私は当たり前のことを言っただけなのに、それを聴いた人間が大成功するのは、多分、当たり前のことが実は大切なことなのだろう。
人は当たり前のことを分かっているつもりだが、それを実践することが、実は大成功の秘訣だったりする。なのに、人は成功者に、なぜあなたは成功したのかとよく聴くが、実は、彼らが成功したのは多分、多くの人々が分かっている「つもり」である当たり前のことを実践したからにほかならないのだ。
私はお客様の立場に立ったり、あるいは、相手の立場に立って考えるとか、そういう事を比較的具体的に細かく忠言した。その忠言を元に行動した人間が大成功をしたのを見て、あぁ当たり前の事って凄いんだなと、自分が言ったのに相手の出す結果で分かるという逆転現象を起こしてしまっているのが、我ながら滑稽である。ただ、人が自分の忠言を聞いて成功するのを見ると、とても誇らしい気持ちになる。
私は行動力はないが、行動力のある人間にどのポイントに目を付けるべきかという事を説明したとき、大きな成功を産んでいるので、なんだかそういう運というか星の下に生まれついていると感じる事がある。何せ、自分は大したことを言っていないのに、それに基づいて行動している人間が大きな結果を出すので、びっくりする。
また、自分は大体、相手の成功を意図して主張した訳ではなく、自分の感じたままそのままの事を喋った時にそうなるのだ。そして、それが後になって、あぁあれが、こうなったのかと気づくのである。ある種、天然ボケである。感じたままそのままを喋ったら、それを聞いた人間が成功したという、偶然にも近い成功。
だから、自分は成功しないのに他人は成功させてしまう。なぜなら、成功を意図して行ったのではなく、私の意図せざる所から、相手が私の意見を引き出して結果を出しているのである。そういう意味では、彼らが優秀なのである。彼らは私の目を通して成功をつかみ取った感がある。私は目があっても、素通りばかりしている様に感じる。本質を見抜く目を持っていても、行動力が伴わなかったり、それが凄い事だとは思わないので、素通りしてしまう。それを素通りせずに実行した人間が大成功を治めている。だから、当たり前の事ってとても大切なのだ。
「当たり前」は、実はダイヤの原石なのである。でもいくら原石を持っていても、そこからダイヤを取り出し磨かなければ、それはただの石コロ。私はそういう意味では石ころを沢山揃えているが、磨いていないのである。たまたま他人が磨く事で成功を手にする。
そういう意味で私の目（当たり前の感覚）は「珠も磨かずば光るまいに」と言う様な状態なのだろうと思う。他人の成功という珠玉を見ていてそう思う。
