SKY NOTE

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バイオディーゼルについて

なぜ?バイオディーゼルなのか
 
1.ほぼ全分野に使えるディーゼル燃料
ディーゼル燃料は、車、船舶、農業機械、列車、ボイラー燃料と、ひとつの種類の燃料で、ほぼすべての分野に使える燃料だ。つまり、二酸化炭素をださないディーゼル燃料が作れれば、現状の設備を更新せずとも、その燃料を使うだけでカーボンニュートラルにできるのだ。この事によりスムーズな移行が約束される。
 
2.効率の悪いエタノール
一方、エタノールは、現状の設備をエタノール用に更新せねばならない上に燃焼熱量が石油に比べて2/3程度と低い、その上、生産効率も悪い。つまり、新たな設備を必要とすることは、高コストであるのみならず、それを生産するために二酸化炭素も余計に出てしまう。
 
3.移行がスムーズにできるバイオディーゼル
よって、スムーズかつ、効率的に移行するのに最適な燃料はバイオディーゼル燃料と言える。最近、アマゾンで発見された真菌、グリオクラディウム・ロゼウムは、植物のからだの主成分であるセルロースから直接、軽油に極めて近い成分の炭化水素(石油)を作りだすという。
 

グリオクラディウム・ロゼウム (写真はWIRED Visionより引用)

 
必要なブレークスルー
 
0.大量の藻を海で栽培する技術
日本の海は広いが、しかし、藻を栽培できる浅瀬は限られている上に、それらの海は豊かな漁場でもある。故に魚の生態系への影響を最小限に食い止めながら大量の藻を栽培する必要がある。それは植林と同じ発想でいいと思う。なぜなら、日本の森のほとんどは、自然林ではなく人工林である。それでも、その森に動物は生きている。それに海の炭酸化を防ぐという目的もある。陸上には森を海中には藻を育てることで、二酸化炭素の影響を最小化し、尚且つ、バイオ燃料の原料を確保する。
 

 
1.セルロースから直接、バイオディーゼル燃料を作る酵素を開発
この真菌をDNA解析し、植物の持つセルロースから直接、石油を生成できる酵素が作れれば、高い収率と熱量を持つバイオ燃料が手に入るという公算になる。
 
2.塩分を含んだ藻類から効率的に発酵できるプロセスの開発
材料となる植物のセルロースは大量に必要となるので、日本では陸上の土地が狭くて必要量を作るには海しかない。であるため、塩分を含んだ藻から効率よく発酵する生産プロセスが必要となる。
 
3.発酵プロセスに使う燃料は稲わらを使う
稲わらを使うのは、水田にワラを残しておくと、それが腐って大量のメタンガスが出るからである。そこで稲わらを発酵用燃料として活用することで、水田からのメタンガスの発生を抑えると同時にカーボンニュートラルな燃料としても使う。これは単にボイラーだけ。必要なのは予算
 
4.燃やした稲わらから出るCO2を使ってスピルリナ(藻の一種)を生産する。
スピルリナはとても栄養価が高く、家畜の飼料として有望なのだ。これにより、輸入飼料を減らし、食料自給率をアップできる。これは既に実用化段階で、必要なのは予算だけ。
 

 
5.バイオ燃料生成時に発生した廃液からメタンガスを作る
発酵プロセスで生じた消化液をメタン発酵させる。これは高速に(1日で)発酵する技術が既にあり、必要なのは予算だけ

鹿児島県霧島市にある実証試験プラント(写真は下記PDFの39ページを引用)

 
このプロセスから得られるメリット
・温暖化の抑制
 ・二酸化炭素を削減
 ・水田のメタンガスを抑制
 ・新たな設備を必要としない分、生産に必要な燃料を削減できる
・エネルギー自給率改善
 ・バイオディーゼル燃料の生産
 ・バイオガスの生産
・食料自給率改善:スピルリナの生産
・海水の炭酸化の抑制:藻が海中に溶け込んだCO2を吸収するから

  • 海水が炭酸化すると、プランクトンの殻が溶けてしまい魚がエサを失って死んでしまう