約1Mbps程度で、音質劣化のないハイレゾ音源を記録できる「MQA」(Master Quality Authenticated)フォーマットを英メリディアン社が2014年12月に発表した。
1Mbpsでもハイレゾ伝送、新ロスレスフォーマット「MQA」をメリディアン創設者に聞く【試聴レポート有】
http://www.phileweb.com/review/article/201501/14/1496.html
日本では、ONKYOが対応製品を開発すると表明した。
ONKYO
「今後のハイレゾ戦略を強力に推進する有効な技術として高く評価」
対応する AV 機器およびソフトウェアの開発を進める
なので、ONKYO製のMQA対応USB Audioが出てくる可能性が高い。既にMQAを開発した英Meridian社が対応USB Audio機器「Explorer2」を発売している。日本ではハイレス・ミュージック(株)が取り扱っている。
英Meridian、MQA対応USB-DAC兼ヘッドホンアンプ Explorer2 発売。
初のMQAデコーダー搭載製品
http://japanese.engadget.com/2014/12/09/meridian-mqa-usb-dac-explorer2-mqa/
Exproler2
英 Meridian USBバスパワーで駆動するUSB-DAC兼ヘッドホンアンプ
MQAのデコーダーを内蔵し、最大192kHz/24bitのハイレゾ音源再生に対応
MQAの仕組み
- MQAフォーマットの仕組みは、まずCD音質(恐らく16bit/24kHz)のPCM音源を格納し、それに追加メタファイルでbitを追加したり、再生周波数を上げる情報を組み込むようだ。メリディアンをこれを「Encapsulation=カプセル化」といい。また、このような構造なので、MQAに対応していない製品もCD音質(PCM音源)ならば再生できるという後方互換性のあるフォーマットとなっている。MQAは、ALAC、FLAC、WAVなど既存のデータコンテナに格納可能で、MQAに対応しない機器で再生した場合、追加データは無視されてCD音質になる。
- さらにMQAでは、リニアPCM方式の44.1kHzから768kHzまで対応し、低遅延であり、ロスレスで完全なハイレゾ音源(24bit/96kHz)を約1Mbpsに折りたたんで格納する。これを開発会社のMeridian社は、“オーディオ折り紙”と呼んでいる。これほど圧縮できた理由については、メリディアン社は...
- 引用元:http://www.phileweb.com/review/article/201501/14/1496.html
- 従来の PCM 方式では音声をデータ化する際「音のない部分」もそのまま保存していました。しかし、MQA ではこの部分をデータとして保存しないことでデータ容量を縮小する手法を採用しています。周波数が高くなるにつれこの無音データの割合は大きくなるため、結果としてハイレゾ相当の音質をもつデータでも劇的な小容量化が可能になったとしています。
- ...と述べている。フォーマットの仕組みを考えるに、従来機機で再生できるとのことだから、母体のデータは通常のCD音質の圧縮データであり、大事なのは、追加データがかなり小さい事なのだ。音が存在しない部分は無視して圧縮するとの事なので、何らかのビット数、あるいは時間軸方向のデータの予測が出来、その予測の範囲内にbitをコンパクトに折りたたむ形で、追加ファイルの容量を減らし、1Mbpsという非常にコンパクトな帯域にファイル容量を押し込めていると考えられる。通常、ハイレゾステレオ音源を記録しようとすると4608kbps(4.6Mbps)であり、CD品質の音源(16bit/48kHz)だって1536kbps(1.5Mbps)なのである。MQAのCD音源は、恐らく16bit/24kHz程度と思う。それに圧縮をかけて375kbps位に抑え、残りの625kbpsでハイレゾ音源にしているように思える。
このフォーマットの素晴らしいところは、ロスレスでありながら1Mbpsとコンパクトな点です。このスペックが何を意味するかといいますと、単に容量が小さいだけでなく、Bluetoothで転送できる事です。Bluetooth2.0 EDR規格には、下り2178.1kbps/上り177.1kbpsという非対称通信モードがあり、このモードを使えば、MQAフォーマットでロスレスの高音質でワイヤレスなヘッドフォンやBluetoothスピーカーが使える筈です。オーディオメーカーのOnkyoが高く評価したのは、この点にあると思われます。
Wikipedia:Bluetooth
http://ja.wikipedia.org/wiki/Bluetooth
SONYのLDACは最低ビットレートが333kbpsなので、容量をコンパクトにしつつ、ハイレゾ音源が楽しみたい場合は、こちらの方がいいでしょう。ですが、オーディオファンであれば、音質劣化がない1MbpsのMQAを選ぶでしょう。恐らくAppleが採用するとしたら、MQAとなると思います。
自分のオーディオの最初は家にあったレコードステレオプレーヤーでした。でかい卓上の真空管の入った古いやつで、それでユーミンの「手のひらの東京タワー」を聞いて、なんだかいいなと思って聞いていたものです。(音楽を聞いて涙ぐむとか、そういう事ってCDが登場してからなくなったと思います)ですが、同じ曲を単品コンポを揃えてCDで聞いても全然感動しなかったので、単品コンポを売っぱらってCDラジカセで手軽に音楽を聞いていました。今はMac miniに安物スピーカーをつなげて聞いています。当時は、なぜ感動しなかったのか分からなかったのですが、ハイレゾ音源の音を聴いた時「これだ!」と思いました。つまり、昔のレコードで感動した音がハイレゾ音源にあったのです。というわけで、目下の目標はハイレゾ音源の確保、しかし、ハイレゾ音源は容量が大きくて、ワイヤレスに出来ない、ストレージを食うなど不便でした。しかし、MQAであれば、その問題は解決します。音質劣化なしで。そう考えると、音楽がやっとホットになると思えます。CDの音で感動することはないですが、MQAで私は感動する音を手に入れられると思っています。そういう意味で、このフォーマットは素晴らしい。私の好きだった音楽が帰ってくると思っています。