SKY NOTE

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ネットメディアの未来と民主主義

最近、思うのは、いかに従来のテレビや新聞を介さず、社会的な合意を形成するかということを考えている。合意形成において重要なのは、同じ情報を全体で共有するインフラの構築なのだが、インターネットの強みである分散性が、結果として統合性を欠くという欠点となって現れている。例えば、人々の間で脱原発という流れは一致していると思う。なぜなら、これほど生活にデメリットを生じさせる被害が生じたのだから無理からぬ事なのだが...それを統一して実行するために必要なメディアを欠いている点に日本の弱さがある。アラブの春にはアルジャジーラがあったが、日本には、それに相当するメディアが存在しない。

そこで、考えられるのがネットによる新しいメディア、従来のテレビに代わるメディアの台頭なのだが、これには2つの問題がある。1つは、誰もが使えるインターネット、まだインターネットが誰もが使えるものになっていない。2つ目は、収益性が担保されたニュース・メディアである。ただでは質の高い情報を提供することは難しい。

1.誰もが使えるインターネット

  • 誰もが使えるインターネットで重要なのは、操作がシームレスであることが必要なのだが、これにはキーボードを必要としない入力インターフェースが必須だ。つまり、音声認識が必要である。また、ディスプレイの細かい文字を読み上げることは老人の目には辛いため、音声読み上げ機能は必要だ。また、マウスではなく片手で操作できるタッチパネルのようなインターフェースも必要だと思う。また、インターネットのインターフェースも、ホームページに行くと受付嬢のAIアバターが必要な情報を対話形式でアナウンスしてくれるくらいじゃないと駄目だ。ここから考えられる新しいテレビとは、AIによる音声認識と読み上げをサポートし、リモコンにはタッチパネルとマイクが内蔵されている。そこから、電話、インターネット、テレビ、ビデオ、本、音楽、ゲームなど、あらゆる情報へのアクセスが極めてシームレスにできる。リモコンのタッチパネルには、タッチセンサと一体化したモニタがある。見た目はiPhoneのようなリモコンである。またタブレットとも連動し、文書に手書きメモを入れることも可能になっている。(ボタンの数が多いほど、誰もが使えるものから遠ざかるので、できるだけボタンの少ないものが望ましい)

2.収益構造のあるネットニュース

  • 質の高い情報には、お金が必要である。これについては、いかに情報に宣伝を混ぜるかあということが重要になってくる。有用な情報にCMを混ぜる。それが良い情報であれば、それに付随した商品なり、広告枠が高く売れるはずなのである。既に情報そのものはタダで配布できるレベルにある。そして、実験的だが動画に広告を混ぜる試みも続いている。だが、まだまだホームページは読みにくいし、動画の広告もいまいちだ。そこで今期待しているのはiBooks2のようなウェブ出版コンテンツである。何がいいかというと、基本的にHTML5ベースなので、あの中にアフェリエイト広告を混ぜれば収益化できる点、もうひとつはページ単位であるためにホームページよりも格段に読みやすいことだ。この流れが本格化するのはiPad3になってからだと思う。まだ、現在のタブレットは解像度が出版物に劣る。それが出版物並になった時、必要な情報量を詰め込めて、誰でも低コストで配布できる状況になり、定期刊行契約ができるようになれば、そこに広告枠の価値が生じてくる。つまり、新しいメディアが生まれるわけだ。そこから収益が得られるようになれば、沢山の雑誌が生まれる。その中から優れたものが評価されて、収益化できるものが生まれてくる。これによって新聞に競争原理が生じる。次にテレビだが、これはアバターベースになると思っている。文章をアバターが読み上げ、動画と連動して伝えるのである。各地の記者は一般人でソーシャルネットワークでつながれている。その中から優れたものを編集してアバターに喋らせる。いい取材が出来た人に、編集者のアフェリエイト収益の一部が還元される仕組みとなっており、それがインセンティブとなって取材スタッフが自然に生まれる構造だ。ソーシャルネットワークの中で、編集者と取材スタッフが有機的につながる仕組みを作ってみたらどうかと思うのだ。つまりソーシャルネットワークを使った新たなメディアを創造するわけだ。

まとめ

  • 全く新しいコンセプトをもったメディアを作り出し、それをサポートするハードウェアなりソフトウェア、サービスがあれば、既存のメディアを駆逐するような優れたものがその中から生まれてくるだろう。私たちは、それまで待たないといけないのが不幸だが、しかし、それは政治的発言を十分にして来なかった私たち自身が負うべき責任でもある。新しいメディアは、支配されない。市民から生まれたメディアであり、ソーシャルベースである。市民の有機結合体のようなニュース・メディアこそ、21世紀のメディアとしてふさわしい。市民自らが集めた情報が共有され、合意が導けるニュース・メディア、それが21世紀のジャーナリズムであり、民主主義のあり方なのだと思う。これは誰にも支配されないメディアである。ただし、コレができるのには10年以上かかるだろう。その前にすることは、選挙で改革をしてくれそうな政治家に投票することだ。市民の自由な情報の伝達の邪魔をしないような新しい人材を政界に送るべきである。