ARMが64bit CPUを発表した。今までARMは、32bitプロセッサだったが、今回の発表の製品は32bitコードと互換性を保ちながら64bit化したARM v8世代の64bitコアを搭載している。64bitになったら何が変わるのかというと、大量のデータを扱えるので、サーバや科学技術計算などの大規模処理にARMのプロセッサが使えるようになる。
後藤弘茂:ARMが次期CPUコア「Cortex-A57」と「Cortex-A53」を発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/kaigai/20121031_569691.html
北森瓦版:最初のARM v8アーキテクチャ系CPUとなるCortex-A53とCortex-A57
http://northwood.blog60.fc2.com/blog-entry-6331.html
Coretex A57(ハイパフォーマンスモデル:技術資料:ARM Coretex A57)
・同じ電力ならば3倍の性能を実現するという。
- コア単独の性能ではなくプロセス技術も含めて、3倍という話、主にサーバに向いているといえるだろう。64bitになったので、サーバのようなビッグデータも扱えるようになった。
Cortex A53(モバイル向け:省電力:技術資料:ARM Coretex A53)
・従来のARMコアの1/4の電力で同等の処理が実現できるという。
- これは、スマートフォンのバッテリー持続時間が延びたり、あるいは、薄く軽くなる効果がある。
この64bit ARMプロセッサは、クラウドのサーバのパワーを引き上げ、タブレットやスマートフォンをより強力なものとするでしょう。その結果、PCでやる仕事がなくなっていくものと考えられます。特にCoretex A53のような省電力のプロセッサがあると、非常にコンパクトなPCが出来上がります。それは、まるでUSBメモリのようになっていると思われます。
PCが変わるという意味でARMの64bit化は、注目すべきニュースです。現在、搭載コア数は4コアですが、将来的には16コアになるそうです。薄くてコンパクト、持ち歩けるPCが登場する。そして、サーバもコンパクトになりますね。そういう意味では、個人がサーバを保有する下地になるのではないかと感じます。この64bit ARM Coreが搭載された製品が登場するのは2014年ということですから、しばらく待たなければいけませんが、新しい時代が確実に来るような予感がします。CPUよりもGPUの方が回路規模が大きくなる時代に入ると仮定すると、これからはGPUが何を積んでるかでコンピューターを選ぶような時代になるのではないかと思います。自分としては、サーバの信頼性と、Javaがもっと早くなってほしい、これらのチップは、その両面に貢献してくれると思う。グーグルのドキュメントサービスを使うと、クラウド側のサーバが落ちていると保存できないとか、Javaアプリケーションを使っていると、やはりネイティブプログラムに比べて遅いとか、そういう問題があるが、同じ電力で3倍も速いとのことなので、サーバ処理にも余裕があり、クライアントのJavaも高速に動いてくれるんだと思う。
そして、Windowsの時代が終わり、Androidになる。GoogleがMicrosoftに代って、コンピューター業界の覇権を握るようになるだろう。