利根川水系の浄水場のホルムアルデヒトが検出され、各地の浄水場で断水が起きた。
東京新聞:ホルムアルデヒド 34万世帯が一時断水(5月20日朝刊)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012052002000129.html
ホルムアルデヒドとは何か?
情報源:Weblio:ホルムアルデヒド
情報源:Wikipedia:ホルムアルデヒド
ホルムアルデヒド
分子式 :CH2O
性質 :刺激臭の強い気体でよく水に溶ける。
外観 :常温で無色
沸点|融点:-19.3℃|-92度(常温では気体だが水に溶けやすい)
精製方法 :メチルアルコールの酸化によって得られる。酸化されればギ酸を生じる。
ホルムアルデヒドの水溶液はホルマリン(濃度35〜38%)
用途
- ベークライトや尿素樹脂など合成樹脂(フェノール樹脂)の原料として使われる。合板やパーティクルボード、家具、接着剤から放散することがあり、温度や湿度が高いほど放散量が多い。
- 水溶液のホルマリンは殺菌、防虫、防腐剤として使われている。
規制
- 建築基準法によりホルムアルデヒドを放散する建材の使用制限が設けられている。建材には、放散量によって最低F☆☆☆☆から最高F☆までのランクがある。
- 1948年10月30日から1990年11月22日まで農薬登録を受け、殺菌剤として稲のいもち病やジャガイモの黒あざ病防除に種子消毒の形で使用された
ホルムアルデヒドの人体への影響
発がん性物質
資料:(ホルムアルデヒドの)人体への影響
濃度(気体) | 症状 | ||
0.06mg/㎥ | 0.05ppm | 目の粘膜に刺激 | |
0.08ppm | 日本の安全基準値 | ||
0.12mg/㎥ | 0.13ppm | 気管への刺激 | |
0.5mg/㎥ | 0.4ppm | 呼吸障害、鼻腔への影響 |
単位:ppm(資料:Wikipedia:ppm)
1ppm = 0.0001%(parts per million:1/100万:百万分率とも言う)
気体中では体積比、液体/固体中では重量比で数えるのが一般的。
症状
・めまい、抑うつ、昏睡などの中枢神経の抑制
・消化管および呼吸器への刺激症状
・腎臓の障害による排尿障害、無尿症、脳尿症、血尿
・肺浮腫、呼吸器の障害、循環性ショックなどによる死亡
被害状況
群馬県
千代田町(東部地域水道事務所の浄水場)
19日午前中までに取水を再開
埼玉県(情報源:NHK:取水停止 埼玉・千葉の3浄水場に(5月19日 6:05))
行田市(行田浄水場)
5月18日 夜 行田浄水場で0.168mgのホルムアルデヒドを処理後の水から検出
取水を停止、杉戸町、蓮田市で水が出にくくなるおそれがあるとの事
5月19日 5:00過ぎ 基準を下回ったため取水再開
三郷市(三郷浄水場:東京都水道局の管理:情報源:NHK(5月20日 12:28))
5月20日 1:30 ホルムアルデヒドが基準値0.08mgを上回る0.099mg検出される
9:30 送水を停止(他の浄水場の水と混合の為、濃度は半分程度とのこと)
千葉県(情報源:NHK:千葉 水質基準超え野田・柏で断水(5月19日 13:09))
野田市(上花輪浄水場)
5月19日9:30過ぎから市内のほぼ全域(4万6000世帯)が断水
柏市
5月19日正午頃から南部を中心として断水
市内全域(15万世帯)で水が出にくい状態
松戸市(栗山浄水場)(5月19日 6:05現在)
5月19日朝:ホルムアルデヒドの濃度が基準(0.08mg/L)を超えた為、取水を停止
5月19日午前中に取水を再開
我孫子市、松戸市、鎌ケ谷市、市川市、船橋市
断水の恐れ
流山市(北千葉浄水場)
一時取水を停止したが、すでに再開している。(5月19日 6:05現在)
汚染源
- 群馬県内を流れる烏川の水からホルムアルデヒドの元となる化学物質が検出されたが汚染源の特定には至っていない。
- 情報源:NHK:利根川水系 相次ぐ取水停止で断水も(5月19日 11:47)