SKY NOTE

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新しい内需としての風力発電

輸出に頼れない以上、内需に頼るしかない。しかし、日本は、あらゆるモノが充足しており、ある意味、市場が飽和していると言ってもいい。

そこで考えられるのが、環境産業だと思う。太陽光はまだ、1kwhあたりのコストが電気料金を上回ってしまうが、風力発電は風さえ良ければ、1kwhあたり10円程度で発電できるという。風の状況の良い所を厳選して、風力発電所を建てれば、二酸化炭素を出さない新しい電力となる。

ドイツなどでは風力発電が普及しているが、なぜ日本で普及していないのかというと、NHKの番組によると電力業界が猛反対したからだという。そして、その結果、売電単価が非常に低く抑えられてしまい、採算に合わなくなってしまって巧くいかなかった。電力業界が懸念しているのは、風のムラに対して追従する電力調整の難しさだという。しかし、ドイツも同じ様な心配をしていたが、ある一定以上の規模の風力発電所を作ると、その心配はなくなったのだという。なぜなら、特定の場所にしぼると、風はムラがあるが、複数の場所にあると、必ずどこかで風が吹いており、その結果ムラが吸収され緩やかになるのだと言う。つまり、場所を分散して規模を大きくしてしまえば、それほどムラの懸念は少なくてよいのだという。

電力供給のムラを問題にするならば、問題は規模なのだ。そこで自分が提案するのは、ガソリンの暫定税率2兆円の一部を運用する事である。暫定税率2兆円の内7000億円を風力発電所建設の為の長期無利子融資枠(20年間)としたらどうだろうか?

つまり、無利子融資制度によって発電企業は非常に有利な条件でお金を借りる事が出来、国は景気対策が出来る。労働者には、新しい仕事が生まれ、未来の子供達には将来のエネルギー源が手に入る。

この風力発電所の規模は年間35億kwhを発電し、これを石炭に換算すると、145万トン、二酸化炭素348万トンに相当する。石炭のスポット価格が85ドル(7650円 1ドル90円)と換算して110.9億円分の石炭の輸入量が減る。7000億円の融資に対して少ないと思われるかもしれない。しかし、この設備は20年間使うと計算すると面白い計算になる。

石炭換算 :110.9億円×20年間=2218億円
排出権  :348万トン×5000円(排出権1トンあたり)×20年=3480億円
石炭価格+排出権=5698億円

風力発電所(7000億円分)の20年間のトータルコスト
発電換算   :35億kwh×20円×20年間=1.4兆円
風力の利益  :1.4兆円-7000億円=7000億円の利益
石炭火力の利益:1.4兆円-5698億円=8302億円の利益-石炭火力発電所のコスト

単に石炭の消費だけだと、圧倒的に石炭火力発電の方が安いが、これに排出権が加わると、途端にその差は小さくなる。もっと言えば、排出権価格が5000円より上回ってくると、この差は逆転し、風力発電の方がむしろ儲かる計算になる。オバマ政権になって、アメリカが環境政策を本格化すると、当然世界的な排出権市場を作る事を提案して来るだろう。つまり、同じ競争条件で戦おうという意見である。それはもっともな意見であるから、当然日本もやることになる。そうなったとき、大量に二酸化炭素を吐き出す火力発電よりも風力発電の方が利益が出る可能性は高い。その上、政府が無利子でお金を貸し付けてくれるというのならば、この話に乗らない手はないと思うのだ。

日本が風力発電をするメリット(7000億円融資した場合)
・自前の電力が手に入る。(毎年35億kwh 20年間700億kwh)
景気対策になる(中長期的な雇用を確保できる。毎年風車を作る)
二酸化炭素が減らせる(年間348万トン:石炭火力換算)
・石炭を輸入しなくていいので貿易収支がその分黒字になる。
 20年間で2218億円相当(石炭1トン85ドル/1ドル90円 年間110.9億円)
・排出権を払わなくていい(20年間:3480億円 排出権5000円/t)

無利子融資のメリット
・最終的には返済されるので、原理的にはタダで景気対策が出来る。
 地方の道路なんぞ作って、採算割れをするよりもマシだと思う。

風力発電のデメリット
・騒音(民家の近くには建てられない)
 マグナス風車の様な騒音の少ないものを使うという手もある。
・落雷・台風などで倒壊する事がある。
 特に外国製の風車は日本の気候風土に弱い

そんな中で私達が何が出来るのかというと、次の選挙で自民党の様は企業よりの政策を実行する政権よりも、一般民衆よりの民主党政権を選ぶ事である。風力発電が普及しなかったのも発電業界に逆らわずに従って売電単価を大幅に削る様な政権であったからであり、企業にきちんとノーと言える政権が必要だ。最近の企業は、簡単に労働者を首にするなど驕りが甚だしい。ここいらで軌道修正しないと、日本は環境もダメ、雇用もダメ、ダメダメづくしになってしまう。

既得権(企業)に対して、きちんとノーといえる政権を選ぶ事、それが必要だ。

企業の経営者の方々に一言
「過去にしがみついても何の解決にもならない、なぜなら、新しい市場を創出し、内需を拡大しなければ、現状を打破できないからだ。輸出に頼れない以上、それしかない」