SKY NOTE

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iPhoneが世界で通用する理由(昨日の記事の補足)

昨日の記事でiPhoneが世界で通用する理由にソフトウェアプラットフォームとしての優位性を説明した訳だが、それだけでは、十分な説明になっていないので過去のパソコンの歴史を紐解いてみたい。
 
AT互換機というのを知っているだろうか?新しい人は知らないだろうが、古いパソコンユーザーだったら知っているあろう。AT規格に基づいたパソコンの標準規格である。今から18年ほど前の日本のPCは今の日本の携帯と同じく、複数の規格が乱立していた。シャープのX1/X68000 NEC/EPSONのPC98/386 富士通のTOWNSと規格やプロセッサがバラバラで、それぞれに覇を競っていた。この統一感のないバラバラな所が日本の弱さ、逆に規格を一つにしてまとめるのがアメリカの強さである。(当時もMacはあったが、非常に高価で独自プラットフォームとして特殊な存在であった)
 
そうiPhoneが優れているのは規格、つまり、仕様の統一性だ。画面のサイズ、プロセッサの種類、周辺機能、それらを共通化する事により、ソフトを開発し易くし、それらを流通する世界レベルのインフラを整えた。つまり、村ではなくWorld「世界」を作った訳だ。(アメリカもOSレベルで複数規格が乱立していた訳だが、それぞれが独自のプラットフォーム戦略を持っていた事が異なる)
 
つまり、日本のメーカーは、日本国内という小さな市場にさらに個別に小さな「村」を作ってしまうのに対し、アメリカは標準規格を作って、世界を一つにまとめるという亊をしている。これがiPhoneが世界で通用し、日本のケータイが敗北した点なのだ。つまり、日本は個別に「村」を作ってしまい、アメリカは「世界」を作る。ここが日本のケータイが負けてしまった所なのだ。
 
不思議な事にAV機器ではこのような過ちを日本は犯していない。きちんと標準を作って対応している。最近では熾烈な争いの末にBlu-rayにまとめた。だからこそ、世界で通用するAV機器のプラットフォームとなっているわけだ。
 
つまり、村を作るのではなく、規格を標準化してワールド「世界」を作るべきなのだ。そういう意味でソニーGoogleのアンドロイド規格の携帯を作っているというは興味深い。ちなみにMacは村というのには独特すぎるので都市国家というべきかもしれない。国で言えばシンガポールみたいなポジションを作っている。
 
モバイル端末規格は複数あっても、それらは何らかの形でオープンな形を持っていた。AppleiPhoneはクローズドな印象を受けるが、最初からワールドワイドな展開をしていたり、開発者に対して非常にオープンな環境を作ったりして、Apple独自のオープン戦略をとっていたと言えるだろう。それは日本のゲーム機に近い路線だ。一つの規格のプラットフォームを世界展開する。iPhoneはそこから一歩進めて、開発者に対してオープンな戦略をとる事で、その背後にいる無数のユーザーを獲得した。
 
要するに日本のAV機器やゲーム機の路線を一歩進めて、開発者にもオープンな形をとる事で、独自のオープン戦略を実現しているとも言える。日本のケータイは、独自規格を乱立させてしまい、軍事的に言えば、兵力の分散を招いてしまった。だから、世界市場で勝てない。一つにまとまり大きな潮流を作り出せてこそ、世界に通用するのだ。
 
世界で通用するのは総合力、日本国内で覇を競うのを止めて世界を見据えて一つになれ!それが今回の記事の結論