときには、ガス管をつたって燃料電池を動かす事で発電する。そうすることで自然エネルギーの出力のムラを吸収する。
 
このプランの問題は、燃料電池や水素やメタンの生成に必要な触媒に希少金属が使われる事、だから、この壁を突き抜けないといけないが、それを突き抜けると、自然エネルギーから安定したエネルギーが手に入る事になるのだ。しかも、都市ガスであれば既にあるインフラを活用できる為、経済的なのだ。技術開発が成功し、プラントが出来れば、従来のインフラを活用してすぐに運用が開始できる点がメリットだ。
 
この水素と二酸化炭素で作るメタンがもし大量に作れれば、それを燃料として鉄も作れるし、電気もお湯も手に入る。しかも水素よりもはるかに安全に保管貯蔵できる。そして、何よりも自給可能なのだ。それは、この国が高齢化して競争力がなくなっても、国民に温かい部屋と産業に必要な鉄と電力をムラなく安定的に供給できる事を意味するのだ。もっと言えば資源の少ない日本で、こういうエネルギー自給プランが作れれば、他の国にも出来るわけで、それが結果としては、エネルギーや資源の偏在性をなくす事になる。そうなると、資源やエネルギーが元でおこる戦争をなくす事にもつながる。つまり、世界平和の一助になると考えるのだ。
 
人々が平和な世界で安定的に過ごす事、それが社会の理想だ。水素と二酸化炭素でメタンを作る技術は、その理想に近づく事が出来る技術だと感じた。