SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

Pref..
Speech
STOP
Follow..
QR Code
|◀
▶|
QR
×
voice
volume
0
rate
0
pitch
0

なぜ、お前の言っている事は理解されないのか?

なぜ、お前の言っている事は理解されないのか?と己に問うてみた。
 
数字やデータを示した所で、その数字が何を意味するのか理解できる人間にしか分からない。たとえ、分かっていたとしても、猜疑心が初歩的な物理法則までも否定する。その猜疑心とは、理論と現実のギャップが常に存在するという意識から生じる。
 
私が猜疑心を抱かないのは、初歩なればこそ真理であるという考え方に基づいている。たとえギャップがあるにしても、原則としては正しいのだから、そのギャップは埋める事が出来る筈だと考えている。逆に原則自体が間違っていたら、ギャップを埋める事は出来ないというのが私の発想である。理想論と思われるかもしれないが、私は現実を無視した夢想主義者ではない。よく勘違いされるが、そういう人に私はこう言いたい、可能性を安易に否定する事が現実主義ではないと。現実主義とは悲観主義の事ではない。現実主義とは、現実に対してニュートラルな視点を持つ事であり、マイナス方向に保険をかける事ではない。(あまり保険をかけすぎると、チャンスを見失うからね。それは現実的とは言えない)
 
大抵信じない人というのは、自分の目で見た事か、体験した事でしか信じる事が出来ない。要するに文字から状況を読み取り、それを信じる事が出来ない人である。文字から現実を読み取れる人というのはあまり多くない。たとえ、どんなに分かりやすい理屈であっても、それを信じるのは難しい。
 
詐欺師が人を信じさせるのは、「こうあってほしい」という人の願望を利用するからである。しかし、現実をありのまま伝えようとすると、「こうあってほしい」という事以外の事までも説明しないといけない。つまり、現実を伝えようとするときには、願望を利用できない。
  
分かりやすい説明をする人は、既にその人が経験しているであろう事を巧く組み合わせて説明できる人か、小さな実験を見せる事で、小規模な実践をしてみせる事である。例えば、電気自動車がなぜ効率がいいのか説明するときに、シンプルに車輪がついただけの車と、その車輪のシャフトに複雑なギアが組合わさった車の模型の両方を同じ力で押して転がしたときに、どちらが遠くまでいくか、当然摩擦の多いギアが沢山ある車は遠くまで転がらないのは誰の目にも明らかである。そうやって実際に目で見て、なぜ、電気自動車が効率がいいのか説明できるのである。電気自動車は、モーターとインバーターで速度を調節できる為、複雑なギアメカニズムは必要ないのだ。
  
そういう意味で私はチャレンジャー爆発事故を説明したファインマン博士の説明がとても素晴らしいと思う。彼は氷の入った水のグラスにチャレンジャー事故で使われたゴムと同じ素材を入れて冷却し、そのゴムが冷却されると硬くなり、水素を閉じ込めておけなくなる事を証明した。誰もがぐうの音もでない説明で、見事にチャレンジャー事故の原因を衆目に認めさせた。

参考資料
http://ja.wikipedia.org/wiki/リチャード・P・ファインマン
・・・上記の資料から抜粋・・・

1986年に起きたチャレンジャー号事故に際しては、調査委員の一人として事故原因の究明に参加した。...省略....固体補助ロケットの継ぎ目をふさぐOリングに低温では弾力を失って脆くなるという欠陥があることを明らかにした。一般公開による事情聴取の席上、Oリングのサンプルを氷水に漬けるというミニ実験を行い、問題点が何処にあるのか、一般の人々にわかりやすい形で提示を行った。

・・・抜粋終了・・・
 
と、このように物事を説明するのは手間がかかる。特に存在しない未来の事となると非常に困難になる。だが、全く説明できない事でもなく、体験できる様な実験や、分かりやすい比喩があるのならば、それを巧く組み合わせて分かりやすく説明すればいいのである。私がその事に、よく愚痴をたれるのは、その手間が自分の低能な脳みそには、あまりにもかかるので辟易とするのである。特に悲観主義という名の執拗な猜疑心には辟易とするのである。(悲観主義者は、明らかな現実であっても、物理法則という基本原則であっても、とにかく信じない。まだ何か裏があるのではないかと常に疑っているが、その実態は、自分で決断を下す自信がない人たちなので、決断が必要のない位、ハッキリとした情報しか認めない。でも、それだと物事が起こる前に行動しないので、結局、二番、三番という事になる)