日本未来の党が国民の生活が第一や亀井氏が作った新党、反TPP党などが合流して、結成した。国民連合の中核となる政党ができたといえる。早速、政策要綱のPDFが出ていたのでを見てみた。同時に国民の生活が第一の第 2 次基本政策検討案と比べてみる。
日本未来の党の政策要綱(見たくいのでタイトルをskymouseがつけた)
エネルギー政策
- 1.東京電力は破綻処理、放射能汚染拡大防ぐ、損害賠償、被曝安全に対応
- 2.再処理はやめ、世界最高水準の安全規制、原発の新設は辞め、使用済み核燃料総量規制
- 3.原発稼働ゼロ、それに伴う雇用、経済対策を実施、廃炉へ向かう
- 4.発送電分離、エネルギー地域主権を実現
- 5.省エネ、再生可能エネルギーの普及、石油、石炭への依存度を減らす
- 大胆な省エネルギーと再生可能エネルギーの飛躍的な普及を実現して、石油・石炭への依存度を減らし、地域の雇用拡大と経済の活性化を図る。
- 稼働中の原発と冷温停止中の核燃料の違い
- http://d.hatena.ne.jp/skymouse/20120418/1334675633
- 原発を止めると、まず、崩壊熱が1ヶ月で1/100になり、メルトダウンのリスクが大幅に減る。とにかく水の中に適切に沈めておけば、電源がなくなって2日たっても、水温が数度しか上がらないような状況にまで熱量が下がるので、非常に管理しやすい。数時間で一気にメルトダウンまで進み、どうにもならなくなった稼働中の福島第一原発とは大違いだ。それくらい安全余裕度が違ってくる。
- 崩壊熱の推移
- 引用:よく分かる原子力
- このグラフは、その崩壊熱の推移の資料。原発を止めると、熱量が急激に下がっていくことが分かる。一定期間を超えると、その熱量の減少は緩やかになる。
- 全体的に見てエネルギー政策では、国民の生活が第一のプランが現実的かつ、具体的なので、日本未来の党でも、その政策が継承される事が望ましいと感じる。他は再処理を辞めることや、東京電力解体など、するべきことが明記されているので、やってもらいたいと思う。あと、福島の人たちの避難だが、恐らくコレは損害賠償に該当するのだと思う。つまり、家を原発によって奪われた人達に対する賠償をもって、避難政策とするような傾向が見受けられる。ここは、まともにやると避難だけで10兆円クラスの予算が必要なので、おいそれとは財源を確保しないまま、それを具体的に主張できないというところがあるように思える。日銀引き受けが出来るようにしたあとで、それを大手を振って主張できるんだと思う。全体的に正しい方向性を示しているといえるので、この方向性ならば、恐らく大丈夫であろうと感じる。また、財源を確保しないまま、大きな政策をぶち上げるという事もないのは、ある意味、正直とも言える。それはそれで、誠実な姿勢とも取れる。
外交(もっと言うとTPPである)
- 食品の安全・医療制度を守り、品格ある外交を展開します。日本は、自立と共生の理念の下で、自ら主張し信頼を築く外交を展開しなければならず、独立国家としての責任に基づいた日米関係を構築しなければなりません。TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)は、単なる自由貿易協定ではありません。牛肉など食品の安全基準、医療保険などすべてをアメリカのルールに合わせようというものです。だから交渉入りに反対です。
- 赤字でskymouseが強調した部分、ここに明確にTPPに反対している文言があることが見受けられます。ここは高く評価したい。
- 自由貿易のための FTA(自由貿易協定)、EPA(経済連携協定)は積極的に推進する
- 1.食料安全保障の観点からも食料自給率 50%を目指す
- 2.東アジア外交を重視し、アジアの平和の調整機能を果たす
- 3.安全保障基本法の制定と国連平和維持活動への参加を進める
