SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

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改正児童ポルノ法=準治安維持法

特定の情報をもっているだけで罪に出来るというのは、歴史を見れば治安維持法による情報統制が思い浮かぶ、こういうイチャモンレベルの法律は、刑法上あってはいけない。なぜなら、政府が簡単に市民を罪人に出来る口実を与えてしまうからである。
 
つまり、もし、こういった法律が拡大解釈されて政府に都合の悪い情報を言うものを罪人として捕まえたら、それはまさに治安維持法となるだろう。この改正児童ポルノ法は、児童を守るというお題目はきれいだが、中身を見ると、もろに治安維持法である。
 
例えば、Blogなどで自民党を批判出来るのも、やはり表現の自由があるからなのだが、その情報の中身を実害が認められない限りにおいて政府が一切詮索しないという事で表現の自由が成り立っているのである。今回の改正児童ポルノ法の中で問題なのは、被害者のいない仮想物に対してまで規制が及んでいる事である。つまり、この法律は超えてはならない一線を越えているのだ。誰の迷惑にもなっていないものに、罰を与える。これは正に法律で実行される暴力である。
 
見栄えの悪い、イメージの悪いものは、損をしがちである。それがたとえ誰の迷惑にもなっていなくとも、他者の偏見によって一方的に差別され、犯罪者に仕立て上げようとする今回の法律は極めて理不尽である。率直に言って「誰の迷惑になってもいないものを、罰するなどもってのほか、いい加減にしろ!」といいたい。
 
犯罪に明確な証拠が必要なの様に、他者を罰するには、それに値する罪を犯している事が前提である。しかし、ただ、エロ漫画を見ているだけで罰するなど、この国はいつから、そんな管理社会になったのかと思う。児童を守るという正義に名を借りた政府の管理体制の強化でしかない。
 
警察庁の犯罪統計
犯罪白書 1997年〜2006年 性犯罪はP.5
(上段から 認知件数、検挙件数、検挙人員 各項目:1997年〜2006年)
警察庁の性犯罪の統計データ(5ページ目参照)

児童ポルノ法施行後の性犯罪の増加率(1999年基準とし2006年と比較)
 強姦    :11.8%増加
 公然わいせつ:63.7%増加
 強制わいせつ:99.7%増加
 わいせつ物 :16.1%増加
 
私が性犯罪を見ていて思ったのは、むしろ、こういう規制を増やす事によって犯罪の数が飛躍的に増えている現実だ。また強姦などの深刻な性犯罪も見てみたが、そのデータの特徴から言って、何らかの形で女性と接点のある人間が強姦をしている。強姦の調査で35.5%が配偶者からであり、また25.8%が職場の関係者となっている。すなわち、この中から見える犯罪者像は、女性とつきあえなくて、ゲームをしている連中とは、全然違う連中が強姦を犯している現実だ。
 
内閣府調査
http://www.gender.go.jp/e-vaw/chousa/images/pdf/chousagaiyou2103.pdf
P.20 数字が見にくいですがクリックすると拡大します

(このグラフはサンプル数が93人と少ないので、大まかなイメージとして捉えてほしい)
 
まず、配偶者がいる場合、エロゲーをもっているとは考えにくい。奥さんのチェックをかいくぐってゲームを所有するのは難しいだろうし、そもそも、恋人が出来る段階でエロ本やエロビデオ、エロゲーなどは処分させられる可能性が高く、また、子供が生まれれば、所有のハードルはもっと高くなる。よって、エロゲーやエロ漫画があるから強姦するというロジックは間違っている。むしろ、女性と接点があり、強い立場で命令できる職場の上司(ゲームをする様な年齢ではない可能性が高い)や、配偶者による望まないセックスが、強姦の6割以上を占めるているのである。この犯罪者像からは、エロゲーやエロ漫画で性欲を満たしている人間はイメージ出来ない。むしろ、エロゲーやエロ漫画で性欲を満たしているので、強姦などしていないと見るのが妥当である。
 
子どもポルノ
http://www.paradisearmy.com/doujin/pasok6_porno.htm
世界の強姦認知件数:10万人あたり (ちょっと古いデータだが...)

G8中、日本の強姦件数は最下位である。もし、仮想物が性犯罪を誘発しているとするならば、日本は性犯罪者数でG8中トップでなければいけないが、実際は最下位である

 
つまり、改正児童ポルノ法が犯罪者と定義している対象と実際の犯罪者が違うという事が分かるだろう。実際に罪を犯している犯罪者は罰せず、何の罪も犯さず、仮想物で性欲を満たしている人間を罰するなど言語道断である。ふざけるのもたいがいにしろ言いたい。このような罪なきものを罰する法律を作ろうとしている自民党には票を入れるべきではない。また、このような規制を作ってしまうと、日本のアニメや漫画の表現規制が厳しくなり、結果として、作品自体も自由を失ってつまらなくなってしまうだろう。それは日本のアニメや漫画の魅力が落ちる事を意味し、それはこの国の世界に通用する知的財産を失う事にもつながりかねない。無益であるばかりか犯罪を増やしかねない有害な法律の為に、有益なものが失われる。こんなバカバカしい事があってはらなない.
 
そして何より言いたい事は、規制を強める事で逆に性犯罪者が増えているという事実は、その種の表現物があるからこそ、現実の女性が救われていると考えるべきで、規制するべきではないのです。特に現実の女性や子供に害が及ばない仮想物に対して規制するべきではない。そういう表現物への規制のある国ほど性犯罪率が高い。世界的な統計を見てもそれは明らかであり、こういった規制は百害があって一理なしというのが私が調べた限りの見解です。
 
この法律によってなされる事は、偏見に基づいた暴力の実践であり、正義でもなんでもない。むしろ悪である。