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Appleの動向からその将来戦略を読みとく 2015.3現在

Appleの動向から、同社の戦略が間接的に見えてくる。まずは、電気自動車を2020年までに発売するという話。200人以上が、自動車チームにいるとのこと、そこには、バッテリーやロボット工学のエンジニアなどが含まれているという。プロジェクト名は「Titan」と言われ、ミニバンに似た自動車を設計しているという。

 Apple電気自動車、2020年の生産開始目指す、海外メディア報道
 http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/022300639/

このプロジェクトを率いているのは
iPodiPhoneの開発チームに主導した製品デザイン担当Steve Zadesky氏と、Appleが2014年9月にメルセデス・ベンツから引き抜いたJohann Jungwirth氏、Fordのコンセプトカーなどを手がけたことで知られる著名な工業デザイナー、Marc Newson氏が加わっている。つまり、自動車の専門家とITの専門家がタッグを組んで、それがロボット工学の専門家も含めてミニバンに似た車を開発している。

自分は、このミニバンという形状を見て思ったのは、自分がEVを設計する上で、最も軽くて室内空間が広い形としたら、どういう電気自動車だろうかと考えると、形状がミニバンなのだ。というのは電気自動車インホイールモーターを使うと、従来の車のように先頭にエンジンを置くスペースがいらない。それを省いて、室内空間を広くし、ボディをポリマーで作れば、室内空間が広いのに、車体の重量は従来の半分程度の電気自動車が作れる。つまり、Appleが作っている電気自動車は、従来よりも飛躍的に航続距離が長いミニバンタイプの電気自動車と予測できる。

Appleの自動車の予想
予想のもとになっているのは、SIM Driveの最新型電気自動車「SIM-HAL」の動力変換効率、日本の電気自動車の開発で最も問題なのは、金属ボディを使っているために重くて航続距離が一般自動車に劣る事、国内にNOCという新しい低コストな高強度プラスチック技術があるのだから、それを活用していないというのが問題。その点、Appleは最新テクノロジーと最も効率のいいボディを設計してくると予想されるため、室内空間はセダン並みで車体重量は600kg程度のミニバンタイプのものを作ってくるだろう。

SIM-HAL(http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1404/02/news022.html
 
 写真:http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20140401_642187.html
 車体重量:1510kg
 電池容量:35.1kWh
 走行距離:404.1km(JC08モード)
 動力効率:11.42km/kWh

この動力変換効率:11.42km/kWhというのは、重さが600kgになれば、航続距離は2.5倍になるので、28.55km/kWhとなる。それを基準に計算すると、以下のようになる。

Apple電気自動車の性能(予想)
 形状:ミニバンタイプ
 電池容量:28kWh(推定62kg位)
 車体重量:600kg
 航続距離:800km
 効率  :28.55km/kWh
 駆動部:インホイールモータ
 電子制御によって自動運転が可能(ソフトウェアで進化する自動車)

バッテリーも積水化学が作った900Wh/Lの様な最新のものを採用してくると思う。もし、積水化学のものを使った場合、28kWhは、たった31L程度の容積しかない。これは、ミニバンタイプの後部の荷物置き場の床(120cm×70cm×3.7cm)に収納できるコンパクトさだ。恐らく電池の重量は60kg程度だろう。この電池は、ゲルタイプであるので従来のリチウム電池と違って空気とリチウムが反応して爆発するということがない。つまり、後部座席に電池を置いて後ろから追突されても、火災の心配はない。それが様々なセンサー技術とAIテクノロジーによって自動運転できる電気自動車となっており、OSのアップデートをするたびに賢くなる自動車というものになると予想する。

さて、この自動車をどこのメーカーが作るのか?それは恐らく、従来の自動車メーカーではなく電機メーカーだろう。それを自分はPanasonicだと見る。というのは最近、Panasonicの工場跡地にAppleが開発拠点を作るという。

 Appleの横浜の開発拠点
 
 アップルの横浜研究開発所、その全貌が明らかに!
 http://www.gizmodo.jp/2015/03/post_16803.html
 
 Apple、横浜のパナソニック跡地を取得へ=朝日新聞
 http://ringo-sanco.com/2015/03/13/apple-yokohama/

記事によれば、横浜市港北区に38000平方メートルのPanasonicの工場跡地の3区画の内、1区画をAppleが買収する予定という。Appleは2014年12月に研究開発拠点を横浜に設けると発表しており、早ければ4月にも開設するという。このニュースで日本で開発する理由はどこにあるのかと疑問に思った。そこで考えられるのが、Panasonicとの広範な提携ではないかと自分は予想する。Appleはホームキットという家電と連携するソフト技術をもっているが家電製品はノウハウがない。方やPanasonicは家電の技術を持っているがソフトには弱い、相互の弱点を補うには、ApplePanasonicは理想的な相互補完関係にある。また、恐らく電気自動車を生産できる電機メーカーとしてもPanasonicは理想的だ。電池やモーターノウハウがあり、ハードを作る技術は高いものを持っている。つまり、日本の横浜の開発拠点というのは、日本で電気自動車を作るつもりだと予想する。つまり、PanasonicApple連合の自動車メーカーが誕生するのではないかと予想する。そして、同時に車は家電製品の一部となり、それらがAppleのホームキットと連携し、太陽電池で発電した電気を電気自動車のバッテリーに貯めて、ホームキットで制御するような未来のライフスタイルが予想できる。

 AppleTV Homekitの予想図
 

最近、Panasonicが自動車、住宅分野で1兆円の戦略投資枠を設定して今後の成長につなげるという発表があった。
 
 パナソニック、車・住宅でM&A加速 戦略投資枠1兆円(2015.3.26)
  
 http://www.nikkei.com/article/DGXLASDC26H14_W5A320C1EA2000/

記事によると、M&Aや大型の工場建設を2015年度に2000億円を振り向けるという。従来の設備投資と合わせると4800億円となるという。また企業買収については「数百億円規模が基本だが、1千億円単位もあり得る」(津賀社長)との事。

これらのことから察するにApplePanasonicが水面下で電気自動車や新しい家電の開発を行っていると見る。そして、その開発拠点は横浜になるのだろう。6月に発表されるというAppleTVのHomeKitの中身が興味深い、もしかしたら、そこでPanasonicとの提携が発表されるかもしれない。