SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

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個々の利己主義が全体の破滅をもたらす

個々の利己主義が全体に破滅をもたらすのは、個々人が過剰防衛をする事により、全体に対するダメージの相乗効果が生じる為である。

例えばGMの場合、従業員は、強い労働組合によって高い給料、高待遇な医療保険、各種の高待遇によって会社を食い潰し、経営者はプライベートジェットなどを贅沢に使って経費を無駄遣いしている。経営者、従業員、共に会社を食い物にして、現在の惨状に至った。彼らに足りなかったのは、全体を俯瞰し、お互いに譲り合う姿勢である。これは、2000年以上前から、教訓とされてきた亊だ。

キリスト教
「汝、両の手に余るものを持つな」

お互いに譲り合えば、結果としてリスクは分散され、個々のダメージが矮小化される事で、不安も少なくなる。不安が少なければ、心に余裕が生まれて、結果として過剰防衛の負の連鎖を断ち切る事が出来る。

これは、街角を歩く人に言える。日本は道が狭い、だから、お互いに譲り合って歩く、それによって、個々人が、ぶつかることなく適度に往来できるバランスを保っている。もし、全員がヤクザみたいに、ぶつかっただけで、医療費払えだの、損害賠償代だのと言い出したら、道には誰も歩かなくなってしまう。これが現在の金融危機の問題の根底にある。銀行は、自己資本比率11%を守る為にちょっとでも企業に問題があると、すぐに貸し渋ったり、貸しはがしをする様な暴挙に出る。

それを俯瞰してみると結果として景気を悪くする(株を安くする)元凶になっている。今回の不況では日本は目立った不良債権はない。その点から見れば、日本は株価の含み損しかないわけであり、諸外国に比べれば軽微な被害にとどまっているのだ。

自己資本比率が変更できないにしても、黒字企業を締め付ける事によってよりいっそう国内の景気を悪く(株を安く)したら、奈落の底に落ちるのは、貸し渋りをされた企業のみにならず、金融機関も同様に問題(自己資本の目減り)となるのである。大手金融機関は、バブル崩壊の時に国民に助けてもらった恩を忘れないで欲しい。自己資本比率を守る時に、安易に恐怖に支配されないで、「待つ余裕」をもたないといけない。僅かな余裕すらも失ったらそれが原因で、負の連鎖に捕まる。

この負の連鎖のメカニズムは、
1.余裕を失う→状況が好転するまで待てない→焦る→極端な行動に出て失敗する。
2.失敗する→余裕を失う→1にもどる。

バランスのいい中道を避ける事により、極端な選択肢を常に選び、結果としてリスクに捕まっていく悪循環に支配されるのだ。リスクを避けようと極端な行動に至る最悪の行動は、戦争である。しかし、戦争が何の解決にもならない様に、黒字企業に対する貸し渋り貸しはがしも、それは俯瞰してみると、優良な企業すらも不良化させて、破綻に導く事で、自分で自分の首を絞める結果となる。

可能な限り、銀行は連携して黒字企業に対しては、融資をしていくべきである。個々の利己主義が全体に破滅をもたらすのは、自分だけ生き残ろうとして、全体で破滅に近づく愚行をしている。道を譲り合って歩く様に、バランスをとれば救われる道を自ら捨てて破滅へと向かう愚行に支配されるのは、利己主義の視野の狭さの成せる技である。