SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

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GM救済策について

GMにつなぎ融資をするとブッシュ政権が発表した。破産法の適用は避けられたが、それも3ヶ月までという亊らしい。3ヶ月以内に新たなリストラ案を提出が求められる。

米自動車大手に総額174億ドルのつなぎ融資 ブッシュ大統領
http://www.nikkei.co.jp/news/main/im20081219AS2M1903G19122008.html

つまり、問題は3ヶ月後に繰り越されたという訳だ。そこで、ビッグスリーがするべき三つのチェンジを書いてみた。これらの提案は中長期的なものであるが将来を示す意味で重要な意味を持つ。将来性があれば銀行もお金を貸してくれるのだ。

1.まず経営思想を変えろ!
アメリカ自動車業界が、日本メーカーと戦う為には、アメリカ型経営をビックスリーがやめる必要がある。なぜなら、「お客様第一」の日本メーカーと対等に戦う為には、「収益第一」のアメリカ型経営では太刀打ちできないからだ。

2.技術を変えろ!
また技術面の刷新はシリーズ型ハイブリッド車の早期の市場投入が望まれる。GMは既にVOLTを開発しており、この車の市場投入を前倒しするべきだろう。プリウスの様な旋風を起こせれば、その流れに乗って再建できる道筋が見えてくる。

シリーズ型ハイブリッドはエンジンで発電して車を走らせる電気自動車である。この手法のいい所はプリウスなどに比べて摩擦損失などが生じるギアなどが必要なくメカが単純である亊である。結果としてプリウスよりも大幅に燃費がいい車が作れる点と、燃料から発電するので電池がなくなっても立ち往生する必要がない事である。

GM 「VOLT」 写真はNEONLINEの記事から(写真をクリックすると拡大します)

GM社、プラグインハイブリッド車「Chevrolet Volt」の量産モデルを公開
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080918/158205/

プラグインハイブリッドの先駆け
http://www.designnewsjapan.com/magazine/2007/05cover_02.html

車の二酸化炭素をゼロにする(電気自動車のメリットを説明している)
http://d.hatena.ne.jp/skymouse/20080627/1214498908

3.労働コストを変えろ!
アメリカの全米自動車協会の力は強く、非常に高待遇の医療保険や、やめた従業員に対する失業手当など、贅沢な労働コストになっている。非常に高待遇な医療保険はこの際廃止して、オバマ政権が進めるとしている国民皆保険に将来的に統合する方向で話を進め、また、やめた従業員に対する極めて長期の失業手当も休職中の従業員に対して所得を補償する慣行も廃止(会社が倒れかけている時に働いていない人の分まで金を払える訳がない)莫大な債務は、その一部を債権者が放棄する事を求める。

絶望的な粗利益率、数字で見るGM凋落の道
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20081218/180654/?P=1

まず、アメリカ型経営は、お金と人の主従関係が逆転しており、収益を維持する為に安易にリストラするなど人を粗末にする。この様な思想では、お客様を大切に出来ない。私がソニー製品の質が落ちたと思い出したのは、ソニーがアメリカ型経営を採用し始めた頃からだ。基本的に人間を粗末にする思想では、最高の製品を作る事は出来ないし、歴史を見ても金で雇われる兵隊で構成される軍隊は、最低の軍隊である。なぜなら、金次第で簡単に裏切るから。(アメリカ型経営は、小早川秀秋の集団を作る様なものである:優秀な社員がすぐにヘッドハントされる)もし、企業の戦いが戦争だとすると、アメリカ型経営による企業は、最低の軍隊と言える。逆に最高の軍隊は金ではなく思想で結びつけられた組織である。フランス革命後の義勇兵が、これに相当する。金ではなく思想で結びついているので、裏切らないし、全力で戦う。企業で言えば過去のソニーがそれに相当する。ソニースピリットがあり、それに基づいて、革新的な製品を産み出し成功を収めた。今のソニーの製品にスピリットは何も感じない。あるのは収益を狙った嫌らしい製品ばかり、そういう製品には何も感動しない。逆にアメリカが手を焼いているテロリスト、アルカイダは、ある意味、最高の軍隊である。彼らを見ると分かる通り、思想で結びつけられた軍隊は小規模であっても一国を揺るがすほどの力を持っている。善悪は別として、その実力は正確に評価せねばならないだろう。皮肉な事に最強の組織が必ずしも良い事の為に運営されている訳ではない現実がある。

このような戦争から導きだされる認識から言うと、アメリカ型経営は最低の軍隊であり、やめるのが正しい。マネジメントの概念も本来のルーツは、軍隊から来ている。よって、これは間違った解釈というよりも、これが本来の解釈と言ってもいい。

戦争で勝つ論理で言えば、各個撃破が基本であるからして、日本メーカーが出していないシリーズ型ハイブリット車を出すのは戦略的に正しい判断だと思う。つまり、敵の手薄な所を攻めて勝つ、また軍隊は最悪の金食い虫であるから、継続できなければ、兵糧が尽きて負ける。よって、無駄な待遇は、この際、排除しして、日本メーカーと同等のコスト体質にし、継続して戦える布陣を作らなければいけない。その為には、一部の債務は、ある程度放棄してもらう様な形が望ましい。しかし、まぁそれが出来ないから困っていると思うのだが、オバマ大統領は国民を味方につけて、全米自動車協会などを説得する形に持っていって、アメリカの自動車業界を再建して、経済を立て直してもらいたい。それがひいては、この金融危機から世界が脱する機会ともなり得る訳であり、オバマ大統領には、それを人々に納得させるだけの可能性がある。もし、それが出来れば、彼は初の黒人大統領としてよりも、偉大な大統領として歴史に刻まれる亊だろう。未曾有の金融危機から世界を救った大統領として...