日本には二つの敵がいる。それは自らの「老い」と「世界」だ。老いさらばえていくこの国は、国際競争で世界と戦うのは難しい。現実的には、ほぼ不可能と言っていい。例えるならば60代の老人が20代の若者と戦う様なものだ。
自分は年老いて弱くなっていくのに、他人は強く大きくなっていく、この相対的な弱体化に対応する為に私達の国がとるべき行動は、「戦わない事」である。戦ったら負ける事が確実な戦いはしない。だから、勝てはしないが、負ける必要もない。
1.なぜ国際競争で勝つ必要があるのか?
国際競争で勝ち続ける亊でドルを得てエネルギー、資源、食料を調達する為である。だから、勝つ必要がある。負けたらドルは手に入らない。
2.ドルを必要としなければ国際競争は必要ない
つまり、ドルが必要なければ、国際競争で勝つ必要はない。ドルがなくても生きる為には、自前で、エネルギー、資源、食料を調達する必要がある。
3.バイオ立国日本
そこでバイオ立国日本の提案である。20世紀の日本が貿易立国だとすれば、21世紀の日本はバイオ立国である。
海洋藻
・バイオディーゼル(発電用燃料→電気自動車)
・自動車燃料(軽量化+電気自動車化+太陽電池)
・船舶・航空・農業機械の燃料
・バイオポリマー(竹の繊維などで強化すると鉄の2倍の強度になる)
・自動車のボディ(従来のボディの半分の重さ)
・プラスチック
・各種繊維
飼料藻
・スピルリナ(通常の作物よりも数十倍成長が早いので少ない面積で量産可能)
・飼料:肉、卵、牛乳
米/大豆(休耕田100万haを利用+食用米160万ha)
・食用米(160万ha)
・お米:ごはん
・飼料米(通常の米の1.6倍の収量がある。休耕田100万haを使って800万トン)
・米粉:パン
・飼料:肉、卵、牛乳
・大豆:水田二毛作(150240万ha:計算上は150240万haあれば、需要を満たせる)
バイオテクノロジーを駆使し、食料、エネルギー、素材を獲得できれば、ドルをそれほどたくさん必要としない国が作れる。資源の輸入量が減り、輸出も減るが、国民の生活は穏やかで豊かなものとなるだろう。
日本は、各省庁に分散しているバイオ研究予算を統合し、一つにまとめる事で国力の結集をはかり、バイオ立国を目指すべきである。そのためには、縦割り行政を排除する為に、今度の選挙で政権交代を実現し、官僚主権国家から、国民主権国家になる事が必要である。つまり、日本が生き残る為には、まず国力を結集する必要があり、利権で分断されたこの国を一つにまとめる作業が必要になるのである。
そうすることで、日本の頭脳を結集して、バイオ技術を発展させて、生き残る術を獲得する事、それが日本が生き残る殆ど唯一の方法と言える。その前に、その障害となっている官僚主導政治から脱却する事が、今この国に求められている事である。