食料自給率100%は可能か検討してみた。完璧なものではなく、私の個人的な大ざっぱな試算によるものである。日本の最大の農地は水田(260万ha)であるため、この水田をフル活用する。飼料は、コーンの代わりに藻と飼料米を混合して使う。大豆は水田を148万ha二毛作をして生産、小麦は飼料米を使った米粉で代替する。つまり、パンは米粉、飼料は藻と米という様にし、その飼料の消費量を減らす為に配合飼料を混ぜて消化効率を良くする。こういった飼料で作った卵や牛乳や肉がおいしくて、飼料も計算通り大量に作れれば、日本の食糧自給率100%は不可能ではない。
二毛作という手間のかかる農法を使うので、兼業農家では大変すぎる。よって、専業農家に土地を貸したり譲渡する事が円滑に行えるようにしなければいけない。水田の45〜60%が二毛作という計算となるのだから、その規模で専業農家に転換してもらう必要がある試算となっている。高齢化によって農家の担い手がいなくなった後は、専業農家の方に譲ったり、貸したりする流れがこれからの農業に必要なのかもしれない。
生産量を担保する為に必要な補助金は一定額とし、生産効率を上げたら利益が出る構造にすれば、生産性の低い農家は淘汰されて、土地を手放し、生産性の高い農家(農業法人)に土地が集中するという構造に出来るのではないかと想定する。
人口
1.28億人(2004年)→1.13億人(2030年)
農地
田んぼの総面積:260万ha(田んぼ:160万ha 休耕田:100万ha)
耕作放棄地:38.5万ha(2005年)
作物別収量
食用米:5.2t/ha
飼料米:8.0t/ha
大豆 :2.5t/ha(高収量品種使用:二毛作でこれだけの収量が得られるか不明)
将来の生産規模想定
国内生産量(人口比で将来の需要構造を計算)
米 :830万トン→736万トン(2030年:1人あたり65kgで計算)
輸入量
小麦 :622万トン→550万トン(2030年)
コーン:1600万トン→1415万トン(2030年)
大豆 :418万トン→370万トン(2030年)
2030年の想定生産量(自給した場合、どれだけの規模の生産が必要か計算)
米 :736万トン(160万ha→141万ha)
飼料米:912万トン(米粉:550万トン/飼料:357万トン362万トン・114万ha
+太陽電池5万ha)
藻 :960万トン1053万トン(飼料)
大豆 :370万トン(二毛作:148万haの水田)
配合飼料:カシューナッツの殻油(消化効率を高めて牛の飼料を減らす+メタン削減)
http://www.idemitsu.co.jp/company/information/news/2007/080324.html
藻を960万トン1053万トンを生産する為の設備の規模
藻 :最適環境であれば1日で倍加するものがある。
日量:2.63万トン2.89万トン生産(365日24時間生産)
水槽:10.52万トン11.54万トンの水槽が必要(石油コンビナートの空きタンクが使えそう)
規模:100107メートル四方で高さ10mの水槽があれば、生産可能と計算できる。
最適環境を生成
二酸化炭素:工業地帯の二酸化炭素(二酸化炭素を固定化)
水 :工業用水
ミネラル :添加(肥料)
熱 :工業地帯の低温廃熱
光 :LED(200lm/w)攪拌機にLEDが取り付けられ光がまんべんなく行き渡る
電力 :集光型太陽電池(発電効率40%)+スマートグリッド(24時間光合成)