- 分類指定しやすいように番号をつけましたが、1番の食料自給率50%は、休耕田を活用した飼料米の栽培によって可能です。これは、日本未来の党に合流した前農水大臣の山田正彦氏の飼料米補助金制度で可能となります。これを実現する前提は、食品の放射能安全基準を世界最高水準に高めないと、国民から信頼されるものとならないことです。では、どのくらいの農地が日本にあるかというと、470万ヘクタールが日本の全農地面積ですが、そのうち使われていない後は138万ヘクタール(休耕田:100万ヘクタール/耕作放棄地:38万ヘクタール)あります。しかし、福島第一原発の事故で国内の農地の25%はやられたと私は見ていますので、120万ヘクタールほどは、もう既に安全な農作物を作れる土地ではなくなっていると考えられます。それでも使われていない農地以下であるし、二期作や、高収量作物の活用で食料自給率50%ばかりか、100%も可能であると私は独自に試算しています。よって、実現不可能な数値ではありません。以下のページに、その内容が記されています。
- 食料自給
- 食料自給率100%は可能(注:skymouseの考え方、未来の党の考え方ではない)
- 福島第一原発の事故で日本の農地470万ha中、使用不能になった農地は120万ヘクタールと想定した上で食料自給率100%を考える。(前提:TPPに加入しない/脱原発)
- 水田(195万ha:内59万ha:二期作:単純必要面積:254万ha)
- 米 :食用米:154万ヘクタール(800万トン)
- 小麦 :飼料米:50万ヘクタール(米粉:400万トン/収量:8t/ha)
- 飼料 :飼料米:50万ヘクタール(飼料米:600万トン/収量:12t/ha)
- 畑(155万ha:内12.2万ha分を増産:単純必要面積167.2万ha)
- 大豆 :大豆 :40万ヘクタール(大豆100万トン)
- :食用油:ボトリオコッカス(藻):2.2万ヘクタール(食用油26億リットル)
- 飼料:通常飼料:食用油用に絞りとったボトリオコッカスの粕(520万トン)
- 石油 :ボトリオコッカス(ディーゼル燃料):2万ヘクタール(26億リットル)
- 飼料:魚用の飼料:石油用に絞りとったボトリオコッカスの粕(472万トン)
- その他:140万ha→123万ha(2030年の人口減少を見込む)
- 日本は農地が猫の額ほどしかありませんが、それでも工夫すれば食料自給率100%は不可能ではありません。数字を整理すれば十分に可能なものだと分かります。
- テロ、大災害にも対応できる日本版NSCを創設する
- 1.多様な資源外交により安定的なエネルギーの確保を図る
- 2.「拉致国家」の汚名を返上するためハーグ条約を早期に批准するとともに国内の
- 子どもの連れ去り行為を禁止する
- 要するに国の安全を保証する機関を作るということらしい。その目的は、テロや大災害に対応するとあるので、米国のFEMAにも似ていると感じる。多分、FEMAのような組織がNSCの下につくような構造になるのだと思う。自衛隊の組織を分割して、そう言う専用部隊を作る形になると思う。これは以前から言われていたことなので、別段新しくない、何故実行されないのかがよくわからないほど、必要な組織だがテロ対策でアメリカと連携するというのが、ちょっと恐いな、まかり間違うと、アメリカの愛国法という非常にヤバイ法律の導入をアメリカが言ってくる可能性が高いので、そこは要注意としたい。
- 愛国法は、テロ対策のためには、盗聴など、市民の権利などは、ある程度制限されてもしかたがないという非常に危険な法律で民主主義を愚弄するような法律である。日本版NSCを創り、アメリカと連携するならば、この法律を日本でも導入せよとアメリカが言ってきたら突っぱねて欲しい。
- 多様な資源外交によってエネルギーを確保するのは、現状の日本では必要である。しかし、長期的には技術革新によってエネルギー、資源の自給率100%も夢ではない。それまでは、こういう外交が必要。
- 拉致に関しては、国民を守る国としては当然のことなので、それは当たり前という感が強い。
まとめ
主に、原発と外交に絞ってみた。雑感だが、概ね正しい、しかし、若干抜けているヶ所も見受けられる。それらは、国民の生活が第一の政策を継承するなり、予算を確保して福島の人々の避難を実現するなりしていただきたいという感じが強い。概ね正直に書かれていると感じる。無理なこと、今は言えないことは書いていないと思う。例えば、すぐ廃炉は、現状では技術がなく無理なので書いていない、停止とは言っているとか、予算を確保しないと出来ない大規模避難については明言せず、賠償と言う言葉にしている点は、恐らくは、それだけの規模の事を想定していることの裏返しであると自分は見ている。見ていて安心できる内容だ。今度の選挙で政権をとったら、ぜひ、着実にやってもらいたいと思う。