0.まずは、この動画を見てください。
- 2歳児がiPadを使いこなしています！
- 「おおお〜DynaBookがついに出来た！」と感嘆の声を出す諸氏の方々、その気持ち、とてもよく分かります。これの何が凄いのかは、そのインターフェースの素晴らしさにありますが、これが38年前の論文に記されています。PCの父と言われるアラン・ケイ氏の1972年の論文「A Personal Computer for Children of All Ages」に記されています。なんと38年前に既にiPadの原形とも言えるDynaBookというものが提唱されていたのです。というか、元々のPersonal ComputerのコンセプトがDynabookであり、その正当継承機がiPadと言えるでしょう。
1.全てはここから始まった
- ALAN KAY's BIBLIOGRAPHY（アラン・ケイのこれまでの論文がある）
- http://www.mprove.de/diplom/referencesKay.html
- この中の1972年の「A Personal Computer for Children of All Ages」にDynabookは登場します。そこに以下のようなイラストがあります。
- 原文をコピーしたPDFファイル（当時はPCがなかったから、書類がコピーなのがリアル）
- http://www.mprove.de/diplom/gui/Kay72a.pdf
- 最初の1ページ目に、以下のアラン・ケイ直筆の有名なイラストがあります。
- 38年前に既に提唱され、その後、数々のDynabookもどきが登場しましたが、どれもこれも出来が悪く未完成と言えるものでした。しかし、iPadは違う。その理想、つまり、誰にでも使える（Personal）コンピューターで、それが紙のように静的ではなく、動的（Dynamic）なメディア（Media）であるという条件を見事に満たしています。
- ・2歳児が使いこなしている→誰にでも使える（Personal）
- 今までのPCは真の意味でPersonal Computerではなかった。そのシステムが理解できる一部の人達の為のコンピューターでしかなかった。-
- ・映像も音声も自在に操れるソフト（Dynamic Media）
- インターネットや映像、音声、テキストを自在に操る事が出来る
- アラン・ケイは、コンピューターが誰にでも使えるようになり、それが従来の静的なメディアではなく、ダイナミック（動的な）なメディアになる事によって革命が起こると予言していた。そういう意味でiPadこそ、真のPersonal Computerであり、革命の始まりなのだ。2歳児の動画は、その38年越しの理想が結実した証明とも言えるべき映像で、感動的だった。
- 2010年4月3日は、真のPCが生まれた日として記録される事だろう。今までのは「PCもどき」でしかなかった。PCが出来ても、紙に置き換わる事が出来なかったのは、今までのPCの出来が悪かったからだ。iPadのように2歳児が使えるくらいであってこそ、紙の代替となりうる。そして、紙の欠点から生じる。あらゆる無駄を省く作業がこれから始まるだろう。そして、その過程で社会に革命が起こる事だろう。インターネットは情報革命をもたらしたが、それはまだ、全ての人に行き渡ってはいなかった。しかし、iPadのようなコンピューターが登場する事によって、誰にでもコンピューターの恩恵が行き渡るようになり、本当の意味での「革命」が起こる事だろう。私たちは今、その革命のただ中にいる。
