SKY NOTE

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「分かりやすさ」は「みんな」と同等の価値を持つ

今、TPPについて、多くの人が、この国の法体系、及び、産業、雇用を壊す事態であることを理解できていないのは、偏向報道によってTPPについて知らないからであるが、何より、ソレを「ひとごと」だと思っているきらいがある。「ひとごと」だと思っていられる理由は、彼らが物事の正否に「論理」ではなく「みんな」という集団の合意に正統性を置いているからである。

集団の合意が成立しておらず、論理だけでは彼等は大抵動かない。だが、池上さんのように論理的に分かりやすく説明すると、その壁を突き破れる可能性がある。あるいは、権威を集団の合意と見做して正当化するのが日本の今の状態である。つまり、分かりやすさが集団の合意や権威と同等の価値を持っている。それも単に分かりやすいのではなく、具体的でリアルでないといけないのだ。

だから、TPPについても、論理的かつリアルに説明することが必要で、それは、海外の自由貿易の実例を交えて、的確に説明していくことが求められる。そして、それをツィッターなどで拡散して世の中に広める事が必要になる。難しいことを難しいまま理解できる人は稀で、全体の1〜2割程度である。8割の人は、「分かりやすさ」を必要とする。

雑誌のように、図解付きで全体を分かりやすく網羅する内容が必要であるが、TPPに関しては、ここが若干弱い。特にリアルな説明というところが十分にできていない。だが、単にリアルな説明をすると、情報量が長大になってしまうため、要点を絞って説明する必要がある。また適切なメディアを選択することも必要だ。絵で効率的に説明できる部分と文章で説明できる部分を、上手に使い分けなければいけない。以前、原発の問題について調べていた時、短い文章と写真で効率的に説明されている方がいた。その方は、昔、海外に赴任していて、本社へ報告するために、文章はなるべく短くすることを訓練されていた。というのは、当時はインターネットなど無く、国際通信はコストが掛かり、その結果、短く要点をかいつまんで文章にする事が必要だったからだ。そして、その方は、文章で説明しにくい部分を写真を使っておられた。多くのTPPの記事で問題なのは、説明が文章のみで、図解が伴っていないことである。もっと図解や写真を効果的に使わなければいけない。

分かりやすく要点をかいつまんだ文章と図解や写真を使った効果的な説明が必要なのである。つまり、昔の電報と同じようなことが、なぜか必要なのである。インターネットで情報を大量に送信することができる時代になったが、最終的に情報を届けるのは人間の頭であり、それが受容できる容量は今も昔も変わっておらず、その容量に合わせようとすると、結果的に昔の電報と同じようなテクニックが必要なのである。それを私たちは、インターネットという大量の情報を送信できる便利な道具の為に、必要な情報をすべて送信すればいいと錯覚してしまった。しかし、それではダメだったのである。きちんと加工し短くまとめ、その上、図解を使って効率的に説明する必要は今も昔も変わっていないのだ。昔は、テクノロジーが進歩していなかったため、多くの人が、それに合わせることを強制されていたが、今は、強制されていないので、そこが甘くなってしまった。

今、Twitterで私たちがやることは、電報の時代と同じ事が求められている。短く文章をまとめ、そこで説明しにくいことは写真や図解で説明する。それが必要なのである。結局、電報の時と全く同じテクニックが今でも必要というのは、皮肉である。人間自体が進歩していない以上、技術が進歩しても必要なスキルというのは、変わっていないなと、最近、思う。