SKY NOTE

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Appleが電気自動車を作る話題について

Appleが2020年を目標に電気自動車を作るという話題について考えてみた。電気自動車というものを見たとき、コストダウンのためにモジュラー設計になる事は明らかで、それはPCに似てくると常々思っていた。そこへAppleが自動車を作るという話を聞いて思ったのは、自動車に水平統合の時代が来るというものだった。

水平統合とは、規格でパーツの仕様を共通化(水平化)して、組み合わせて作るというものである。これはグローバル企業がよくやる手法で、同じ規格であれば、どんなメーカーから買っても仕様が共通化しているので、安くて品質の良いメーカーからパーツを購入して製品を仕上げる。グローバル競争によって創りだす。その流れが自動車に投入されるという事になるだろう。

その結果、車は安くなり、それがアップルのデザインする美しい形となって現れるという。水平統合モデルはAT互換機と言われる規格化されたPCの事を思い起こされる。当時、日本ではNECのPC98が圧倒的な強さを誇っていたが、今やNECのPCなど、見る影もない。それだけ水平統合とは恐ろしいものなのだ。まるで世界を全てつないだ。超大企業が生まれたような形となって、どんな大企業も中小企業のようになってしまう。恐らくトヨタですら、そういう中小企業のように戦うことになるだろう。

トヨタは、車にこだわらない方がいい、ホンダのASIMOのようにロボットを作るべきだと思う。トヨタのような巨体を支えるには、今後急激に進化するAIの身体となるロボットを作るべきだと思う。というのは、車は恐らくAppleによって水平統合の波が訪れ、コモデティ化して安くなる。高級自動車メーカーの人材を引き抜いているのでクオリティもそれほど低いものにはならないだろう。そうなったら、トヨタは自らの巨体を支えられなくなる。車に併設した新しい事業が必要になる。水素自動車なんて作っている暇はない。モジュラー化した電気自動車を2020年までに作ってくるであろうAppleに備えなければいけない。

さて、トヨタが心配になったが、Apple電気自動車も面白いので、そっちに戻ると、どんなものか考えてみると、屋根は半透明のソーラーパネルが搭載されていて、曲面デザインが多様化されている4人乗りのワゴンタイプ、赤外線と可視光センサがセットになったカメラが4方向に搭載されていて、障害物や人間を感知し安全な運転を実現するナビゲーション機能。電子制御のブレーキなど、様々な機能が搭載されてくるだろう。当然、車載データの表示にはiOSが使われ、自動車の制御部分には自動車に特化したOSが搭載されるだろう。ボディは、ポリマー製で軽く、インホイールモーターでエンジンルームがないのでコンパクトなのに室内空間が広い。バッテリーは後部荷物室の底に配置されているだろう。恐らく、積水化学が作った大容量のバッテリーのようなものを使ってくるだろう。

 リチウムイオン電池の容量が従来比3倍に、積水化学がゲルタイプ電解質を新開発
 http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1312/03/news105.html

小型車並みにコンパクトなボディに4人乗りのセダンクラスの居住空間、ポリマーボディによって軽量化された半透明の曲面ボディに太陽電池が搭載されていて、インホイールモーターを搭載したクールな電気自動車。車体重量は600kg程度しかなく、航続距離は通常の車と大して変わらない。広島大学が作ったナノ配向結晶体というプラスチックの結晶化率を高めた超プラスチックを使えば、車体重量が半減でき、コストも金属ボディよりも安く出来る。高度にモジュラー化され、低コストに生産できるようになっており、駐車している時には太陽電池のバッテリーとなり、スマートグリッドの一部となって機能する。現在の車をフルスクラッチで捉え直したものが出来るだろう。

 Apple電気自動車(妄想モデル)こういうのがすぐに出てくる。
 

そういうものが出てきて、皆がAppleの車を買うようになったら、トヨタやホンダもうかうかしていられないという事になるのかもしれない。しかし、最初は高価な製品を投入して、それほどインパクトはないのかもしれない。ただ、Appleが目指しているのは、コンピューター部門に匹敵する新たな経営の柱とするのは明白なので、彼等が単なる高級品ではなく、ある程度の規模を伴った量産モデルを出してくる可能性は十分にある。大きくなったAppleという企業体を支えるには、別の大きな市場が必要になったということなのだろう。多分、Appleからしてみれば、伝統的な自動車メーカーが酷く古臭く見えているに違いないのだ。そこへ革新をもたらせば、自分たちに好機が訪れるという事を目論んでの参入ではないかと思う。

トヨタやホンダは、中途半端なハイブリッドカーを作っている暇はなくなった。完全な電気自動車を作り、それをAppleよりも早くモジュラー構造にして、できるだけ安く出来る体制を整え、製品デザインも斬新なものにしないと、Appleに市場をかきまわされて、ヤラれる可能性があると思う。というのは、未だに金属ボディ、未だにエンジン、未だに中途半端なメカニカル構造とレガシーを引きずってる自動車産業は、Appleにとって、市場参入の余地があると見られているに違いないからだ。